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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2006年1月1日発行
第295号

 

品川区に住み続けられるのでしょうか?
無謀な都市開発から住民主体の「まちづくり」に転換を

新しい年を迎えました。

区議会に送っていただいて6年8ヶ月。週間区政報告も、300号を迎えようとしています。住民要望と議会での追求、区政の動きなどをお知らせしながら、みなさんと共に、今年もくらしを守る運動を進めてまいります。

とりわけ、地域の各所でおこなわれる無謀な開発と「都市再生」戦略の中で環境汚染が拡大されようとしています。

こうした中で、これまで以上にまちづくり問題に取り組んでいく年にしたいと考えています。

みなさんの声を、およせください。

高速道路品川線建設計画

目黒区青葉台から八潮にぬけ、高速湾岸線に接続する9.4qの高速道路建設計画は、沿線の三ヶ所に換気塔が建設されます。

目黒川沿いの南品川換気塔周辺

昔からの戸建て住宅が並ぶ密集地です。そして、こどもの森公園、城南中、品川小など、子どもたちが生活する場も直近です。

大井火力発電所前の八潮換気塔周辺

運河をはさんで150mほどの地点には東品川のマンションなど集合住宅群があります。3丁目だけをとって見ても七千名からの居住者。ここに海風に乗って汚染された空気が排出されます。

換気塔の性能は いまだに不明確

東京都は、大きな埃が取れるようなフイルター集塵機の設置は約束していますが、これでは健康被害をもたらす浮遊粒子状物質(SPM)を取り除くことは不可能です。電気式・土壌式の両脱硝装置の設置を望む声に耳を傾けようとはしていません。

株式会社の工事に税金投入

それどころか、東京都は首都高速道路公団(現株式会社)が試算した建設費四千億円のうち、街路事業費として二千億円を先行投資。税金投入で高速道路建設に手を貸しています。

通過車両は2.2倍化

開通すると、現在の山手通り通過車両三万六千台が品川線を含め七万九千台へと増加します

大井埠頭の拡張計画

一日に七万台の大型車両が出入りをする大井埠頭を、第七次港湾計画で20%拡張。隣接する埋立地についても大型コンテナ船が接岸できるよう、深度のある埠頭とする計画となっています。この計画によって、大井埠頭に進入する大型車両も飛躍的に増加することが見込まれます。

都市計画道路の建設計画

海沿いでは、天王洲から鮫洲のモノレールにそって建設が予定されている都市計画道路が優先着工路線となりました。

海岸道りの渋滞緩和を理由としていますが、羽田空港の国際化、ウォータフロント計画にともなって進む「都市再生」の一環です。この路線でも車両の集中が見込まれます。

アスベストの危険性を指摘

私は、2月の予算議会でアスベストと建造物解体に関わる問題点を指摘し、「住民に事業主が解体説明をおこなうことを義務付けるよう条例を改正すべき」と指摘しました。この追求から5ヶ月後に、アスベスト被害が全国的に報じられる結果となり、品川区は解体に関わる説明会の開催を事業主に義務付ける要綱の制定をおこないました。

区内各所で堅牢な建築物が解体され、そのあとには超高層マンションが建設されます。

建築されたマンションに住む方は高額なローンを組み「我が家」を手に入れますが、移り住んで見ると環境汚染地帯では泣くに泣けません。

おおもとに規制緩和と都市再生

規制緩和の路線に明確な破綻が生じました。

ヒューザーの小嶋社長は耐震データー偽装事件でコストダウンを「どのように追求しても…確認済みという合格ラインが機能していれば何の問題もない」とのべました。建築確認がとれればこっちのもの。それをひっくり返すなどとんでもない”という姿勢であることがわかります。発覚後にもマンションの引き渡しを行ったりしたのも、そういう姿勢と無関係ではありません。今回の事件は、どの角度からみても、もうけ至上主義の競争が、安全までもカットする結果になっていることがわかります。

偽装の責任を明らかにし、いきすぎた規制緩和と都市再生の方針にメスを入れることこそ議会が果たすべき責任です。