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みやざき克俊区議 「品川区職員定数条例の一部を改正する条例」に対する反対討論

2009.03.30 みやざき 克俊 区議

2009年3月30日の品川区議会第1回定例会最終本会議において、みやざき克俊幹事長が行った「品川区職員定数条例の一部を改正する条例」に対する反対討論を紹介します。

「品川区職員定数条例の一部を改正する条例」に対する反対討論

日本共産党区議団を代表して第15号議案「品川区職員定数条例の一部を改正する条例」に反対する討論を行います。

本条例は、職員定数を2,606人から28人減らし、2,578人にするものです。おもな内容は、学校給食調理の職員25人の削減、給食調理業務を新たに9校委託します。

いま、大企業が不況を口実にすすめる派遣や期間工切りが社会から大きな批判を受けています。正規雇用から低賃金の不安定雇用への置き換えをすすめ、いくら働いてもまともに暮らせないワーキングプアを急増させた政治の責任が、いま問われているのではないでしょうか。品川区がすすめる職員削減、低賃金の非正規・不安定雇用への置き換えは、大企業のやり方と同じです。

私は、品川区が進める職員削減を三つの角度から問題点を指摘したいと思います。

第一は、品川区が莫大な基金、貯め込みをつくるために、低賃金の不安定雇用を増やしてきたことです。

今回の職員削減により、削減数は直近の10年間だけで869人。いわゆる「行革」を始めた昭和58年度から1,719人にのぼります。この多くが、保育園や学校の給食調理業務、すまいるスクール、図書館窓口業務など区民サービスに直結する部分で民間委託され、低賃金の不安定雇用に置き換えられてきたのです。

予算審議の際、落札による価格変更が社員の時給の減になっていることに対して区の答弁は、「時給1,000円はそれほど低くない、委託先の賃金・労働条件は法令に基づいた対応になる。どの企業を選ぶかは本人の問題」とのべました。ここには、自らワーキングプアをつくり広げてきたことへの反省のかけらも見られません。

さらに、予算審議のなかで、現在、財政調整基準から職員数が300人も下回ったことが明らかになりました。仮に一人当たりの人件費を年間850万円として単純計算しても、年間25億円も基金に積み増す仕組みです。都区財政調整制度のもとで、職員を削減して基金を貯めるやり方で、750億円まで積み増してきたのです。

しかも重大なのは、職員削減を「腕のみせどころ」と自慢する姿勢です。保育園のオアシスルームでは、派遣の受け入れとクーリングを繰り返す脱法的手法がとられていましたが、基金を貯め込むための職員削減が暴走しているのではないでしょうか。

第二は、住民サービスの低下です。区は「サービスを維持したうえでの定数削減」と説明しますが、サービス低下は明らかです。

まず、学校給食についてのべます。給食調理の職員削減により調理業務委託を9校拡大。委託は計30校になります。しかし、給食は、調理に携わる職員や経験者の人数によって、とたんに味に現れる。調理業務を委託した学校ではあちこちから「味が落ちた」との声が聞かれる問題は指摘してきたとおりです。

次に、保育園の職員削減です。財政調整基準との比較で職員は300人も下回っていましたが、そのうち保育園が実に107人を占めていました。今回の条例では保育士4名増ありますが、品川保育園の事業拡大によるもので、全体の手薄な状況を改善するものではありません。増え続ける保育需要に対して、区は保育園の増設でなく、定数外で子どもを受け入れる「詰め込み保育」と保育メニューの拡大で乗りきろうとしているのです。ところが、保育士など正規職員を減らして非常勤や派遣で対応してきた。これが子どもたちには職員がくるくる入れ替わる、長時間保育では朝と夜が手薄になるという事態をつくっているのです。子どもの命を預かる保育園なのに、安全面からも大問題です。

第三は、公共サービスを安定して提供できなくなる問題です。

認証保育園の開設準備金が1000万円から新年度予算で3000万円に拡大されました。認証保育園は1000万円の補助金では誘致できなくなったということです。株式会社が運営する認証保育園が突然廃園したり、職員数を偽っていたなど問題が多発。住民のなかに株式会社の認証保育園に不安が高まっているのに、認証保育園に頼るやり方が「売り手市場」となり、開設準備金の高騰という事態をつくってきたのではないでしょうか。

民間に市場を開放した介護の現場では働き手の確保が困難を極めています。私は、以前、民間の病院で人事担当をしていました。バブル景気の時は医療機関など見向きもされず、人材確保が本当にたいへんでした。公共サービスを景気の波の中に放り込んで安定して提供できなくなったら誰が責任をとるのでしょうか。

品川区がすすめる職員削減を大本から転換することを求め、討論を終わります。

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