介護保険料も上がります
最大の値上げ額は2400円にも

高齢化社会に欠かせない介護保険制度とはいいますが、負担増ばかりの制度に、今 怒りが広がっています。保険料は3年ごとに改訂しますが、今年の4月から値上げが予定されています。「また値上げなの!」という怒りの声が聞こえるようです。

介護保険料の値上げだけでなく あれもこれも値上げ

介護保険料は、3年ごとに値上げする仕組みになっており、今回(4月)の値上げは2回目になります。1回目は3年前で3300円を据え置きました。今回は600円あがり3900円です。この額は、本人の区民税が非課税で同一世帯内に区民税課税者がいるという設定の人で、基準額になっています。ですから、収入によって保険料が高い人と安い人がいるのはご存知だと思います。

小泉内閣の増税政策で、重い負担増が次々に襲ってくる中で高齢者の怒りは大きく広がっています。例えば、老年者控除、公的年金等の控除額の縮小、個人住民税の非課税措置の廃止などで、「ここまでやるのか」「これでは生きていけない」など、本当に厳しい意見が噴出しています。

中間層に重たい負担

今回の値上げでひどいと思うのは、中間所得者の負担が重たくなっている点です。今までは非課税扱いの配慮がされていた方でも、課税されることになって介護保険料も上がってしまう方が9000人もいます。

新区分2の保険料は525円下げたものの、その他の区分は全て値上げしています。とりわけ深刻な影響を受けるのは、新区分3(区民税が非課税で年金収入が80万円を超える)の人です。今までは非課税だったのに課税になるために収入区分が上がり2475円から4875円(区分5)になります。

また、現在、本人非課税で同一世帯に区民税課税者がいる場合、3300円から4875円になります。この、二つのケースは、課税対象者になるために値上げ幅が大きいだけでなく、介護保険以外の負担も出てきますので、本当に生活そのものが大変になると思います。

高額所得者は優遇

さらに問題なのは、高額所得者に甘い姿勢です。現在の保険料がもっとも高いのは、合計所得金額が250万円以上でした。ところが、今年の4月からは200万円以上に引き下げられます。

そのために、200万円から250万円未満の人の保険料は、現在4125円が5850円にもなってしまいます。年金額が200万円といえば月額は16万円程度ですから、けっして豊かに暮らせるものではありません。そこを最高区分に位置づけて、1000万円あるいはそれ以上の収入があっても保険料は同じというのでは、あまりにも差がありすぎます。

他区では、高額所得層の区分をもっと細かく設定して保険料をきめていますので、品川でも同じようにした方がいいのではないでしょうか。