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2025年10月23日

石田ちひろ区議が「消費税減税を求める意見書」への賛成討論を行いました。

2025.10.23  石田ちひろ区議

 日本共産党品川区議団を代表して、令和7年請願第16号「消費税減税を求める意見書」の国への送付を求める請願に、賛成の立場で討論します。

 本請願は、長引く物価高騰で、多くの国民の生活にゆとりがなく、中小企業の倒産件数が増えている中、暮らしや地域経済を守るため、消費税減税を求め国への意見書の送付を求めるもので、品川民主商工会から出されたものです。

 「賃金や年金は上がらないのに、物価と消費税の両方で支出が増え、生活が苦しくなる一方だ」「生活の見通しが立たない」「働いても働いても手元にお金が残らない。貯金もできない」等、苦しい声があふれています。さらに「消費税を一時的でも下げてもらえると暮らしていける」「食料品だけでも減税してほしい」など減税を求める声も上がっています。そうした中でコメ価格の高騰は子育て世帯などの暮らしをさらに追い詰めるものとなりました。昨年は国保料、後期高齢者医療保険料、介護保険料のトリプル値上げも行われ、物価高に加えてさらに支出が増えるなど、「いくら節約しても足りない」との声は当然です。

 先の参議院選挙時の各紙の世論調査で、消費税減税を求める声は7割に上り、多くの政党が、方法は様々ですが、消費税減税を公約に掲げました。

 しかし参議院選が終わって3か月が過ぎた今も手は打たれていません。自民党と維新が連立政権となり、これまで維新が掲げてきた「食料品の消費税はゼロ」にする案が実現に向けて動き出すと思いきや、「食料品について2年間に限り消費税の対象としないことを視野に検討」と、大きく後退。報道各社も「減税の実現は難しい」と報じています。
物価高騰対策に最も有効なのは消費税の減税です。

 物価高騰が本格化したのは2021年。物価上昇品目は2024年は1万2520品目、2025年10月時点では2万品目を超えました。物価上昇の波は食料品にとどまらずあらゆる商品・サービスに及んでいます。すべての商品・サービスにかかる消費税を5%に減税することで、平均的な勤労世帯で年間12万円もの減税効果となります。食料品だけをゼロにした場合の2倍の効果です。消費税減税は所得税・住民税非課税世帯にも、そして子どもから高齢者まで、だれでも減税の恩恵を受けることができます。年収200万未満の単身世帯でも年間5.5万円の減税効果があります。

 2023年10月に国民の反対を押し切って導入されたインボイス制度。導入の理由は複数税率のもとで適正な課税を行うということでした。「インボイス制度を考えるフリーランスの会」が行った1万人アンケートでは、9割を超える事業者が消費税の負担が重すぎると答えています。税率を5%にすれば中小業者、個人事業主、フリーランスを苦しめるインボイスは廃止できます。

  消費税を5%に引き下げるためには、15兆円の財源が必要になります。政府が「消費税は社会保障の財源」と繰り返すもとで、総務委員会では自民党からも「社会保障の財源であるため、消費税減税は行ってはならない」との発言がありました。
これまでも共産党は、消費税増税と同時に法人税や所得税最高税率が下げられていることを指摘し、消費税が社会保障の財源という理由は成り立たないことを明らかにしてきました。1989年の消費税導入以降、36年間で国民が収めた消費税収は539兆円だったのに対し、ほぼ同時期に法人3税は318兆円、所得税・住民税は295兆円、合わせて600兆円以上の減収で、消費税が法人税や所得税の最高税率引き下げに使われ、社会保障ではなく、大企業や富裕層のために使われてきたのです。

 では財源はどうするのか、共産党は、大企業・富裕層への行き過ぎた減税・優遇をただせば財源はつくれると提案しています。

 まず安倍政権時に23.2%まで下げられた大企業の法人税率を28%まで戻します。
大企業はコロナ禍を経てさらにこの物価高のもとでも内部留保金を600兆円以上まで積み増しています。にもかかわらず賃金は上がらず、実質賃金は、1996年のピーク時から28年間で74万円も減らされています。それが経済の停滞や生活の困難につながり、「失われた30年」という長期的な経済の低迷の大きな要因となりました。共産党の国会質問で、法人税を減税しても賃上げや設備投資、下請け支援にも回っていないと質問。当時の石破首相は「法人税を下げたことが思ったような効果をあげなかったという深い反省の上に、法人税改革に取り組んでいきたい」と反省を口にしました。

 政府税制調査会も税制改正大綱の中で法人税率について、「今後は法人税率の引き上げも視野に入れた検討が必要」との文言を盛り込みました。大企業に担税力がある事は明らかです。

 また、所得1億円を超えると税負担率が下がる「1億円の壁」は残されたままです。本来所得への課税は累進課税ですが、現在日本では、所得1億円を超えると税負担率が下がるという優遇税制が行われ、低所得層よりも低い負担率としています。これを世界では当たり前の累進課税に戻すだけで財源はつくれます。

 さらに大軍拡の中止や大型開発や原発推進予算の見直し、政党助成金の廃止など進めれば財源は確保できます。 

 総務委員会の議論では、しながわ未来から「消費税は国税であり、国で議論されるべき」との反対意見が出されました。区民の苦しい実態を一番近くで見聞きしているのが私たち区議会議員です。だからこそ区民の大変な暮らしを改善させる・見直しが必要との声を国や都に届けることは区議会議員の役割です。例えば、先ほど議決した固定資産税などの軽減策を東京都に求める意見書をあげていますし、23区議長会でもふるさと納税の見直しを求める要望書を国にあげています。「国税だから国で議論」という理由は成り立ちません。

 4年間という長きにわたる物価高に多くの区民が耐えています。しかし物価高はとどまることなくあらゆる分野で暮らしと営業を苦しめています。消費税減税こそが、物価高騰から暮らしを守り、内需を拡大し、経済を立て直す上で有効かつ抜本的な対策です。区民生活を守るために本請願を採択し、国に意見書を上げていくことを呼びかけて、賛成討論を終わります。