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沢田英次

沢田英次(前区議会議員)

2000年10月〜2006年12月のニュースを掲載しています。

2004年4月25日発行
第1061号


3人のイラク人質事件
「自己責任論」 ・・・どう思いますか
3人の献身性をみんなが学ぶべきでは

 イラク人質の高遠さんら3人解放されたことは本当によかった。しかし、政府や週刊「新潮」などが「勝手にイラクに行った。自業自得だ」など「自己責任論」の大合唱。身の危険を省みずイラクの国民救援した人たちを悪者扱いする人たち。私は許せません。

ボランティアを危機にさらした自衛隊こそ撤退すべきです

 週刊新潮4月22日号は「人質報道に隠された本当の話」の記事で3人のプライバシーを侵した上で「その家族は『自衛隊は撤退しろ』といい続けた。自己責任という原則を忘れ…」といいたい放題、政府も救出費用の自己負担を求めています。


高遠さんのことを報じた毎日新聞

 NHKのインタービューで高遠さんが「銃剣で傷ついた人を銃剣の下で支援するのはおかしい。自衛隊派遣は私たちボランティアの活動を危険にさらすから行かないで欲しい」といっていました。

 先日、毎日新聞は「ナホコお帰り・イラクの支援者やストリートチルドレン」の記事を掲載。高遠さんに世話になったイラク人が「高遠さんのストリートチルドレンへの献身的なボランティア活動を紹介するビラを犯人グループに届くようにファルージャでもイラク・イスラム聖職者協会にも配った」。いかに高遠さんらがイラクの人に感謝されているかを示すものです。

 「武器も持たず、親や家を失った子どもたちを救援」こんな崇高な行為に「自己責任という原則をを忘れ権利だけを振りかざす…」と主張する小泉首相や週刊新潮は人間性のかけらも見ることはできません。

 イラクでは世界の120のボランティア団体が活動。軍隊ではできない多彩な活動を市民の中で行っています。アメリカの開戦の口実とした大量破壊兵器も未だ見つからないイラク攻撃、どこに大儀はがあるのでしょうか。自衛隊派兵を強行しボランティアの人たちに危機に直面下させたことこそ反省すべきではないでしょうか。スペイン、ホンジュラスなどイラクに派兵を中止、今こそ米英軍、自衛隊を撤退させ、国連が中心となた復興支援こそが求められています。



しんぶん赤旗新聞4月21日号に掲載された日本人人質事件で声高に叫ばれている「自己責任論」にたいしてNPO法人で活躍する相沢恭行さんのコメントを紹介します。

NGO活動を危険にしたのは自衛隊派兵

相沢恭行さん

 イラクで活動してきたNGO(非政府組織)やNPO(非営利団体)は自分の責任を自覚して活動してきました。危険に巻き込まれないよう自覚して活動しないと、生命が危ないし、十分注意する必要があります。

 しかし、「自己責任」というとき、もっとも自覚してほしいのは政府の責任です。日本のNGOの活動を危険にした最大の原因は、政府の白衛隊派兵だからです。

 人道復興支援は、軍と距離を置く中立的立場でおこなうから受け入れられます。政府がアメリカなどの軍事占領に協力し、憲法に違反して自衛隊を派兵したことで、NGOのスタッフまで人質になる状況をつくったのです。

 NGOの活動を危険にする原因をつくった政府が、きめ細かい支援をしているNGOや個人ボランティアにむかって、「自己責任」といって責任転嫁するのはとんでもない。みずからの責任をごまかすものです。

 私は、イラク戦争に協力してしまった日本政府の国民としての共同責任を感じて、イラク国民支援の活動を続けてきました。

 NGOがとりくんでいる支援活動は、規模は小さいけど、教科書や学用品を届けたり、後回しにされている抗がん剤を届けることなど、とり残されていた事業です。イラクの人たちにとって欠かすことができません。人命にかかわるような重要な責任を果たしています。だから、イラクの市民との信頼関係が生まれ、市民同士の交流・連帯が強まり、長い目で見れば、かけがえのない財産にもなっているんです。

 「自己責任」の名でNPOを非難するのは、政府以外の活動をやめさせ、自衛隊撤退を求める声をつぶそうとするものだと思います。

相沢恭行(あいざわ・やすゆき)
宮城県出身。1971年生まれ。
イラク国際市民調査団に参加し、
イラク医療支援などにとりくむ
NPO法人ピースオンを設立する