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平日に卒園式 親子遠足廃止・品川の保育園「中延」以外でも行事見直し

「読売新聞」2000年10月6日(金)付
都民版の記事

品川区立中延保育園が運動会をやめ、ゲーム色の強い「みんなで楽しむ会」に衣替えしたが、同区の他の区立保育園でも親子遠足を廃止したり、卒園式(就学お祝い会)を平日に移すなど、次々と行事の見直しを進めている。同区の俣育行政は、区立の全三十七保育園が延長保育を実施するなど、先駆的な取り組みで知られているが、保護者の間では「新事業の導入で職員の手が足りなくなり、省力化を図ろうとしているのでは」と不信の声が広がっている。

「省力化では?」保護者に広がる不信感

親子遠足は、主に土曜日を使って保護者が子供と一緒に公園などに出かける行事の一つ。

区保育課によると、一九九八年度に五園、九九年度は三園、今年度は十三園が廃止を決めた。廃止した保有園では、子供だけの遠足など別の行事に切り替えるケースが多いという。

同課は廃止の理由として、@保護者が欠席した場合、園児の付き添いは職員が代行するが、その園児が寂しい思いをするA出席した保護者も、親同土でおしゃべりして子供そっちのけで楽しんでしまうケースが見られる−−などを挙げており、「保護者の就労事情が複雑化し、欠席者が増えていることが背景にある」としている。

また、卒園式については、今年度から五園が、土曜日から平日に実施日を移すことを決めた。卒園式は、小学校に進学する五歳児を在園児が送る行事で、保護者も出席する。平日に移すと保護者は出席しづらくなるが、同課は「行事の趣旨からしても、来られない保議者は無理に出席する必要はない」としている。

これに対し、同区保育園父母の会連絡会(西本貴子代表)は「親子遠足は、ふだん顔を合わせない父母や先生方と仲良くなるためにも大切な行事。卒園式も父母が出席することを子供たちも望んでいるはず」と反論。「新事業に伴って、保育内容が大きく変わろうとしている」と反発している。

区は九七、九八年度に計百二十八人の保育園職員を削減、約千二百人(非常勒職員を含む)の体制とした。

その一方で、今年度からは全園での延長保育(午後七時半まで)や午後十時までの夜間保育(四園)、休日保育(二園)などの新事業を進めているが、増員は行っていない。

しかし、同課は「行事の見直しは、子供の視点に立って保育を考え直した結果。職員の数は十分で、新事業の導入と行事の見直しは無開係」としている。

首都圏を中心に保育園や育児について惰報交換を行っている「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんは「品川区が重視しているのは、働く母親を支樗する託児機能のようだ。保護者は、子供の成長を促す保育機能にも期待しており、そのギャップが親の不満につながっているのでは」と話している。

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