前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

いいぬま雅子区議 2015年度決算に対する意見表明

2016.10.19 いいぬま 雅子 区議

日本共産党品川区議団を代表し、意見表明を行います。

2015年度一般会計および国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各特別会計決算に反対します。以下、理由を述べます。

2015年度は、安保法制=戦争法の強行で戦争する国づくりに踏み込み、社会保障解体路線が一層進められ格差と貧困が広がりました。

消費税増税や物価値上げなど負担増、年金削減や介護の取り上げなど社会保障の削減で区民の暮らしや区内経済の疲弊は深刻。区政には、国の悪政から区民を守る防波堤としての役割が求められます。ところが区は「経済は緩やかな回復基調が続く」との認識のもと、国と一体となって負担増や福祉の切り捨てを行っています。

先日の新潟県知事選は、野党と市民との共闘で、国が押し付ける原発再稼働、TPPに地方からノーを示すという歴史的な結果となりました。今こそ品川区政も、地方自治を発揮し、区民の願いに応える区政に転換すべきです。

以下、具体的問題点や提案を述べます。

待機児の問題では、区長の公約にも関わらず、来年4月に待機児ゼロを実現できないことを表明。その理由に、乳幼児人口と働く母親の増加を挙げたことは政治の責任放棄です。あらゆる手立てを尽くし来年4月の待機児ゼロ実現を求めます。

区立ひろまち保育園の委託契約解消の問題では、区立保育園を業務委託する手法では、今後も業者の交代という子どもに深刻な負担を負わせる事態を防げないことが明らかになりました。ひろまち保育園は直営にし、破たんした区立保育園民営化方針は撤回すべきです。

全国に先駆けて実施した介護の総合事業は、介護認定を省略し認定率を引き下げ、品川区が介護報酬よりサービス単価を大幅に引き下げたため、事業者を経営難に追い込み、廃業も生まれています。総合事業の報酬単価は、介護報酬と同額にすべきです。
南品川の国有地を社会福祉法人が買い上げ、待望の上大崎特養ホーム建設後の増設計画が実現したことを歓迎します。区は当時「路地状敷地のため、都条例で福祉施設の建設はできない」と取得を見送った土地でした。基金と公有地を活用した更なる増設計画の具体化を求めます。

国保について述べます。滞納者世帯への差し押さえはここ数年で2倍以上に急増し2015年度は811件。徴税法の趣旨に反する差し押さえは止め、過酷な取り立てを行うほど報奨金が増える都の交付金制度は廃止させるべきです。国からの保険者支援金は一般財源とするのではなく保険料の値下げにこそ使うべきです。

若者の健康と歯について、成人歯科検診の年齢引き下げの方向を示したことは評価します。20歳からの健康診査に加えて毎年実施することを求めます。

住民を追い出しコミュニティやまちを壊す特定整備路線、超高層再開発はまちづくりの名に値しません。感震ブレーカー補助と住宅建て替え・不燃化支援事業を全区に広げるよう求めます。木密地域が解決すれば道路も再開発も進める理由はありません。ディベロッパー・ゼネコンの利益主導の巨大道路と超高層再開発はやめ、震災予防対策こそ進めるべきです。

学校と子どもを成果競争に駆り立てる「教育改革」は検証を行い、見直すべきです。一人ひとりの子どもに向き合う教育環境の整備、35人学級の全学年導入こそ行うべきです。学校選択制は廃止し、学級規模を更に大きくする新たな小中一貫校建設や学校統廃合は行わないよう求めます。

学校でのLGBT理解促進のための取り組み、特別支援学級の設置場所や交流の工夫など、人権尊重、インクルーシブ教育の充実を求めます。

リオ五輪視察はその成果を強調しますが、ホスピタリティーハウスやWifi整備、バリアフリー状況を確認したなどの成果について、その必要性は現地まで行って確認をしなくとも考えられる内容であり、区が1500万円かけるほどの調査、成果ではありません。とても区民理解は得られません。4年後の東京オリンピック・パラリンピックの成功や機運醸成のため、障害者スポーツセンターの設置など、誰もが日頃から気軽に文化・スポーツに親しめる環境整備を求めます。

国交省は、羽田新ルート実施のための予算措置を要求しました。反対を表明しない区は計画を容認し、賛成の立場に身を置くことになります。区民の命と暮らしを航空機被害から守るため、今こそ区として反対表明を行うべきです。

最後に基金について述べます。2015年度決算で883億円、前年度より88億円も増加。区民の暮らしに使うべきと基金の在り方への質問が相次ぎました。区は「黒字がずっと続いていることはいいのかという議論にもなる」と認めつつも、区民生活が厳しい中、「こういう時こそ貯めるのが王道」と述べ、更なる溜め込みの考えを示しました。消費税8%増税分だけでも45億円の増収です。「23区最低の福祉」と言われた7項目を改善するための費用は2億円程度であり「全額社会保障に使った」との説明資料は、これまでの財源を置き換えて表現したものに過ぎません。基金は、災害時に備えてと1000億円を目標に積み増すのではなく、区民の暮らしや福祉の充実にあてるべきです。

以上、区政の転換を求め、意見表明といたします。

ページトップへ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