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08年第2回定例会に日本共産党品川区議団「品川区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例」を提出

  1. 条例文
  2. 条例説明文 いいぬま雅子区議
  3. 賛成討論 みやざき克俊区議

08年7月3日最終本会議で、賛成日本共産党のみで否決されました。


品川区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例 

上記の議案を地方自治法第112条および品川区議会会議規則第14条第1項の規定により提出する。

平成20年6月20日

提出者:飯沼雅子・菊地貞二・鈴木ひろ子
賛成者:安藤泰作・中塚亮・南恵子・宮崎克俊

品川区議会議長
伊藤 昌宏 様

品川区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例

(目的)
第1条 この条例は、満75歳以上の高齢者が入院した場合に生じる入院費用等に対する支援金を支給することにより、入院に伴う経済的負担を軽減することを目的とする。

(対象者)
第2条 この条例により支援金の支給を受けることができる者(以下「対象者」という。)は、次に掲げる要件を備えている者とする。
(1)満75歳以上であること。
(2) 入院時から、引き続き区内に住所を有していること。
(3) 医療法(昭和23年法律第205号)で規定する病院または診療所であって、医療保険の適用を受けるもの(介護保険の適用を受けるものを除く。以下「医療機関」という。)に入院していること。

(支援金の対象となる費用)
第3条 支援金の対象となる費用は、医療機関への入院に関して生じた費用とする。ただし、室料差額および保険外診療に係る費用は含まないものとする。

(支援金の支給額)
第4条 支援金の額は、対象者1人につき、入院した日のある月1月当たり1万円を限度とし、前条に掲げる実費相当額とする。

(申請および決定)
第5条 支援金の支給を受けようとする者は、区長に申請し、その決定を受けなければならない。

(決定の取消)
第6条 前条の規定により支援金の支給の決定を受けた者が、第2条に規定する要件に該当しなくなったときは、区長は支援金の決定を取り消すものとする。

(支援金の返還)
第7条 偽りその他不正な手段により支援金の支給を受けた者があるときは、区長は当該支給を受けた者から返還させるものとする。

(委任)
第8条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

付 則
この条例は、平成21年1月1日から施行する。

(説明)高齢者の入院に伴う経済的負担を軽減する必要がある。


「品川区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例」の説明文

2008.07.03 いいぬま 雅子 区議

議員提出第1号議案「品川区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例」について、提案者を代表して説明を行います。

本案の目的は、第1条、満75歳以上の高齢者が入院した場合に生じる入院費用等に対する支援金を支給することにより、入院に伴う経済的負担を軽減するものです。

対象者は、第2条、満75歳以上の区民であり、医療機関に入院している方です。

支援金の対象は、第3条、医療機関への入院に関して生じた費用、医療費と併せ、日用品類、文書料、おむつ代など入院に要した費用です。ただし差額ベット代など保険外診療は対象から除きます。1月あたり1万円を上限とし、実費相当額。所得制限はありません。施行日は、平成21年1月1日です。

以下提案の理由を述べます。

高齢者の暮らしは、年金、医療、介護などの社会保障の相次ぐ改悪で大変きびしい状況にあります。高齢者を狙い撃ちにした、年金課税の強化、住民税非課税措置の廃止、連動しての介護保険料、国民保険料の値上げは、生活を直撃しています。調査結果を見てみました。[総務省全国消費実態調査]によると、平均的高齢者夫婦世帯では、実収入は現役時代の6割〜7割。消費支出は8割程度。生活水準の著しい低下を、貯蓄の取り崩しでまかなっています。[総務省家計調査報告]によると、年間60万円の赤字が発生し、65歳〜85歳までの20年間で1200万円の不足が生じると試算しています。[厚労省国民生活基礎調査]によると、年収200万円以下の高齢者世帯は43%、貯蓄は500万円以下が全体の3分の1を占め、とても将来の安心は望めません。更に今年4月からは、75歳という年齢で高齢者を差別する後期高齢者医療制度が導入されました。高齢者から「早く死んでほしいというのか」と怒りの声が上がるほどです。このままでは高齢者が社会のお荷物のように扱われる日本社会になってしまいます。

2002年にスペインのマドリードで国連高齢化問題の会議がありましたが、当時のアナン国連事務総長があいさつの中で、次のように述べています。「一人の老人が亡くなると、図書館が一つなくなる」といったことわざがあるように「高齢者は過去、現在、未来を結ぶ架け橋」であり「高齢者の知恵とその経験は、社会の存在、発展になくてはならないもの」であると指摘しました。

