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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2000年12月24日発行
第287号


21世紀を迎え、ゆたか病院の権守光夫(ごんもりみつお)新委員長が抱負
これかも気軽に来れる病院として

 21世紀を迎えました。地域住民の命と健康を守って奮闘してきたゆたか病院は昨年創立50周年を迎えました。ゆたか病院では市川先生が名誉院長となり、新たに権守光夫(ごんもり・みつお)医師が院長に就任しました。今回は権守院長を訪ねお話しを伺いました。

宮崎−あけましておめでとうございます。さて、いよいよ21世紀となりました。本日は権守先生にお話しを伺いに参りました。どうぞよろしくお願いいたします。

権守−あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

宮崎―ゆたか病院長就任の感想は
権守―身の引き締まる思いです

宮崎−さて、権守先生は昨年10月、ゆたか病院の院長に就任されました。まず、新しい世紀を迎えての感想からお伺いいたします。

権守−いよいよ21世紀の幕が開きました。ゆたか病院の院長として身の引き締まる思いでいます。市川先生は、ゆたか病院の創立50周年を区切りに名誉院長に就任されましたが、診療には引き続き入られておられます。市川先生ともどもよろしくお願いいたします。

宮崎―印象とこれからの抱負は?
権守―大勢の方々の支えを実感

宮崎−権守先生は大田病院におられたのですけれど、ゆたか病院の印象はいかがでしょうか。また、ゆたか病院のこれからについてはいかがでしょうか。

権守−早いもので、ゆたか病院に来て三か月が経ちます。昨年9月に、ゆたか病院の創立50周年、半世紀の祝賀会に列席しましたが、大勢の地域の方々に支えられてきたことをあらためて実感することができました。特に、市川先生はじめ、昔からのスタッフの方々の地道な努力に感銘しました。時の流れとともに、スタッフの顔ぶれも少しずつ変わっていきますが、地域に密着した敷居低い、誰でも気軽に来れる医療機関として今後もやっていきたいと思います。

宮崎―医療状況はたいへん
権守―ゆたか病院のベッドは貴重

宮崎−いま、医療機関は大変な状況のなかに置かれているようですが…。

権守−ゆたか病院の20床のベッドも貴重です。品川区は、『地域医療計画』でもベッド不足地域ですが、最近も50床の病院が閉鎖しました。また荏原医師会の会員数もこの20年間で30ほど減っています。医療機関に限らず地域の商店や工場も不況で大変ですし、食料自給率も確か40%そこそこしかないなど、日本の社会が発展しているとはとても思えないのが心配です。

宮崎―膨れる借金、消費税再増税が…
権守―『福祉国家』から逆行

宮崎−大蔵省の来年度予算原案をみても国民の不安を増やして景気をいっそう悪くさせると心配されています。その中身は、大型開発などの公共事業をいっそう推進する一方で国民には医療費負担を増やす、介護保険も10月から保険料が2倍になる…など、公共事業が予算の中心になっている構図はまったく変わっていません。しかも、国と地方合わせた借金は666兆円にもふくれ上がって、参院選挙後には消費税の再増税が出てくるのでは、と言われてますね。

権守−11月30日の国会で健康保険法が一部改正されましたが、その中身を見ると国民、特に70才以上の方の自己負担が増えるという改悪で、この1月から施行されます。みなさんが病院の窓口で支払うお金が増えるからといって、その分病院の収入が増える訳ではありません。薬局でも月に1500円までの窓口での支払があり…と、一口で説明するのはわかりにくい内容ですが、これにより国民の負担は3300億円も増えることになります。実は、その負担の8割にあたる2440億円が70才以上の国民の負担増の分です。この改悪でさらに入院費の自己負担も増えるし、また、昨年10月から介護保険料の徴収が始まりました。品川区の保険料は基準額が月3300円と23区で一番高いのですが、介護保険料に相次いでの負担ですので、病気になっても病院にかかりにくくなることが懸念されます。83年までは老人医療費は無料だったことから考えると、『福祉国家』とは逆行しています。

宮崎―住民運動すすめるとき
権守―重い負担の心を痛めています

宮崎−介護保険の低所得者への減免が全国に広がっています。日本共産党は品川区議会でもこうした制度をつくるよう提案しているところですが、私は住民のなかでも大いに運動すすめる時だと感じています。

権守−私たちは、介護保険や医療保険で負担を増やすことが住民に大変な負担を強いていることに心を痛めています。ぜひこうした実態を改善したいと思っています。いま、私たちが取り組んでいる署名運動を大きく盛り上げたいと思っています。そのためにみなさんにもご協力お願いしたします。

宮崎−私たちも頑張ります。ありがとうございました。

権守−ありがとうございました


市川俊夫名誉院長と権守光夫院長連名の訴えを紹介します。

 当院に対する日頃のご協力、ご鞭撻に心より感謝申し上げます。

 さて、昨年4月から介護保険制度がスタートしました。介護保険制度は、「家族介護の軽減。介護を必要とする状態になっても自立した生活を送り、人生の最後まで人間としての尊厳をまっとうできる保健医療・福祉サービスの給付」を行うために創られました。しかし、介護保健でホームヘルパーや訪問看護をはじめとした介護サービスを受けると、利用料として「1割の利用料」を支払わなければなりません。昨年3月まで無料だったり、安い料金で利用していた介護サービスの利用料が何倍にもなり、それまで利用していた介護サービスを減らした方が数多く出ています。さらに、10月からは65歳以上の方からの保険料徴収が始まり、高齢者の生活が脅かされています(65歳以上の保険料は今年9月までは半額ですが、10月から全額徴収されます)。「3000円の保険料は3か月の米代、高過ぎる」と嘆く方や「これからどうしたらよいかわからない。長生きするなということなのね」と寂しそうに語る方がたくさんいます。いま、全国で介護保険の利用料・保険料の減免を求める運動が広がり、独自の減免制度をつくる自治体が増えてきています。品川区の保険料は東京23区で一番高い保険料となっています。品川区でも安心して介護保険が利用できるため、品川社会保障推進協議会が請願署名を集め2月議会に提出する予定です。ゆたか病院もその一員として署名のお願いをしています。患者およびご家族様、お知り合いの方などにも署名にご協力下さるようお願いいたします。

2001年1月 ゆたか病院名誉院長 ゆたか病院院長

 この署名運動には日本共産党も協力します。ぜひ、力を合わせましょう。