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鈴木ひろ子区議 2014年度予算委員会総括質問「補助28、29号線、放射2号線の道路建設中止を求めて」

2014.03.17 鈴木ひろ子 区議

質問項目

・首都直下地震に備え、被害を最小限にするための予防対策第一に取り組むことを求めます。予防対策の充実と、防災を口実に進める補助28、29号線、放射2号線の道路建設中止を求めて質問をいたします。

鈴木ひろ子区議

共産党区議団を代表し、総括質疑を行います。初めに、東日本大震災と原発事故から3年、改めて、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者支援と1日も早い復興のために力を尽くします。今回の大震災の教訓を深く学び、いつ起きてもおかしくない首都直下地震に備え、被害を最小限にするための予防対策第一に取り組むことを求めます。予防対策の充実と、防災を口実に進める補助28、29号線、放射2号線の道路建設中止を求めて質問をいたします。

まず初めに、特定路線についてです。共産党は、道路建設中止を求めて、区議会だけでなく、都議会でも国会でも取り上げてきました。そして、これらが防災目的の道路ではないことが明らかになりました。

  1. 放射2号線について伺います。指定された放射2号線はどこを通るのか。道路幅、全長、何車線か伺います。
  2. 星薬科大学の構内を幅25メートルの道路が貫通します。住民説明会では、大学から「大学そのものが延焼遮断帯になるのではないか」と質問されていましたが、星薬科大学の構内は延焼遮断帯とは言えないのかどうか、伺います。

都市環境事業部長

まず放射2号線については、西五反田五丁目から荏原二丁目までに至る、延長1.2kmという長さを持つところでございます。あわせて道路の幅員につきましては、25mから33m。特に33mという幅の広いところについては、平塚橋の交差点側のところが広くなっているという状況でございます。

車線等については、上下1車線ということで、計2車線という状況でございます。延焼遮断帯ということで、星薬科ということでございますけれども、やはり、この地域についても住宅が密集している場所も当然出てきますので、やはり道路としては、きちっとやはり1本、道路を通す。確かに星薬科の広い部分もございますけれども、そういう意味では、道路として交通の通行、交通のネットワークと合わせて延焼遮断帯を形成するということでございますので、星薬科のほうの効果もあるにしても、道路としての効果を十分期待できるということで考えております。

鈴木ひろ子区議

私が伺ったのは、星薬科大学の構内は延焼遮断帯とは言えないのかどうか。このことについて答弁をお願いいたします。放射2号線の沿線には、ほかにも延焼遮断帯がたくさんあります。荏原特養ホーム、荏原平塚学園、荏原一中、第一日野小学校、旧第一日野小跡地、五反田文化センター、桐ヶ谷斎場、幾つものお寺、神社、大きな公園、その他、大きなマンションや事務所ビルがたくさんあります。道路建設がされる4町会のうち3町会は、火災危鹸度2という、危険度が低い地域です。火災危険度4の町会も、道路が通るのは、その地域の町会の端っこです。

なぜこれで延焼遮断帯が必要だ、住民を追い出し、まちを壊してまで、なぜ防災の道路が必要だというのか、伺います。

「焼けどまり効果があるんだ」と言いますが、道路によって延焼が抑えられるのはわずか10棟か20棟ではないでしょうか。1.2キロメートルの道路をつくらなくても、ここへの対策をとれば済むことになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

都市環境事業部長

星薬科が延焼遮断帯と言えないのかというお話ですけれども、基本的には広い土地を持っておりますので、そういう意味では、一定評価の効果が当然あると思います。ただ、延焼遮断帯というのは、1つの路線の中で、当車道外から当車道内に被害をつくらないという、焼けどまりということを、効果を期待する上では、やはり道路としての線形が必要になってくると。したがいまして、私どものほうとしては、そういう効果があるにしたとしても、やはり放射2号線を通すことによって、延焼遮断帯の効果を満たせることが、さらに、周辺のまちづくりとあわせて進めることが大事であると考えてございます。

確かに、道路をつくったとしても、当然、燃え移るというようなことが指摘されていることもありますけれども、やはりその道路をつくるだけではなくて、周辺の不燃化を進めるということが非常に大事であると思いますので、やはり優先的路線の効率等合わせて進めるということは、一番重要なことだと思っております。特に放射2号線については、過去平成16年に、たしか優先整備路線としての、特定整備路線ではなくて優先整備路線として、10年以内におおむね着手したい道路だということで、過去において指定されてきた経過もございますので、その経過とあわせて、私ども、今回指定されてきてますので、進めるべき路線だと考えております。