高齢者の尊厳が守られる社会を取り戻したい、あたり前の願いではないでしょうか。とりわけ医療制度は命を守る砦です。病気になったとき、経済的負担から医療が抑制され大切な命が奪われてはなりません。とりわけ入院時の負担は本人にとっても家族にとっても大変な負担になります。療養病床の入院費は月20万〜25万円もかかります。共産党は、医療費無料化の復活を求めていますが、今回は自治体として、すぐにでも実現できる内容で提案させていただきました。内容は多少の違いがありますが、千代田区、新宿区ではすでに実施がされている入院時の支援制度です。

予算は、施行が来年1月1日ですから、本年必要な財源は5,750万円、年間ベースで2億3千万円です。品川区の財政状況で充分まかなえる範囲と考えます。

以上、品川区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例の提案説明です。慎重にご検討をいただき、ご決定いただきますようお願して終わります。


賛成討論

日本共産党区議団を代表して、議員提出第1号議案「品川区高齢者医療入院時負担軽減支援金の支給に関する条例」に対する賛成討論を行います。同条例の否決という委員長報告は認められません。

今回提案の高齢者の入院支援金制度は、75歳以上の区民が医療機関に入院した場合、月額1万円を上限に支援金を支給するものです。高齢者が安心して入院できるよう自治体として可能な支援をしようという提案です。

この提案は、厚生委員会で否決されましたが、あらためて議員のみなさんに賛成していただくようお願いするものです。そこで、この制度への私の思いを3点のべたいと思います。

第一は、医療費負担の軽減が高齢者の強い願いだということです。

いま高齢者には介護保険料の天引き、年金への課税、さらに後期高齢者医療と次々に負担が増えていることはご承知のとおりです。入院したら生活がなりたたなくなる高齢者もいます。

豊町に住む81才の女性は、夫が年に2〜3回、入退院を繰り返して負担が大変だと訴えています。入院すれば、ティッシュなど日用品やテレビカードの購入、見舞いに行くタクシーなど何かと出費が多く、わずかな貯金を取り崩しているといいます。収入は夫婦の年金だけで、入院の出費はたいへんきつい。月1万円でも支援があればたいへん助かると、切望しています。

第二は、品川区には実現できるだけの財政的余裕があることです。

この制度は、平年度ベースでおよそ2億3千万円の予算が必要です。しかし、品川区は現在600億円を超える基金があり、昨年1年間だけで150億円積みました。品川区はいま学校改築、小中一貫校建設を急ピッチですめていますが、高齢者の入院支援金制度のためのやり繰りは十分可能。命をささえる制度は最優先にすべきです。

第三は、高齢者の入院負担軽減の制度が広がっていることです。

23区でもすでに、千代田区が昨年から、新宿区も今年から導入しました。多摩地域でも日野市、三鷹市、東大和市、国立市、日の出町などでも実施しています。

ぜひ、品川区でも早期に実現したいと思います。

さて、私は、ここで、厚生委員会の審査の際に出された高額所得者への所得制限についてのべたいと思います。

今回の提案は、所得制限をつけず、75歳以上の区民をすべて対象にします。これは、税金や保険料は所得に応じて負担して、医療や福祉は同じように受けられるようにする社会保障の考えです。現在の医療保険制度もこの考え方です。かつて、乳幼児医療制度でも同じ議論を行いましたが、すでに所得制限は撤廃されています。

私は、財政力の弱い自治体が、とりあえず所得制限を付けて始めるのというはありうると思います。しかし、財政にこれだけ余裕がある品川区で所得制限をつける理由はありません。千代田区、新宿区でも所得制限はありません。

道路建設には10年間で59兆円も投入するが、医療や福祉が次々に後退する。こうした政治に多くの国民が異議を唱えています。税金の使い方が今ほど問われているときはありません。

わが党は、いま医療費の窓口負担をゼロにしようという運動に多くの著名人が賛同、マスコミも注目していることをこの場でも紹介してきました。医療費の負担をなくし、誰でも安心して医療にかかれる制度は、住民の理解を得られると確信します。子ども医療無料制度に続いて、今度は、高齢者の医療無料化に踏み出そうではありませんか。

重ねて高齢者医療入院時負担軽減支援金制度の実現をお願いして、討論を終わります。

 

 

以上

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