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南恵子 お元気ですか南恵子です。 2001年11月4日発行
第710号

minami@jcp-shinagawa.com

あなたはホームレスをどう思いますか
「不安に感じる」「何らかの対策が必要」

 東京都は今年の春、全国で初めてホームレス白書を作りました。その内容には、二〇〇〇年八月現在、二三区には約五七〇〇人いること、五年間に一・七倍に急増しているとしています。

そして、東京のホームレスの実態として「社会的不適応による人もいるが、病気など個人的要因と産業構造の変化などによる社会的経済的要因が複合し、不況による失業を契機として路上生活に至るケースが多数」とも書いています。ホームレスの特徴は、家族との連絡を絶っていること、かつては安定した就労していた人が六割、三九才以前の若年層が二割、解雇・倒産など本人が望まない理由の失業、七割以上が求職活動をしていて八割が就労意欲があること、としています。

 また、解決を目指すには、第一義的責任は国にあること、これまでの応急的対策でなく長期的・総合的対策を進めることと明確にしました。

そして、対策として緊急一時保護センターの新設(一箇所三〇〇人程度)と、自立支援センターとグループの拡充をあげています。 

品川区は逆行

 十月九日に開かれた品川区議会の決算委員会で、自民党議員からホームレス対策についての質問が出されました。

その発言は次のとおりです。

 I委員  こういう(ホームレスの)方々は、寮をつくります、どうぞ入ってくださいと話しても入らない、自分の意思でホームレスをされているわけですから、最終的には個人の意思ですから、だれもそれを侵害することはできませんけれども、でも、その行為によってもたらされる結果に対しては責任をとってもらうしかないんじゃないでしょうか。 ……。今の仕組みではだめなんですよ。施設をつくって、入ってくださいとお願いしてもだめなわけですから、そこら辺をもう一言、できれば区長から答弁いただければ、ありがたいんですが。

 区長  今、たびたび答弁いたしましたが、本人が入りたくないからというだけでは、人権の問題もあるかもしれませんけど、ただそれだけの問題ではないと思うんですよ。本人が住めるところがあるから入りたがらないんで、住めるところをなくすような状況を、やはり区がつくっていかなきゃならないんじゃないだろうか。そうすれば、住むところがないから、したがってそういう施設に入るという気持ちを起こさせるような強力な施策が、私は必要じゃないかなと思っております。

 品川区には七〇数名おりますけど、たしか城南ブロックでは三番目に多い区でございます。だからといって、まだ渋谷区や大田区に比べれば少ないかということじゃなく、手をこまねいているんじゃなくて、やはり住む場所をなくして、ほんとうの公園なら公園としての管理をしていく。そういう方々が住む場所がなくなれば、施設に入りたいという気持ちが出るでしょうし、また、品川区がどうも住みづらければ他区に行っていただけるでしょうし、やはりそういう方法も考えないと、ホームレスの問題は解決がつかないと思っています。人権の問題だけじゃなくて、やはり、公共福祉というものも考えませんと、この問題は解決しいと考えております。

区議会での議論は、残念ながら「品川区が住みづらければ他区に行く」という認識でホームレス対策を進めていることがお分かりいただけると思います。東京都の考え方と大きく違っています。

 確かに、駅や公園にホームレスを見かけ、不安を感じる方もいらっしゃいますが、属人的にとらえていてはいけないと思います。本人の責任以外の理由でホームレスにさせられているのですから。

それにしても、区長のこの問題での考え方というのは非常に冷たいといえます。冷たさは、この問題にとどまらずに、低所得者のための住宅建設や生活保護、保育園運営など広範囲にわたっています。

区議団は、冷たい区政を切り替えるために区政懇談会を開催しますので、ぜひご参加ください。

都営住宅 (空家・新築)の募集
 申し込み   11月5〜12日

 募集個数   11戸

申し込み用紙は、各地域センターや各文化センター
 などにあります。            <参考詳細>