鈴木ひろ子区議

部長、東京都の焼けどまりシミュレーションをつぶさにご覧になられたでしょうか。私は改めて見てみました。焼けどまりはわずか10棟か20棟です。そのために220棟を立ち退かせるのか。大学のど真ん中に巨大道路を通すのかと。これが問われる問題だと思います。放射2号線は防災のためではない。防災は口実でしかないと、私は厳しく指摘をしたいと思います。そして次に移りたいと思います。

補助29号線についてです。
認可申請した2つの区間の長さ、その事業費、民間の世帯数、認可は下りたのかお聞きします。また申請の理由について、申請書に書かれている理由を読み上げてください。

都市環境事業部長

まず、29号線の申請ということでございますけれども、東京都のほうとしては、26年2月5日付で申請をしてきてございます。特に環6から百反通りまでの520メートル区間、それと大原通りから立会道路までの550メートル区間の2区間について申請をしてきてございます。特に認可のおりた日をということでございますけれども、まだ正式に東京都から通知がなされてきてございませんので、正確なところというわけではありませんけれども、ただ、今月の、3月26日に説明会が行われるということからすると、既に認可としてはおりているということで受けとめているところでございます。追って、正式な通知が来るということで認識してございます。

あと、申請の理由にということでございますけれども、そういう通知が来てございませんから、正式なことの文書は読み上げられません。ただ、これまでも申し上げているとおり、交通ネットワークの整理による交通の円滑化とか、延焼遮断帯の形成による防災等への寄与、この2つが大きな理由に挙げられているのではないかと、このように理解しているところでございます。

鈴木ひろ子区議

ここに申請書がありますけれども、道路整備の理由は、第1に交通の円滑化だと書かれています。そして次に、「また」として、主要延焼遮断帯である同区間の整備により、その結果、地域の防災が向上すると書かれているわけです。つまり、道路整備の目的は、交通の円滑化が第1、防災はつけ足しです。実際は交通の円滑化で申請をして、交通の円滑化で認定がおりている。これが事実だと思います。

濱野区長は、今年の施政方針でも、震災時の巨大火災の防止や避難道路機能の強化のため、特定整備路線を進める必要があると述べ、道路は防災目的だとはっきり言いました。

また、住民の説明会ではどうか。私は全ての説明会に参加してきました。

(パネル:阪神・淡路大震災の真っ赤に燃え広がる映像のパンフの拡大版)

これは、区の担当課長も出席した東京都の説明会で使ったパンフです。どこの説明会でも、阪神・淡路大震災の真っ赤に燃え広がる映像を示して、29号線は防災のために必要なんだ、命を守る道、命の道なんだと、繰り返し、繰り返し説明しました。

このように、議会でも住民説明会でも東京都と区は、防災のための道路だと説明してきたわけです。区長、このことを改めて確認させてください。

都市環境事業部長 

先ほどのご意見の中で、交通ネットワークは第1で、延焼遮断帯は二義的だというお話ではありましたけれども、基本的に、まあ指定されたのは昭和21年ですから、当時は道路交通ネットワークの整備を目指していたと。今回、あえて東京都のほうとしてそういう指定を行ったというのは、やはり防災に対して、やはり延焼遮断帯効果を持たせて、きちっとした防災対策を進めていくと。その効果が、評価ができたということで、一様に指定されたものでございます。ですから、こちらが、主従関係があるというわけではなくて、それぞれの目的が一番重要だと、このように考えているところでございます。したがいまして、区としてはきちっとやはりそれを含むことによって、公助の観点から、安全なまちづくり、延焼遮断帯をつくることによって火災の燃え広がりを減らしてしていくと、そういうことで考えております。

鈴木ひろ子区議

もう一度お聞きします。ここのパンフレットですね、このパンフレット、中はこういうふうな形になっていますけれども、このパンフレットにはどこを見ても、燃え広がらないまちを実現、市街地の延焼を遮断して、防災効果の高い都市計画、道路の整備を推進しますと書いてあります。交通の円滑化なんていうのはどこにも書いてありません。そして、どこにも、どこを見ても、防災しかないわけです。住民に説明してきたのは、とにかく、防災の道路、命の道なんだということで説明をしてきました。道路、交通の円滑化ということは全く説明してこなかった。今回の道路整備については、この説明をしてこなかったわけです。この間題についてはどう考えるか、お答えをいただきたいと思います。

