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品川区2007年度予算案に対する日本共産党区議団の意見表明

2007年3月19日

3月19日、品川区議会予算特別委員会において品川区2007年度の各会計予算が可決しました。日本共産党区議団は、一般会計と国民健康保険事業会計、介護保険特別会計に反対。老人保健医療特別会計に賛成しました。自民、公明、民主(区民連合)、無所属の会、生活者ネット、無所属議員(築舘武雄、須貝行宏)の与党会派、議員は区長提案の予算にすべて賛成しました。

なお、日本共産党区議団は今予算議会に、情報公開の手数料を無料にする条例改正と予算修正を提案しましたが、日本共産党以外すべて反対しました。

以下、日本共産党区議団を代表してみやざき克俊幹事長がおこなった品川区2007年度予算案に対する意見表明を紹介します。

品川区2007年度予算案に対する日本共産党区議団の意見表明

日本共産党区議団を代表して2007年度予算案に対する意見表明を行います。日本共産党は一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険特別会計の各予算に反対。老人保健医療特別会計予算に賛成します。

あわせて、わが党提案の情報公開手数料を無料にする修正案にみなさんの賛成をお願いいたします。

新年度予算は、浜野区長の初めての編成です。中学3年生まで医療費無料化が10月から実現、耐震補強支援の対象を木造アパートにも拡大、障害者サービス利用の負担軽減など一定の前進もありますが、予算の本質は、福祉の充実に背を向け、大規模開発にまい進してきた高橋前区政の継承です。

以下、問題点を一括して指摘いたします。

第一は、住民にいっそう負担を押し付ける問題です。

わが党区議団が実施したアンケートでは、区民のなかに「格差」と「貧困」が広がり、固定化している実態が浮かび上がっています。しかし、区は「格差」、「貧困」を認めず、今年も区民に増税、負担増を押し付けます。所得税・住民税の定率減税全廃で18万5000人が増税。住民税の所得割一律10%で課税標準額200万円以下は5%が10%となり、国民健康保険料に連動。年金収入が180万円ひとり暮らしの方は05年度9600円が06年度1万8300円、07年度4万8200円と、激変緩和措置がとられているものの2年間で実に5倍もの値上げ。こんな負担増に区民は耐えられません。

わが党のアンケートでは、高齢者は介護保険料や医療費の負担軽減、子育て世代は保育料軽減、児童手当の増額など経済支援を求める声が多数を占めています。こうした区民の声に応えるべきです。

第二は、「住民福祉の機関」としての自治体の役割放棄です。

特養老人ホームは入所待ち450名もいるのに増設せず、都南病院と原小学校の跡地につくるのは月額利用料が20万円もするケアホームです。また、区営住宅や高齢者住宅の増設を拒否する一方で再開発の高級マンション建設に税金を投入して支援する、これが自治体のやることでしょうか。

さらに、学校給食調理代行を現行の10校から23校に拡大、図書館窓口、区立駐輪場への指定管理者導入。民間委託のガイドライン策定と総合評価入札制度導入、市場化テストも検討するとしており、行政の仕事の民間企業丸投げを加速します。「格差」と「貧困」の原因にパートや派遣社員の低賃金があると指摘されているのに、品川区に働く900人のパート、派遣は10万円から14万円の生活保護基準以下、自治体自ら低賃金の不安定雇用を拡大するのは問題。均等待遇の原則を求めるものです。

一方で、同和事業を継続、同和相談員に高額な人件費を払い続けています。部落解放同盟を特別扱いし同和相談室は調査さえ受け入れを拒否。同和事業のムダ遣いはやめるべきです。

第三は、際立った大規模開発優先です。

大崎駅周辺の開発には、06年度の114億円に続いて新年度も45億円を投入。西口中地区と東五反田2丁目第2地区で工事着工、西口南地区と北品川5丁目第1地区は計画策定に着手します。さらに、大崎駅前広場とデッキなど「都市再生事業」の名による開発への税金投入を拡大しています。品川区は国、都とともに「大崎副都心計画」を推進していますが、三井不動産など大企業のための開発であり、ムダな公共事業の都会版です。しかも、開発は大手ゼネコン・大企業と一部の地権者だけですすめ、被害を受ける住民に説明もなく借家・近隣住民の意見も聞こうとしない。これは、まちづくりの主役にゼネコン・大企業を据えるものです。

また、武蔵小山駅周辺地域での開発計画の策定。さらに、JR広町アパート地域にも開発を広げようとしています。8月に丸井が撤退するのに、行政需要の調査もなしにすすめようというのは無謀と言うほかありません。丸井の撤退は、大規模店を各テナントにしてすすめてきた再開発の破綻です。大規模開発を抜本的に見直すべきです。

第四は、強引な教育改革の推進です。

学校選択制と小中一貫校を中心とする「プラン21」が人気校と不人気校をつくり、学校は統廃合の嵐の中に置かれています。これを現実のものにしたのが荏原西地区の小中一貫校計画です。

区教委は、当初計画していた平塚中・平塚小の小中一貫校に荏原第二中学校も加えると突然、発表しました。区議会文教委員会への説明もプレス発表もなく、突然、父母に説明したものです。区教委は、近くに新しい学校ができたら二中に生徒が集まらないとの説明ですが、結局、学校選択制は児童、生徒が集まらない学校を統廃合するものです。学力テストと習熟度別学習とあわせ、競争主義を教育に持ち込むやり方はやめるべきです。

第五は、区民の声も民主的なやり方も無視する浜野区長の政治姿勢です。

荏原西地区小中一貫校に荏原二中を加える計画は、教育委員会での意思決定もなく、予算編成の中で決定したとの説明でしたが、区長の主導だったということです。教育委員会での論議、手続きさえ無視するやり方は到底認められません。

さらに、情報を隠す姿勢も問題です。特養老人ホームの入所基準が、なぜ情報公開の手続きがなければ公開できないのでしょうか。議会に対し、情報公開によらなければ資料を提供しないのは他区ではありえないこと、品川区の隠蔽体質を示すものです。

また、豊町・二葉での「まちづくり」計画に、住民が反対している29号線道路計画を盛り込み、ゴリ押ししようとするのも問題です。

これらは、「区民に十分に説明を尽くす、区民意見を反映させる」と区長自らのべた施政方針に反するものといわざるを得ません。

最後は、お金をめぐる問題です。政務調査費不正使用問題では、品川区議会は政調費による飲食を全面禁止、不正使用分を返還、今後、政調費のあり方そのものも見直します。しかし、アルゼンチン債問題は1億円余の損害にもかかわらず誰も責任をとらず、区民への説明さえありません。こんなことは断じて許されません。あらためて区民への説明と関係者による損害賠償を求めるものです。

以上で、日本共産党区議団の意見表明といたします。

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