やっぱり!アルゼンチン債の損害額が確定
1億6000万円がたったの5000万円余に

6年前に品川文化振興事業団が購入したアルゼンチン債問題は、区民の財産に損害を与える大問題として怒りが広がりました。発覚した当時は損害額がわからず、理事長だった区長の責任は不明確のままでしたが、今年の2月にアルゼンチン政府が元本を3分の1にするという強攻策をとったため、損害額が確定しました。不況時代だけに、新たに区民の怒りが広がりそうです。

アルゼンチン政府の決定は

アルゼンチン政府は、アルゼンチン国債の元本を3分の1に削減して、「元本削減債」と交換しなければ当初の国債は無効にする―という強攻策をとってきました。

そのために、品川文化振興事業団は今年の2月に、新光証券を通じて「元本削減債」を受け入れることになりました。

1億6000万円がたったの3分の1に

そうなると、品川文化振興事業団が国債購入のために支出した1億6000万円は返済されず、わずか3分の1分しか元本として残らなくなったのですから大変な損害です。

しかも、交換した「元本削減債」の返済期間は30年という長期もの。区民の財産に大損を与えたこともあらためてはっきりしました。

当時理事長だった区長 の責任を問う

9月21からはじまった区議会で、党幹事長の宮崎議員はこの問題を質問しました。

(1)損害額はいくらなのか、区民に説明と謝罪をすること。
(2)損失は誰が負担するのか。区民に回すことは許されない。等です。

1億6000万円あれば出産祝い金制度が実現できる

1億6000万円がどれだけ大きな金額かは、言わずもがなです。

党区議団は、この間、色々な区民要求を実現させるために、条例提案を繰り返してきましたが、それらの多くが実現できるだけの金額です。改めて驚きました。

例えば、今年の第一回定例議会で提案した「出産祝い金制度」は、子ども1人につき5万円を支給するという内容でした。年間の出生数を250人と想定して、全体の予算額は1億2500万円です。

この提案に、自民・公明・区民連合(民主)・無所属・ネットの全ての会派が反対しました。アルゼンチン債問題でこれらの会派はどのような態度をとるかしっかり見届けたいと思います。

アルゼンチン国債とは

品川文化事業団は、区民の文化振興に寄与するために設置された団体です。基本財産5億円のうち4億7000万円も区民の税金を投入しています。それだけでなく、区から毎年5億円も委託金などを支出し、事業団の理事に区の四役が着いていました。

そのような性格の事業団が、アルゼンチン政府が発行した年5.4%の高利だがダブルBの格付けの国債を、00年に1億6000万円分購入したのですが、01年アルゼンチン政府は、債務不履行を宣言して大損害となってしまいました。

おどろき・もものき
自民党区議団が分裂

9月21日からはじまる定例議会を直前にして、自民党区議団が二つに分かれ、それぞれの会派届けを区議会事務局に提出しました。

何で?今ごろ?何があったの?と誰でも思うことでしょう。

区議会関係者の話では、都議選のときに二人の候補を出したことが直接の原因だといいます。

【都議経験者のS候補と新人のT候補に自民党区議が6人づつついて応援合戦を展開しました。しかし、都議選が終わっても「両者」の戦いは続き、さらにエスカレート。新人T議員をめぐるスキャンダルが発覚したのはその延長だといいます。ある区議会関係者は、「S派のやらせだよ」といっています。】 

このような低次元の問題が大きく膨れ上がってとうとう分裂に至ったのではないかという見方が大半です。そうであるなら、自民党という政党は何ともはやです。

国政でも「変な」自民党

衆議院選挙で自民党が大半の議席をしめましたが、「郵政問題」しか問わなかったのに、増税問題や憲法改悪問題が大きくなっています。

また、小泉批判の立場で戦ったはずの元自民議員の多くが、小泉に首班指名をするという「奇妙な現象」があります。みんな、「おかしい」「一体なにを考えているのか」など自民党を厳しく見ています。

そうであるなら、変な期待などせず、きっぱりと自民党に批判をするべきで、共産党としてもしっかり信頼できる党づくりに努力していきます。