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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2006年1月29日発行
第296号

 

中央環状品川線建設計画が始動
東京都が事業認可取得

目黒区青葉台から八潮にぬけ、高速湾岸線に接続する9.4qの高速道路建設計画では、沿線の3ヶ所(区内)に換気塔が建設されます。

日本共産党は、各地域で取り組まれている環境保全の運動を支援すると共に、交流の場として3月に学習交流会を計画しています。

2000億円の先行投資
脱硝装置の設置も決まらないままに用地取得へ

区政報告ニュースを通じて品川線問題をなんどもお知らせしてきました。今回は東京都の事業認可取得を受け、あらためて状況をお知らせしてまいります。 合わせて大気汚染に関わる「大井埠頭拡張計画」問題も記載しました。

目を向けるの環境破壊

04年から高速道路計画を無駄かどうか判断するのに、新たな事業評価手法で再評価するようになりました。

高速道路ができることによって、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の3項目を費用に換算して、建設事業費よりも大きければ、すべて建設を継続します。

ここには、採算性による判断はもちろん、大気汚染被害や自然破壊など環境や景観、まちづくり、住民への悪影響などのマイナス要因は、計画の評価にいっさい入りません。まさに「建設先にありき」となる評価手法をあらためる必要があります。 計画はいったん凍結したうえで、計画策定段階からマイナス要因を加味した再評価による抜本的な見直しこそ、無駄な高速道路をなくすことになります。

通過車両は2.2倍化

開通すると、現在の山手通り通過車両三万六千台が品川線を含め七万九千台へと増加します。

目黒川沿いの南品川換気塔周辺

昔からの戸建て住宅が並ぶ密集地です。そして、こどもの森公園、城南中、品川小など、子どもたちが生活する場も直近です。

大井火力発電所前の八潮換気塔周辺

運河をはさんで150mほどの地点には東品川のマンションなど集合住宅群があります。3丁目だけをとって見ても七千名からの居住者。ここに海風に乗って汚染された空気が排出されます。

換気塔の性能はいまだに不明確

東京都は、大きな埃が取れるようなフイルター集塵機の設置は約束していますが、これでは健康被害をもたらす浮遊粒子状物質など(SPM)を取り除くことは不可能です。しかし、有害物質を取り除く、電気式・土壌式の両脱硝装置の設置を望む声に耳を傾けようとはしていません。

株式会社の工事に税金投入

それどころか、東京都は首都高速道路公団(現株式会社)が試算した建設費4000億円のうち、街路事業費として2000億円を先行投資。税金投入で高速道路建設に手を貸しています。

工事の進んでいる新宿線は、当初の予算が5200億円。これが1兆600億円にまでふくれあがっています。

大井埠頭の拡張計画

1日に70000台の大型車両が出入りをする大井埠頭を、第七次港湾計画で20%拡張。隣接する埋立地についても大型コンテナ船が接岸できるよう、深度のある埠頭とする計画となっています。この計画によって、大井埠頭に進入する大型車両も飛躍的に増加することが見込まれます。