都市環境事業部長

委員は、さっきパンフレット等についても、ネットワークの事実も確かにあるはずだと考えております。基本的には、やはり道路は当然、ネットワークの中で、交通の円滑化を図るということで、もともと昭和21年に指定されてきた経緯がございます。今回は、3.11という大きな地震を経験した中で、やはり道路として整備することによって、延焼遮断効果を持たせるということが期待できるということが検証されたということで聞いてございますので、やはりそれとあわせて周辺の沿道のまちづくりを進めると。これが一番大事なことだと思っております。

鈴木ひろ子区議

それでは、今回、特定整備路線を進めるに当たって、交通の円滑化、このことについては住民に対しても説明してこなかった。このことは認めますか。

都市環境事業部長 

前に答弁した経過がありますけれども、繰り返しにはしたくありませんけれども、基本的には、道路を整備するということが基本的には交通の円滑化を進めるということが前提としてあります。今回は、それに加えて震災に対する効果を期待するということで、指定してきてございます。特に道路内につくる建物についても、これまで延々と建物の規制までして、地域の方の建築を認めてきているということがございます。そういう中では、やはり道路としてのそういう機能を、それぞれ防災あるいは交通のネットワークの整備ということが一番大事なことでございますので、そういう意味では、あえてまた説明するというよりも、従前の、周知のことだと、このように考えております。

鈴木ひろ子区議

じやあ、今回の道路整備の目的の中に、交通の円滑化ということについては、説明はしてこなかったということですね。このことを改めて確認させてください。

そしてね、住民からは、この申請の目的を知った方は、話が違うじやないかと。防災のためだからやむを得ないといっていた人も、東京都や品川区にだまされた、裏切られたと。都や区への不信や怒りの声が広がってますよ。道路をつくることに賛成の人も反対の人も、話が違うじやないか、防災のためならやむを得ないと思ったけれども、だまされた、裏切られたと怒っているんですよ。区民に対してどう釈明するんですか。

改めて、このことをお聞かせください。今回の道路整備の説明の中には、道路・交通の円滑化については、説明してこなかった。これでよろしいですか。

都市環境事業部長 

ネットワークを説明したか、しなかったということではないです。これについては、説明会の中でも、道路を通したときに何台ぐらいの台数が通るんですかねというような、たしか意見がそれぞれに出てきた経過等ございます。したがいまして、私どものほうとしては、当然、道路を通すことによって、交通のネットワークを整備する。当然、整備をすることによって、広域避難場所へも避難しやすくなる。安全な場所への避難がしやすくなるというところも考えております。したがいまして、先ほど、怒っているというようなお話もございましたけれども、やはり、まあ過去においても、そういう指定をして、いつ着手をするかということが、これまでの課題であったと思っております。

ただ、私どものほうとしては、整備することによって、災害に強いまちづくりを進める。その中で震災が起きた。それで、いつやるのかと。今やることが一番大事だと、このように考えているところでございます。

鈴木ひろ子区議 

過去のことを言ってるんじゃないんですよ。今回の特定整備路線を進めるに当たって、交通の円滑化、このことについては住民に説明したんですかと聞いているんです。もう一回答えてください。

都市環境事業部長 

まあ、今日の説明会の中で、そういう話があったかどうかというところは、まあ何とも言えませんけれども、一応、私どもとしては、東京都が説明する場合に、またそういう指定の理由ということで、想定されて考えてきている以上、やはり交通の円滑化ならびに防災の両面で、一応説明してきていると、このように認識しているところでございます。

鈴木ひろ子区議 

私は、じゃあ交通の円滑化ということで、両面で鋭明してきたというのであれば、いつどこでどういう中身で説明をしたのか、このことについても明らかにしていただきたいと思います。この目的なんですよ、目的。これが大事なんですよ。ここのところを改めてお聞かせください。

都市環境事業部長

まあ、自治会の住民の皆さんの中に配った資料の中では、今ご紹介いただいたようなパンフレットも含めて一応、説明をしてきております。そういう意味では、都市計画道路のできるまでというような経過とか、そういうことも含めて資料が整えられてきてますので、当然、道路をつくるということは、交通のネットワークを整備するということが、やはりベースにありますので、そういう意味では、きちっと、それを言葉として説明したかどうかということはあれですけれども、きちっと、その資料を含めて一応お渡ししてきておりますので、私どものほうとしては、交通のネットワークをつくることとあわせて防災の観点からということでございます。特に防災の観点を、説明を強くしたということについては、やはり防災力を強化するということを主として置いてきているところでございます。

