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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2005年12月4日発行
第293号

 

みんなの会主催〜まちづくり懇談会
「大好きなこのまちで生きていきたい」

11月24日に「あたたかい品川区政をつくるみんなの会」が主催するまちづくり懇談会が開催され、私も参加させていただきました。

区内各所で無謀な再開発、単独開発が進んでいます。こうした中で、住民が主体となってまちづくりを考えることは、住み続けたいと思える町をつくるうえで大切な課題となっています。

終の住処を守る会事務局長…
来訪者が「この町に住んでみたい」と思える町をつくりたい

当日は区内で建築紛争となっている当事者のみなさんや、建築行政にたずさわる皆さん、まちづくりコーディネーターの方も参加して運動交流がおこなわれました。

都市再生と構造改革が問題と指摘

交流に先立つ問題提起では、港区芝3丁目で進められてきた再開発構想に対して疑義をとなえ、「終の住処を守る会」を結成してまちづくり運動をおこなっている野本事務局長からの報告がありました。 この中で、ことの根幹には「都市再生」「構造改革」などがあり、「住み続けることが不可能な都市づくりがおこなわれている。みんなが団結して、対応する姿勢が不可欠。強力な体制づくりに着手しよう。」との提案がありました。

コミュニティの復活

「守る会」の会員数は1043名。開発区域は500世帯だそうです。世帯数の倍もの会員を抱えていますが、「この程度では満足していない。3000名を目標にしている。」とのことですから先の提案もうなずけます。 会員の増加によって、昔ながらのコミュニティが戻ってきたという変化も重要です。

事務局長の職場に、お年寄りが食事のおかずをたずさえて訪問し、30分、一時間と長話をしていくそうですが、地域全体が共同の輪を取り戻しているそうです。また、会員同士で馴染みがなかった商売上の交流もおこなわれ、工務店には会員からの工事も入り、忙しくなったという報告もありました。この間、開発の学習だけではなく、介護保険や税金などの学習懇談もしてきたそうですから、こうした取組みの成果なのではないでしょうか。

区民によるまちづくりを

私がもっとも共感し、参考にしたいと考えたた部分ですが、会則は、将来NPOに発展しても手を多少加えるだけで済むようなしっかりしたものをつくったとしています。

品川は、全国でも有数の再開発を進めている自治体です。

高橋区長が首長となって18年余。再開発の補助金だけを取ってみても約480億円となり、現在の大崎駅周辺三開発地区の約250億円。700億円を超える膨大な税金が、大手ゼネコンに注ぎ込まれました。加えて規制緩和の中で、地区開発計画が決まれば、容積率、高度制限も緩和され、超高層建築物の売買される床面積は膨大なものとなります。こうした再開発優先の姿勢が無謀な単独開発につながっています。

行政の思惑で運営されるようなNPOではなく、区民手作りのまちづくりNPOの設立が重要だと感じています。

問題点を乗り越えて

問題点もたくさんあるようです。
(1)専門知識の不足
(2)中心となるメンバー の育成
(3)会員の意識向上
(4)会の運営に必要な資 金調達
(5)組織づくりと拡大
など、多くの組織が抱える共通した問題点を持っているようです。

区民が一体となった運動の重要性が、あらためて認識された懇談会でした。