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安藤たい作区議 第81号議案「大崎駅西口駅前交通広場(C地区デッキ部)整備工事委託契約」に対する反対討論

2009.10.21 安藤 たい作 区議

日本共産党区議団を代表して、第81号議案「大崎駅西口駅前交通広場(C地区デッキ部)整備工事委託契約」に反対する討論を行います。

本契約は、大崎駅周辺の再開発地域において、大崎駅西口明電舎地区まで整備されている交通広場上空の歩行者デッキを、大崎駅西口C地区、いわゆるソニー地区まで延長する整備工事を委託するもの。契約金額は、11億9101万5000円。うち、国からの補助金は2億4500万円です。

国が補助の対象として認める標準的な仕様の工事では、工事契約金額は4億9000万でした。しかし、民間からの要望により、実際の工事はその2倍以上の約12億円に膨れ上がりました。他開発地区の規格に合わせ、6mの幅を11mに広げ、仕上げ材等も高級なものを使用し、グレードアップされた歩行者デッキは、開発地域全体の付加価値を引き上げることにつながります。

民間事業者が自らの開発敷地内に整備する歩行者デッキを豪華仕様にし、付加価値を高めるために工事費用を倍以上も上積みする。そういうことが可能な民間大企業の工事に、わざわざ国の補助金、つまり国民の血税を2億4500万円も入れる必要があるのでしょうか。こういうことが行われれば、税金の投入に歯止めがかからなくなります。

品川区が座長をつとめる「大崎駅周辺地域 都市再生緊急整備地域 まちづくり連絡会」が定めた「都市再生ビジョン」では、「地域の付加価値を高め、より効果的に都市再生を推進するため」、「5つの重点戦略」をうたっています。この重点戦略のうちの2番目、「地域の連携を強化する都市基盤施設を整備する」には、歩行者ネットワークの強化が必要だとして、歩行者デッキが位置づけられています。この歩行者デッキは、最終的にソニー地区から西口南地区まで伸ばされ、再開発の各地区をつなぎ、これから大崎駅西東口にわたって面的に再開発を更に進めていくための重要な「足がかり」になるものです。

こうした再開発に税金を投入することそのものの是非も問われています。

79億円の税金投入で竣工した大崎駅西口中地区開発では、現在まで販売にかけられた住宅のうち68%しか売れていない状況が決算質疑で明らかになりました。売れないということは、そもそも事業として成り立たず、住民が望まない事業だということです。そのような高層マンション建設に税金を投入することの正当性が問われています。

そもそも、この開発は、地上げで住民を追い出し、オフィスビル中心の開発が進められたものの、供給過剰で02年に破たん。それが、時の小泉内閣「都市再生」のもと、不良債権化した土地の流動化を進める目的で規制緩和が行われ、そののち、マンション建設の計画に切り替えられ、息を吹き返したものです。それでも破たんしつつある今の状況は、巨額な税金を投入し、需要も定かでない高層ビルをなにがなんでも作り続ける「まちづくり」という名の再開発には、何の道理もないということを示すものです。

品川区はこれまで、大崎駅周辺の再開発に569億円の税金を投入してきました。これから、いずれも来年度中に着工予定の大崎駅西口南地区開発に26億円余が、北品川五丁目地区には264億円余の税金が投入される計画です。

先の総選挙では、国民は、これまでの大手ゼネコンはじめ財界・大企業の利益を最優先にしてきた自公政治に「退場」の審判を下しました。代わりに「コンクリートから人へ」と掲げた政権が誕生。新政権は、福祉の財源を捻出するため、国をあげて税金の使い方そのものを根幹から見直す作業を進め、八ッ場ダムや東京外郭環状道路など、不要不急の大型公共事業の見直し・凍結も打ち出されています。こうした中、品川の大型再開発に注がれる国民の目も大変厳しいものになっています。再開発への税金投入は中止すべきです。

また、ビル風被害やCO2排出量の増加など環境の面からも、また、不足している保育園等の公共施設の十分な整備、および、住民参加と合意形成が基本となるべきまちづくりの観点からも、超高層ビル建設の大型再開発事業は大きな問題をはらんでいます。

あらためて本契約には反対の意思を表明し、反対討論とします。

以上

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