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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2006年4月9日発行
第525号

街を分断、住民が反対する道路計画
29号線区がゴリ押し図る

品川区がいま、「都市計画道路補助29号線」を強引にすすめようとしています。幅20bの4車線で、商店街をつぶし閑静な住宅街を大量の自動車を呼び込む…街を分断する道路計画に住民から3度にわたって区議会請願が提出され、いずれも全会一致で採択されてきたものです。

左の図は「都市計画道路補助29号線」のイメージ図。

山の手通り大崎警察脇から大田区南馬込6丁目で国道1号線に合流する延長5,400m、幅20mの道路計画。昭和21年に戦災復興都市計画街路として決定されたもの。

石原知事は予算議会の施政方針演説で、オリンピックに向けたインフラ整備について、「幹線道路ネットワークなどの広域的な交通基盤の集中的整備」をすすめることを表明。

こんな道路がドンドン増えることになる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

品川区は、「災害に強い街づくり」としてすすめている二葉3・4丁目・西大井6丁目のまちづくり計画に、突然「都市計画道路補助29号線を東京都に事業化(工事着工)を働きかける」という内容を盛り込みました。今年は現況測量を予定。さらに、豊町4・5・6丁目のまちづくり協議会、まちづくり計画にも29号線を盛り込む考えを予算議会で明らかにしています。震度7クラスの首都直下型地震はいつきてもおかしくないと言われていますが、品川区は地震対策の中心に29号線道路をすえようとしているのです。

区は29号線を@戸越公園への避難路、A延焼遮断帯と説明しますが、大量の車が入り込んだらその役割も果たせません。

住民運動が29号線をストップ
街と住民の分断は自治体のやることか

29号線は国道1号線のバイパスとして大崎、戸越、豊町、二葉、西大井と区内の住宅地、商店街を突きぬける幅20b、4車線の道路計画。大量の車を呼び込み、街を分断し公害を撒き散らす…豊町6丁目の故宿利佳生さんらが中心に反対運動を立ち上げたのがおよそ30年前。その後、反対運動は商店会や大崎の地域などもにも広がってきました。住民団体から、これまで3度にわたって区議会に計画廃止を求めた請願が提出され、いずれも全会一致で採択されてきた経過があります。こうしたなかで品川区は「議会意思を尊重する」と答弁。東京都が03年に都市計画道路の新たな事業化=工事着工の計画を策定する際にも、住民団体の代表と区議会の超党派議員が東京都の都市計画局長に要請、29号線を事業化の対象から外させたのです。

  こうした経過があるのに、区は住民の反対する29号線を「防災」の名目でゴリ押ししようというのです。29号線計画を「まちづくり協議会」の計画に盛り込むことは、住民運動で食い止めてきた29号線計画を、住民運動としてすすめている街づくりに持ち込むことであり、住民を分断するものといわなければなりません。こんなやり方は行政がすることでしょうか。

29号線は「延焼遮断帯」としても疑問
防災なら住宅の耐震化こそ急げ

私(みやざき)は先の議会で本会議代表質問と予算委員会の質問で、@29号線は住民が望んでいない。防災対策は29号線に頼らない計画にするべき。A29号線は大量の車を呼び込み、大規模火災のときは自動車のガソリンに引火し火災を拡大する危険性があり延焼遮断帯としても疑問と、補助29号線計画の廃止を求めました。

  そもそも、区内には震度7で倒壊が予想される旧耐震基準の建物が2万3千棟もあるのに、今年度の予算で住宅の耐震補強工事の支援はわずか5棟分だけ。区は住宅の耐震化にはまったく力を入れていません。「防災」といいながら幹線道路の優先でいいのでしょうか。日本共産党は、地震がきても倒れないように住宅の耐震化を計画的にすすめるべきだと考えます。