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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2005年10月23日発行
第288号

 

区民生活に心をよせる政治と地域社会を
「孤独死」に思う

先日、私が居住するマンションの方から「隣室の方を最近見かけない。新聞もたまっており心配だ」と相談があり、警察に連絡し調査したところ室内での死亡が確認されました。

この一年あまりで、私が直接警察に連絡し「孤独死」を確認した方は3名。一人ぐらしが増加する中で切実な社会問題となっています。

孤独死をなくそうの取組みを!
「最近見かけない」「新聞がたまっている」「先日は具合が悪そうだった」

孤独死とは、一人暮らしの人が誰にも見取られる事無く、当人の住居内等で生活中の突発的な疾病等によって死亡する事。特に発症直後に助けを呼べずに死亡するケースがこのように呼ばれると定義されているようです。

私が直面した3名の方は、定年を迎えたばかりの60代前般の男性。仕事を終えた男性が、地域社会とのつながりを持つことがいかにむずかしいかを物語っています。

独居者の増加に比例して

日本で核家族化の進んだ70年代に、独居老人が死後だいぶ経って親族に発見されたという事件以後、度々発生し80年代頃より一般報道で繰り返し用いられました。

当初、都会には人がたくさん居るにも関わらず、その誰にも気付かれず死んでいるという状況を指して「都会の中の孤独」という逆説的な死様として取り上げられていたが、次第に「病気で周囲に助けも呼べずに死んでいった」事が解るにつれ、このような事態の発生防止が求められるようになったという経緯を持っています。

独居者の死因を調査した際に、倒れてから数時間・数日以上に渡って生きていたと考えられる事例も少なからず見出され、福祉や災害援助の上では同種の死亡事件の予防が重要視されるようになった。このため90年代より各所で様々な予防策が検討・施行または提供され、現在では一定の効果を挙げ始めているとも言われています。

住民主体の取組みを

千葉県松戸市常盤平団地での「孤独死を無くそう」の取り組みは全国的にも注目されています。

孤独死が団地内で増加したことがきっかけとなり「孤独死についてみんなで考えよう」と同団地自治会や常盤平団地地区社会福祉協議会が解決策として、

(1)緊急時の通報ネットワークシステム「孤独死110番」などを整備。

(2)「孤独死を考えるシンポジウム」を開催。

(3)新聞配達などで異変を感じたらすぐに連絡がもらえるように地域の新聞販売店に協力をお願いするなど。

こうした真剣な働きかけに住民の意識も変わっていったといいます。

同じことがどこでも可能というわけではありませんが、地域にあった無理のない方法をみんなの知恵で見出すことが重要です。

政治の役割こそ重要

地方自治体の役割は重要です。

阪神・淡路大震災や新潟地震被災地の実態は、止まらない孤独死にみられるように、多くの被災者がいまも立ち直れず、震災による重荷を引きずったままです。また、介護保険法や医療制度の改悪による自己負担の増加は、制度利用の抑制を進め社会との結びつきを弱めることにつながっていきます。

日本共産党は、社会のひずみを拡大する政治にストップをかけ、だれもが安心できる政治の確立に向け全力をつくすものです。