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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2004年11月28日発行
第462号


中学3年までの漢字の読み書き 1306字を中1で終了
小中一貫教育で、こんなに「詰め込み」

 中学3年生までの漢字を中学1年までに学習―品川区教育委員会が、こんな詰め込み教育を「小中一貫教育」で計画していることが明らかになりました。小中一貫教育は平成17年度から区内の全小中学校で実施を計画しているもの。教育関係者からも批判の声が寄せられています。

 品川区教育委員会「小中一貫教育 教科カリキュラム」の「漢字配当・案」によると、(1)現在、中3までに読み・書きの学習をする漢字1306字を中1までに学習するというもの。それにより、(2)5年生は825字から1006字に、(3)4年生は300字に、(4)小学校3年生は現在の200字から285字に、それぞれ読み書きが増えることになります。

 5年生の「1006字」は、文化庁(当時)の国立国語研究所の「書き」調査で、中学1年生でも習得率が49%だった漢字の数。区教委は、これを小学校5年生に降ろすため国語の時間数を小3と小4でそれぞれ50時間、中3までで現在より154時間増加させようというのです。

品川の案には大変な無理がある 漢字教育の専門家が批判

 中3までの漢字を中1までに習得―品川区教委の計画に、教育に携わる学者・専門家からも批判の声が寄せられています。

 漢字指導法を研究している方は、「品川の案には大変な無理がある」と指摘します。品川区教委の案は文化審議会の「小学校で1945字の常用漢字が読めるようにする」との答申を基にしているが、この答申自体が子どもの発達段階から見て無理があると批判。そして、(1)すべての子どもにどの漢字を読み書きできるようにさせるか教える漢字と漢字数、(2)どのような教え方(授業)をするか、(3)そのためにどれだけ時間を確保するか―などの関連を踏まえて検討が必要だと述べています。

 さらに、教育改革をすすめるにあたっては、現場で実際に子どもの指導に当たっている多くの教師の声を聞くこと、多くの教師の実践など参考にするよう品川区教委に対し注文しています。

 学校選択制や小中一貫教育な品川区のすすめる「教育改革」を区民の側からの検証が必要ではないでしょうか。

(田村先生の意見は、党品川区議団ホームページに全文掲載)