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おくの晋治 区議 「小山三丁目第1地区市街地再開発の都市計画手続きの中止を求める請願」、「小山三丁目第1地区市街地再開発の準備組合の民主的な運営を求める請願」への賛成討論

2021.12.9 おくの晋治 区議

 日本共産党品川区議団を代表して、請願第13号「小山三丁目第1地区市街地再開発の都市計画手続きの中止を求める請願」および請願第14号「小山三丁目第1地区市街地再開発の準備組合の民主的な運営を求める請願」に賛成する討論を行います。

 本請願は、武蔵小山駅前の2棟の超高層マンションに続いて計画されている、商店街をまたぐ2つの再開発計画のうちの1つ、小山三丁目第1地区再開発の中止とその準備組合の民主的運営を求めるものです。小山三丁目第1地区には、145m、40階建てのマンションを1棟。第2地区には、145m、41階建てのマンションを2棟。2つの再開発が完成すれば、5棟ものタワーマンションが林立、ムサコの光景は一変してしまいます。

 請願第13号は、小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業の都市計画手続きを中止し、計画を見直すことを求めています。それは、請願者の住むマンションの居住者には再開発を進めて欲しくないという住人が多数いるためであり、それは、その居住者が再開発によって新たに建設されるマンションに住むことを選んだ場合にも、選ばず転出していくことにした場合にも、将来安定して住み続けられる住居が確保できるという見通しや保証が全くないからです。

 そして、請願第14号は、請願者の住むマンション居住者多数のこのような不安が解消されないまま手続きが進む要因に、区分所有者を含む地権者に必要な説明や情報提供がなされず、一部の組合員とデベロッパーで計画を検討してきた、再開発準備組合の非民主的な運営がある、としました。そこで、請願第14号は、再開発準備組合が、地権者・住民とともにまちづくりを検討する民主的な運営を行うよう、区から求めるように、求めています。

 以下、賛成する理由を述べます。

 まず大切なのは、何よりも請願者の住むマンション居住者多数の方々の不安が今も何も解消されてないということです。

 これに対して、区は、この都市計画は、準備組合の総会で他の多くの方の賛成を得、特に第2地区については出席者全員の賛成を得て出されたと言います。

 しかし、第1地区では、再開発を進めて欲しくないと思っている方がたくさんいるからこの請願が出されているのですし、第2地区については、この請願の署名を集める中で、そこの地権者の方から、自分はよく分からないので再開発に賛成とも反対とも判断できないという声を直接伺いました。また、「必要な情報が示されてない」、「専門的な言葉が多く分からない」などとも聞きました。情報不足によって不安を抱いているのです。

 では、この住民の抱いている不安とはどのようなものなのか?

 もし都市計画手続きがこのまま進み、この方々が再開発によって新たに建設される超高層マンションに住むことを選んだ場合には、2度にわたる引っ越しと長期間の仮住まいをしなければなりません。その場合、請願にある通り、耐え難いストレスを被ることになり、再開発後に健康を保ち元気に戻ってこられる保証はありません。仮に戻ってきたとしても、現状より部屋は狭くなる上に管理費や修繕積立金、固定資産税の負担が跳ね上がり、多くが年金暮らしのその方々にとっては負担しきれるのかという問題に直面することになります。

 一方、この方々が再開発によって新たに建設される超高層マンションに住まないで転出することを選んだ場合には、引っ越しが大きな負担になることに加えて、引っ越し先は自分で探し、費用も自己負担になるのではないか、そして高齢のため保証人を確保できるのか、引っ越し先が見つかるのかという不安を持たれています。

 この点につき、区は、準備組合は引っ越しをする際の情報提供でサポートする、一人一人の状態を確認しながら適切に判断していくと言います。

 しかし、まず、再開発によって新たに建設される超高層マンションに住むことを選ぶにせよ、住まないで転出することを選ぶにせよ、事は自分の住居という一生に一度の大きな選択であり、決断です。「適切な判断」との曖昧な説明のみで決断できるものではありません。

 しかも、区は、「マンション住人には都市計画決定後に一人一人に確認したい」と言いますが、この不安を残したままこれ以上手続きを進めるわけにはいきません。都市計画決定の段階に至ればもはや後戻りなど困難になるからです。

 だからこそ、一人一人のマンション居住者の方々の個々具体的な不安を解消せずに残したまま、都市計画決定をしてはいけません。

 さらに、区は、「法によって定められた手続き」を踏んでいるから問題ないとも言います。

 しかし、都市計画法では再開発本組合が作られるまでは、当事者である地権者に対して、何も具体的な条件は知らされる仕組みになっていません。このような仕組みの法律である以上、いくら法律通り手続きが進められても、当事者である住人、地権者としては、不安を抱いたままでいる以外ないのです。

 自分の住居という本人にとっては生存権保障の土台であり人生を大きく変えるものを、個々具体的な条件を何も知らされることなく決断させられるというのは、あまりにも理不尽なことではないでしょうか。

 現に請願を出されているマンション居住者の皆さんが不安を抱かれているという事実は誰も否定できません。このマンションの皆さんは意を決して請願を2度にもわたって出されました。1度目採択されませんでした。だからこそ、不安は解消されず、問題点は解決されなかったのです。

 皆さん、この請願を2度にもわたって出された区民の皆さんの思いを受け止め、この請願を採択しようではありませんか。

 こうお訴え申し上げて私の賛成討論といたします。

 ご清聴ありがとうございました。

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