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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2006年12月3日発行
第554号

家族4人心中事件 問われる生活保護
父親は区役所へ相談にきたのに…


働いても生活できないワーキングプアが増大。早川由美子さんHPより。

10月31日、豊町でおきた一家4人の心中事件。母親と長男が死亡、長女が重体という痛ましいものでした。マスコミは借金返済に追われ家賃を滞納していたと伝えています。父親は事件の一週間前に区役所へ生活保護の相談に来ていましたが、相談は生かされませんでした。

この痛ましい事件は、住民に大きな衝撃を与えました。同時に、区議会議員として地域で活動している私にとっても「気軽に相談してくれれば…」と残念でなりません。区に相談していたのに命を救うことができなかった。生活保護行政・相談のあり方が問われています。

相談者の立場にたって
生活保護行政の改善を

家族の父親が区役所の生活福祉課へ相談に訪れたのは10月23日、事件の一週間前でした。そのときの相談が、@家賃滞納により10月末でアパート退去を迫られていること、A借金が返済できるまで生活保護を受けたい―というものでした。

区はどう対応したでしょうか。

相談を受けて区の生活福祉課は、@生活保護については、父親の年金収入と長男のパート収入を合わせれば生活保護の対象とならないと、生活再建のために就労を指導。A借金問題には、「法律扶助協会」を紹介し弁護士に相談するよう話しました。しかし、Bアパート立ち退きへの対応については、東京都の制度である緊急一時保護のアパート利用の可能性は相談の席で話されませんでした。父親にとってみれば、アパートから退去を迫られ切羽詰って相談に行ったのに、結局、生活保護は受けられず、住居確保のめども立たず、借金返済の指導を受けただけで帰ったのです。

生活福祉課の担当者は、相談を受けた2日後、25日になって東京都へ緊急一時保護のアパートを予約。家族が申し込めば入居できる体制が整いました。しかし、担当者からは連絡せず、本人からの連絡・申し込みを待っていました。その後、都から入居確認の連絡があったため担当者が父親に連絡しようとするも電話は不通。訪問もしなかったため、結局、緊急一時保護のアパートに入居できることは、家族に伝わりませんでした。

今回は、相談のあり方にも問題があったと指摘せざるを得ません。行政には厳しい反省と二度とこうした事態が起こらないよう改善を強く求めます。

生活保護は生きるための「最後の砦」
困ったら迷わず相談にきてください

生活保護を受けられず餓死や自殺―こんな痛ましいニュースが続きます。

生活保護は、憲法25条の生存権の理念に基づき、生活に困窮する国民に対し国が必要な保護を行い最低限度の生活を保障し自立を援助する制度です。

いま、「勝ち組・負け組」といわれる格差社会のなか生活困窮者が増大しています。品川区では生活保護受給世帯は94年1981世帯が04年3120世帯へ10年間で1・6倍に増加しました。住民税の増税や介護保険料を増額する一方、年金支給を減額。多くの国民が生活がなりたたない事態に追い込まれ、ワーキングプアの増加は社会問題になっています。

生活保護は生きる「最後の砦」。困ったらぜひご相談ください。