鈴木ひろ子区議

今回の道路の整備の目的が、第1が交通の円滑化、これが申請書の中身の事実です。これは、550棟もの区民を立ち退かせて、人生を大きく狂わせる道路です。商店街とコミュニティーを壊す道路なんです。防災なら仕方がないと、涙をのんで協力してきたのに、本当の道路建設の目的を隠してきた。私はこれは絶対に許されないことだと思いますよ。交通の円滑化。こういうことで説明をしてこなかったわけですから。これをどう区民に説明するのか。私は改めて求めたいと思います。

そして、結局、今回の申請書で明らかになったように、この道路建設の本当の狙い、これは山手道路と環七を結び、環状品川線に大量の車を流し込む。そのために必要な道路。これが29号線であり、放射2号線も同じです。今、都心に、超高層ビルの開発を次々と進めて、企業も車も呼び込んでいる。東京一極集中を加速させて、企業が活動しやすい東京をつくるための道路ではないのか。

こうした道路づくりの真の目的を隠して、区民に説明をしないで、防災なら区民は反対できないだろう。こう進めてきたのが今回の計画ではないでしょうか。命の道に反対するのかと迫ってきたんです。放射2号線も補助28号線も同じです。こういう本当の目的を隠して不誠実なやり方で進めてきた道路づくり。私は、申請を取り下げて、計画そのものを白紙に戻すべきだと思います。区の見解を伺います。そして区からも、こういう形で説明をしてこなかったわけですから、東京都に白紙に戻すよう求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

都市環境事業部長

私どものほうとしては、白紙に戻すような考え方はありませんし、東京都に対してそういう求めを行う考え方も一切ございません。

鈴木ひろ子区議

今回の申請書で明らかになったことは、道路建設の真の目的を隠して、住民にごまかした説明をしてきたことです。重大問題です。自治体が施策を進めるときに、しかも区民に多大な犠牲を強いる施策であるのに、区民に真の目的を隠して、説明しない。別の説明でごまかす。こんなやり方は、民主国家の自治体として許されないことです。私は、根本的な姿勢が問われる問題だと厳しく指摘をして、改めて、都の計画を白紙に戻すよう強く求めて次に移ります。

震災のための木造住宅建て替え助成を廃止する問題です。

区長は昨年3月の耐震改修促進計画の改定で、阪神・淡路大震災では、死者数の9割が建物倒壊によるものと、建物の耐震化は区民の命・財産にかかわることであり、緊急かつ重要な課題の一つだと述べています。ところが、今回の代表質問の答弁では、耐震化助成は、まず空地化することに対する支援だと述べました。考え方が変わったのか伺います。

都市環境事業部長

私どものほうの考え方は、安全なまちづくりを進めるということでは、何ら考え方は変わってきてございません。特に当初、促進計画を策定して、建て替え助成をするというところについては、当初から、やはり個人の財産への支援をするということに対して、慎重な検討が必要だということで考えてきた経過がありますし、その当時としては、国のほうとしても、そういう制度が、除却に対する支援というものはございませんでしたので、やはり今回そういうことが活用できるということでございますので、多くの方に活用していただくよう、建て替えではなくて除却支援に切りかえたということで考えてございます。

鈴木ひろ子区議 

(パネル:中央防災会議の耐震化による減災効果)
これは、昨年12月の中央防災会議の耐震化による減災効果の資料からつくったものです。耐震化を100%にすることで、1万1,000人の死者数を1,500人に、86%の命を救うことができると発表いたしました。

倒れない建物にすることで、地震の一撃から命を守る。これが住宅耐震化の目的です。更地にしても、住み続けることはできません。更地への助成はマンション業者に売りやすくするための支援ではないのか。除却費用助成では、狭小住宅の助成が減額になります。東京都も国も、建て替え助成は引き続き行っているのに、品川区だけが廃止する。木造住宅建て替え助成の廃止はやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

都市環境事業部長 

建物を建て替える場合も、建物を壊さなければいけません。更地になることで、住宅密集地における空地が増えます。すぐ建て替えない人もいるかもしれません。そういう意味では、建て替えがない方に対しても除却を支援できるということで、支援の拡充を図ってきております。なおかつ、空き家住宅なども多いと聞いておりますので、そういうものへの十分な活用にもつながるのではないかということを期待するものでございます。

鈴木ひろ子区議

29号線には600億円もの税金を使います。この税金は、耐震建て替え助成の廃止を撤回し、住宅耐震化助成の充実を図ること、区民の命を、財産を守る対策に使うよう求めて終わります。

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