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石田ちひろ区議 請願第17号「集団的自衛権閣議決定の法制化による海外で戦争できる国に反対するよう求める請願」に対する賛成討論

2015.07.08 石田 ちひろ 区議

日本共産党品川区議団を代表して、請願第17号「集団的自衛権閣議決定の法制化による海外で戦争できる国に反対するよう求める請願」に賛成の立場で討論を行います。

この請願は、品川区議会として集団的自衛権行使容認の閣議決定は撤回し、その法制化に反対する意見書を政府にあげるよう求めるものです。

安倍自公政権は昨年7月、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を強行し、この閣議決定を具体化するための法制化「戦争法案」を5月26日から審議してきました。さらに政府は6月25日から95日間、戦後最長の会期延長までして成立させようと躍起になっています。まともな説明もないまま自民・公明の幹事長からは、15日にも採決する動きが出され、国会は緊迫しています。

戦争法案には、戦地派兵・治安維持活動・集団的自衛権と、憲法9条を破壊する3つの大問題があります。

これまでは行けなかった戦闘地域まで自衛隊が行き、後方支援=兵站を行う問題。安倍首相が言う「安全な兵站」など戦闘地域にはなく、「兵站は格好の軍事攻撃の標的となることは軍事の常識」であり、アメリカ海兵隊作成の「海兵隊教本」にも同じことが書かれています。

治安維持活動も大きな問題です。アフガン戦争で治安維持を主任務にしていたISAF。これに参加したドイツ軍は比較的安全とされた地域で治安維持や復興支援活動を開始。戦乱は強まりドイツ軍は戦後史上初めて戦闘状態に陥りました。武器の使用基準を広げ、任務遂行のための武器使用も可能にし、まさに「殺し、殺される」状況に。アフガンに派兵されたドイツ軍だけでも戦死者は35人、帰国後PTSDによる自殺者は約20人。アフガンの市民の犠牲は数百人にのぼると報じられています。このドイツの経験はまさに今、安倍政権が進めていることを先取り的に示しています。治安維持の内容は生易しいものではなく、自衛隊が殺される危険と、民衆を殺してしまう危険のある大変深刻なものです。

そして集団的自衛権の発動で、日本が攻撃されていなくても、自衛隊が世界中でアメリカの戦争に参加するという問題です。「アメリカが国際法違反の先制攻撃を行った場合でも集団的自衛権を発動するのか」という追及に、安倍首相は「支援はしない」と答弁。しかしアメリカはこれまで数多くの先制攻撃を実行して来ましたが、「今まで日本はアメリカの武力行使に国際法上違反な行為として反対したことは一度もない」と安倍首相も認めています。これまでアメリカが無法な戦争に乗り出した場合にも無法と批判できない政府が、集団的自衛権の行使に踏み出すことがいかに危険か。アメリカに言われるままに集団的自衛権を発動することは明らかです。

これらの3つの大問題は何よりも憲法9条を踏みにじる憲法違反であり、さらにアメリカ言いなりに日本の自衛隊が利用され、海外での武力行使に道を開くいくつもの危険な仕掛けが盛り込まれており、断じて許すことはできません。

こうした論戦を受けて世論調査では法案反対が約6割、政府の説明不十分との声が約8割に達しています。中でも戦争法案は違憲だとする声は5割を大きく超えるかつてない事態が広がっています。 

6月4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦の参考人を含め3人の憲法学者が、そろって「違憲」と宣告。ここで潮目は大きく変わり、多くの国民をはじめ、知識人、ジャーナリスト、宗教家、演劇家、ミュージシャン、市民運動家など、保守層も含めかつてない幅広い人々が反対の声を広げ、全国各地で反対運動が巻き起こり、6月14日には渋谷センター街に、今まで政治と距離のあった若者が、安倍自公政権の暴挙にもう我慢できないと3000人が集い、反対の声をあげました。

さらに私はこの間、戦争体験をされた高齢者のみなさんからたくさんの声も聞いてきました。「戦前から戦争に向かうときも、日本を守るものだと進んでいった。今の安倍首相と全く同じ」とそのときを知っているからこそのリアルな実感です。また「戦争で平和は守れない。大切な人をたくさん失った。もうあんな思いは二度としたくない」と切実な声。ここに戦争はしないと決めた教訓が込められているのではないでしょうか。 

審議すればするほど戦争法案の違憲性が浮き彫りになり、国民の反対も大きくなるからこそ成立を急ぐ安倍自公政権。しかし国会論戦でのごまかしは今や総崩れ、世論調査でもこれほど「憲法違反」の烙印を押される悪法はかつてありません。成立を急ぐなど論外、違憲立法は廃案しかありません。

平和と民主主義を求める区民の声にこたえ、品川区議会として集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、その法制化に反対する意見書を政府にあげることを呼びかけて、賛成討論を終わります。

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