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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2006年10月22日発行
第321号

 

中央環状線工事説明会
事業説明会での不安を無視

10月20日、東京都は八潮地域で工事に関わる説明会をおこないましたが、区内3ヶ所で開かれた事業概要説明会での住民意見はまったく反映されていませんでした。

汚染拡大は必至
通行車両5万9千台の根拠も示せず

東京都は6月5日から7日にかけて中央環状品川線について初めての事業説明会を区内3ヶ所でおこないました。しかし、事業説明会以後、南品川、北品川、東品川、八潮などの住民によって運営される「建設を考える会」は地域住民80名が参加して南品川換気所周辺で建設反対のパレード、また、五反田地域の町会を中心とした「合同連絡会」ではウォーキングラリーを開催するなど決してこの説明に同意していないことを示しました。それでも東京都はなんの改善提案も無く大井北換気所発進立坑工事の一般競争入札を強行し工事業者を決定し20日の説明会にいたっています。このような住民無視の姿勢は決して許されることではありません。

原野での環境調査?

環境影響評価のずさんさは専門家によって示されています。

新宿線の落合換気所をモデルにして換気所からの汚染物質拡散調査をおこなった環境総合研究所によると、東京都が換気所から排出される汚染物質は住民への影響は少ないとしている問題について「アセスの手法プルームパフモデルはいたるところで同じ方向、同じ強さに風が吹くことが前提。建物や地形を考慮していない。現実にはありえない設定となっている。当研究所がおこなった3次元流体モデルは、1km四方の建物や地形を考慮したもので実態に近いもの」と強調。原野の換気塔ならいざ知らず、各換気所周辺はマンションが林立し、その影響は計り知れないとしています。同研究所は「複雑な地形でブルームモデルを適用することがふさわしくないことは国土交通省がよく知っているはずだ」とも述べています。建設先にありきの姿勢は明確です。品川線ができれば大気汚染により、子や孫が住めない街となり、不安が広がっているのにまともな調査もせずに「排ガスは拡散・希釈され問題ない」を繰り返す、東京都のやり方は無責任きわまりないものです。

不安は増加するだけ…

私は予測される通過車両の根拠を示すように求めましたがまったく答弁がありませんでした。環境影響評価の元ともなる通過車両数がどうやって数値化されたのかがわからずになぜ環境悪化は無いなどと言う事が出来るのでしょうか。

大気汚染は点ではなく、面的に広がるからこそいまだに子どもたちを中心に喘息疾患が多発しているのです。