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沢田英次

沢田英次(前区議会議員)

2000年10月〜2006年12月のニュースを掲載しています。

2006年3月19日発行
第1137号


人権感覚欠落した小中一貫教育
小5・6、と中1が学習
ステップアップ学習…テレビ放映

今年4月から小中一貫校日野学園が開校します。私は、15日の予算委員会で今年2月におこなわれた原小と伊藤中(日野学園に次ぐ2番目の一貫校)小中一貫教育研究報告会でのステップアップ学習の問題を取り上げました。区教委は、能力別にわけ中学生と小学生を一緒に学習させるステップアップ学習を「相乗効果が期待できる」と手放しの評価。「自尊心を傷つけられる中学生の気持ちがなぜ分からないのか」と厳しく追及しました。

区教委
なぜ生徒の気持ちを理解しない
不登校拡大が心配です

報告会の内容は「小中一貫教育報告書」に詳しく書かれています。私は報告書の表紙の写真を示し「成績が下位の中学一年生と、上位の小学5・6年生と一緒に学習しているが、区教委はここに写された中学生の気持ちをどう思うか」と質問。

吉村小中一貫校担当課長は「あるテレビ局が取材をしてこどもにマイクを向けていました。7年生の子どもは「6年生の子どもがすごくまじめに勉強するので影響された。わたしたちより6年生の子どものほうが目の色が違っていた」と感想を述べていた。また「7年生(中1)のお兄さんは勉強に対する姿勢が違う」と述べており、相乗効果が期待できる」と答弁しました。

中学生にとって小学5・6年生と一緒に学習することは屈辱的であり、こんなにつらいことはないはずです。しかもテレビカメラを入れ、その中学生にマイクを向ける、あまりに無神経といわなければなりません。子どもたちのプライバシイはないのでしょうか。子ども権利条約違反といわなければなりません。

子どもたちを能力別に分け競争させる小中一貫教育は、テストで高得点を競わせるものですが、その結果子どもたちに何をもたらすでしょうか。自尊心を傷つけられ子どもはそれだけで学校嫌いになるのではないか。小中一貫教育は「学校嫌い」増やし、不登校やいじめなど学校での問題行動の急増が心配されます。

競争主義、能力主義を貫く小中一貫教育は中止すべきです

国際学力テストでトップとなったフィンランドでは少人数学級を土台に「できる子」「できない子」4,5名のグループでともに学ぶ平等、協同の学びが効果を上げています。協同の学び、学びあいの教育は、ヨーロッパでもアジアでも主流となっています。

競争、詰め込み、時代に逆行する小中一貫教育の中止を求めます。