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鈴木ひろ子区議 「補助29号線の廃止を求める請願」に対する賛成討論

2013.07.11. 鈴木 ひろ子 区議

日本共産党区議団を代表して、(1)平成24年請願第17号「東京都が選定した『特定整備路線』候補区間路線から都市計画道路補助29号線を外すよう東京都に意見をあげ、品川区の街づくり計画で29号線を推進しないことを求める請願」、(2)平成24年請願第18号「都市計画道路補助29号線の事業計画の廃止と、住民の命と財産を守る防災対策の充実を求める請願」、(3)平成24年請願第21号「都市計画道路補助29号線・31号線の事業計画廃止を求める請願」に賛成、委員長報告に反対の立場で討論を行います。

補助29号線は、東京都が昨年1月「木密地域不燃化10年プロジェクト」を発表、6月に「特定整備路線」候補として指定し、2020年までのわずか8年間で完成を目指すとした都市計画道路。山手通り大崎警察署から戸越銀座商店街、戸越公園駅前、西大井を突き抜け環状7号線に至る3.5q・幅20mの道路をつくり、道路計画上にある550棟の住宅や幼稚園などを立ち退かせ、10の商店街、14の町会を分断するものです。さらに両脇30mの沿道開発が地域に大きな影響を与え、補助31号線建設にも連動します。

本請願は、この道路計画は、住民を立ち退かせ地域の絆を断ち切り、長年築き上げてきたコミュニティを壊し環境悪化をさせるものであり、「認められない」と合計3844筆の署名が添えられております。そして、事業計画そのものを廃止すること、さらに地域住民の声を聞く場を設けるよう求めています。

以下請願に対する賛成理由を述べます。

この道路計画は終戦の翌年1946年に、一帯が焼け野原の時、国が戦災復興道路として決定したものです。しかも、住民が1976年、84年、2002年の過去3回にわたって「廃止」を求める請願を提出。3回とも区議会で自民・公明を含む全会一致で採択し、住民と区議会が一致して「廃止」を求め、計画決定以来67年間道路建設をストップさせてきたものです。ところが、東日本大震災を契機に防災を口実に推進することを打ち出しました。

東京都も品川区も防災の効果について全く根拠を示せないまま、事業を強行することは許されません。

都や区は、道路は「延焼遮断帯」「命の道」と言いますが、東日本大震災でも区内の幹線道路は車が集中し、大渋滞を起こしました。ガソリンを積んだ車に引火すれば「命の道」どころか「炎の道」となって逆に危険が増すことになります。車両火災の検証の必要性を認めながらも行わず、議会や住民からの危険性の指摘に全く答えず強引に進める、これでなぜ「命の道」と言えるのでしょうか。さらに、道路の両脇で出火したら両側の住宅街のどちらも燃え尽き、残るのは道路だけとなります。墨田区では、道路幅が22mでも市街地大火が防げないとのシミュレーションを発表しています。

消防車が通れるように道路が必要と説明しますが、消防車は4m道路で通れるよう設計されています。消防車が通れないというのは、巨大道路をつくる根拠にはなりません。

東京都が「防災上効果ありというシミュレーションの結果がある」言いますが、この半年にわたり我が党や住民が繰り返し求めてもその中身を全く示すことができません。それは根拠となるものがないからではないかと疑わざるをえません。

防災というのであれば巨大道路ではなく、阪神淡路大震災で9割が建物倒壊のよる死亡という事実を教訓とし、住宅の耐震化や消防力の強化、防災のコミュニティづくりにこそ力を注ぐべきです。

補助29号線に投入する税金は我が党の試算では820億円を超えるものです。その3分の1あれば、区内の旧耐震の木造住宅すべての耐震化が自己負担なく実現可能です。出火想定40件に対して消防ポンプ車22台という実態です。消防力の強化や上下水道の耐震化こそ急ぐべきです。区内ですでに戸越1丁目地区などで実践されている耐震化をすすめるまちづくり誘導手法、地域の人が望む街づくりこそすべきです。

現況測量説明会は1回行っただけ。その場では疑問や不安、怒りの声がたくさん上がりました。しかもまだ2個所では説明会が行われていないのです。住民の合意が得られていないのに強行することは許されません。

最後に、防災の名で進める巨大道路や超高層ビル開発が自民党への税金還流になっている問題を指摘します。

補助29号線の沿道すべてを不燃化特区として申請。巨大道路と沿道開発がセットで狙われています。

自民党が参議院選挙前に、ゼネコン業界に4億7100万円もの巨額の献金要請をしていたことが明らかなりました。これは、「政治をカネで売る最悪の利権政治」です。公共事業の原資は国民の税金です。しかも重大なことは、自・公・民の3党合意で決めた消費税増税を財源に「防災」「減災」と銘打った大型公共事業ばらまきが進められようとしていることです。補助29号線はこの流れの一つです。

防災を理由にしながらその根拠も示せず逆に住民を危険にさらす、住民合意が得られていない補助29号線道路計画は廃止すべきす。よって3本の請願に賛成いたします。

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