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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2004年11月28日発行
第261号

 

財界言いなりの規制緩和
「都市再生」は何をもたらすのでしょうか?

 次々と建設される超高層マンションは、2003年問題(オフイス床の供給過剰現象)と同様に供給過剰におちいっている事が指摘されています。

 住民を追い出し、環境を破壊してまで進む超高層ビル建設に行政が手を貸す理由はなんでしょうか。

社会保障きりすての大元 小泉「都市再生」と品川区

 内閣官房都市再生本部の「都市再生の現状と課題」という文書の中でこんなことを言っています。
「日本の都市の国際競争力が落ちてしまい、バブル崩壊もあわさって衰退を招いていることに気がついた」だから再開発、鉄道、道路、空港などの都市基盤整備をする。そして、こう続いてます。「本来なら相当きびしくなっている失業の高まりを大手ゼネコンなどが吸収して、ソフトランニングさせてきた。それにより国、地方の大きな赤字を招いてしまった」。ふざけたことを言っていると思いませんか。

 財界がバブル経済をつくりだしてはじけさせたことや大型公共事業、再開発が国や地方の財政赤字を作り出したことは周知の事実です。東京都で言えば臨海開発。7兆円もの財政赤字を作り出した元凶は際限のない土木予算でした。

 政府や東京都が財界の利益最優先という意向を全部受け入れ、それが失業者を増大させ、青年が夢も希望も持てない社会を作り出しました。そして、社会保障や東京都のように福祉や医療を滅多切りにした元凶です。

 この文書は、なんでもかんでも財界の言うとおりに規制緩和したことを示しています。

住民を追い出して定住化促進?

 この措置法に沿ってバブル崩壊で塩付けになった土地を税金投入と法律で財界のためによみがえらせようとしたのが大崎の再開発、緊急整備地域の指定でした。

  たとえば、今年の春に始動した東口第三地区は大手企業の共同開発。民間企業が580戸の超高層マンションを建てるのに102億円の税金・補助金が投入される事業です。

 床面積ではじき出すと一戸につき700万円の税金投入で企業支援を行っていることになります。理由が「定住化促進に寄与している」「公園や道路整備」。しかし、みなさんがマンションや戸建てを買うからといって補助金など出ることはありません。開発企業を助けるためにだけある制度だといえます。

 西口中地区(百反どおり大崎2丁目8・9番地)ではもっとひどいことが行われています。

 倒産した千代田生命がアズマ企画(ダミー会社)に違法な迂回融資で地上げを進めたことがマスコミでも報じられました。当時の住民は440人。追い出しを進めた結果、10年で278名に激減しました。こういうめちゃくちゃな開発計画に支援の手を差し伸べたのが東京都と品川区。実際に住んでいる人を追い出して何が定住化促進なのか、でたらめにもほどがあると思いませんか。

42%が不同意の計画は見直しを

 泣かされるのが昔から住んでいた住民です。 この地域の地権者は88名。住民票があるのは52名。計画に反対しているのが22名ですから、実際の居住者で言えば42%が同意していないことになります。

  しかも、居住者278名中65歳以上の方が67名、24%をしめ、お年寄りが圧倒的。「難しいことはさっぱりわからない。だけど、このままがいいよ」という声や「開発をするというのでずっと建て替えも出来なかった。今となっては声をあげる元気もない」と言います。

 来年の1月には都市計画審議会でこの計画が決定しますが、住民の意思も聞こうとしない状態で審議会にかけるべきではないと考えます。