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なかつか亮区議 平成30年請願第1号「2020年実施計画に基づく品川上空飛行ルートの中止を国交省に求める請願」、請願第5号「羽田空港増便による低空飛行について、国交省に対する区の対応に関する請願」、陳情第5号「羽田離着陸新ルート計画中止を求める陳情」に対する賛成討論

2018.03.27 なかつか 亮 区議

日本共産党を代表し、請願第1号「2020年実施計画に基づく品川上空飛行ルートの中止を国交省に求める請願」、請願第5号「羽田空港増便による低空飛行について、国交省に対する区の対応に関する請願」、陳情第5号「羽田離着陸新ルート計画中止を求める陳情」の3件について、賛成討論を行います。

これらは羽田空港機能強化にともない、品川の上空を着陸機が1時間に44機も低空飛行する羽田新ルートについて、区民の知らない所で濱野区長が国交省に計画容認を伝えていた事を指摘し、請願1号は「計画を撤回し、今までの海上ルートの継続」を求めるもの。

請願5号は「国交省交渉の公開、区民意見の聞く場、低空飛行の実施中止」を求めるもの。

陳情第5号は、健康と安全上の問題とあわせ、資産価値下落を指摘し、「区に計画撤回の主張」を求めるもの。

いずれも、行革特別委員会において、賛成少数で否決となりましたが、区民の強い、計画反対の民意を真摯に受け止め、品川区議会が、これら3件を採択し、航空機公害から、住民の命と財産、平穏な暮らしを守るため、羽田空港は、今まで通り、海から入って、海から出る海上ルートを堅持し、安倍政権に対し、計画撤回を、住民の総意として、品川区議会が示すことを、心から呼びかけたいと思います。

これら低空飛行問題は、計画発表から3年半にわたり、区議会で繰り返し議論されてきました。

騒音、落下物、墜落事故、資産価値低下と、これらの問題は、国が示す環境方策によって何ら解決しない事は、すでに明らかです。
例えば、説明会で、国交省は「落下物はゼロにはできない」と住民に説明。繰り返される航空機事故や落下物事故の報道があるたびに、住民は恐怖を感じ「これが品川上空で発生したらと思うと、ゾッとする」「人口密集地域で、ひとたび落下物が発生したら、人命を危険にさらすことは明らか」と声があがっています。

また資産価値低下も深刻です。陳情では「家の購入は人生最大の高価な買い物であり、資産価値の下落は絶対に納得できません」と述べています。

マンションなど不動産を購入し、住宅ローンを組むさい、誰もが、これからの生活における将来設計を見通し、資産価値を含め、何度も計画をたてるのです。

資産価値への影響は、既に浮き彫りです。大手不動産会社の営業の方は「タワーマンションを購入されるお客様にとって、将来の資産価値があがる事等が、安心材料となり、住まいとしても、投資目的としても、これがタワーマンションの大きな売りなのに、この計画が報道されるたびに、物件の価値が失われていっていることを実感している。近隣物件の契約実績で価格があがっていることを説明できても、この計画の実施後、価格が下がる事はありませんとは、お客様に言えるはずがありません」と話します。
また大手不動産管理会社の方は「管理組合の総会で、資産価値への影響を聞かれ、『国は直接的な影響はないと言っている』と説明しても、だれも納得しない。正直、管理会社として、どう対応すれば良いのか困っている。住民からは、早めに売った方が良いのではと言われる事もある。こうなれば、マンション価格の下落が加速するのは明らかです」と話します。

まさに、羽田新ルートは住民の命と財産、平穏な暮らしを奪うものです。

委員会質疑では、タウンミーティングにおける濱野区長の発言が大きく問われました。

これだけ重大な問題を抱えている計画にも関わらず、濱野区長は「国策という事でもあるので、これを甘受するとしたら品川区に別のメリットを提示してほしいと、いま交渉している」と発言。計画を受け入れる代わりに、メリットを示せと交渉しているとは、まさに計画容認を国に伝えていたものです。

なお、濱野区長が国交大臣に会ったという事は、後の予算委員会で、実はあっていなかったと、区長より訂正がありました。ところが、その直後、部長は「区長は大臣に会ったという発言が、あったわけではない」と発言。区長が訂正した発言を、今度は部長が、発言そのものが無かったなどと、訂正に訂正を重ねるとは、品川区の答弁の信用性が問われます。

その上で、品川区はあくまで「計画を了承したわけではない。理解をしているのは羽田空港の機能強化であって、飛行ルートではない」と述べますが、これほどの詭弁はありません。

今回の羽田機能強化とは、都心そして品川を、低空飛行する計画として示されているものであり、機能強化と飛行ルートを、別々のものとする品川区の説明は成り立ちません。

また、部長は「区長は仮の話をしたもの」と述べましたが、こんな後付けの説明を、だれが納得するでしょうか。

区のホームページに掲載された濱野区長の発言要旨ですら「国策という事で、新計画を受けるとしたら、品川区にとって別のメリットをしっかり提示してほしいと、いま交渉しているところ」と紹介。「いま交渉しているところ」とは、仮の話ではなく、計画容認を前提に、区長は品川区へのメリットを示せと国交省と交渉しているという事です。

国に計画容認を伝えながら、議会や区民には「了承したものではない」。こんな二枚舌は、通用しません。

そもそも、航空機公害を受け入れる代わりに、品川区にメリットが欲しいなどと、こんな、ひどい住民犠牲、住民無視は、絶対に許せません。

さらに、一連の国交省と濱野区長との直接交渉について、トップ交渉にも関わらず、品川区に一切の公文書が無いとは、大問題です。国が開示した資料では、国は区長に「感謝」を伝えています。

ひどい被害をこうむる品川区の首長が、わざわざ国交省まで出向いて、羽田機能強化に理解を示したのですから、感謝されたのでしょう。

住民の知らない所で、計画容認を国に伝え、感謝までされていた。このトップ交渉について、品川区に一切の公文書がないとは、密室政治そのものです。

区民には「了承していない」と説明し、国には秘密裏に了解を伝えている。交渉そのものも、2年間、議会にも区民にも公表してこなかった。

しかも、交渉に関わる一切の公文書が区に不存在。2重、3重にも、こんなひどい区政運営を許すことはできません。

だからこそ、品川区議会は、今こそ、こうした濱野区長をただし、計画撤回の民意を、国交省に伝えるため、この請願及び陳情を採択することが必要です。

安倍首相は国会で「地元の理解を得ながら進めていきたい」と羽田新ルートに言及。それだけに、計画撤回へ、地元議会の反対表明が必要なのです。

安倍政権は新年度予算に羽田新ルートの実施に向け航空整備を712億円も計上しています。計画実施の2020年度まで、あと2年です。

いま、問われているのは、住民の民意を示す議会の役割です。民意に背く、政治に未来はありません。今年9月は区長選挙、区議会補欠選挙。1年後は統一地方選挙、そして参議院選挙です。この低空飛行計画に対する、態度は、厳しく問われる事になるでしょう。住民のための政治を訴え、賛成討論とします。

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