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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2004年9月26日発行
第253号

 

大阪豊能町からのダイオキシン汚染物
「移送計画ぜったーい反対」の声

 ダイオキシン汚染物を、品川区八潮の潟Vンシアで処理しようとする計画が本格化しています。

 八潮住民を中心に結成された「ダイオキシン汚染を考える会」は「地元処理が出来なかった汚染物が、八潮に持ち込まれるのは絶対に反対」と、仔細をつづったビラの配布で住民の結束を呼びかけています。

ダイオキシン処理技術はいまだ確立せずにヨーロッパでは地下保管

 高橋久二品川区長は8月31日付けで豊能郡環境施設組合に対し要請文を送付しています。

 その内容は・・・・

(1)貴施設組合の計画するダイオキシン汚染物について品川区内での処理を取りやめ、他の方法で処理することとされたい。

(2)仮に品川区内での処理を進める場合には、適切な時期に区内処理施設周辺の住民が十分納得できるよう説明方願いたい。

とするものです。しかし、二項目目には疑問が残ります。説明すれば済むことでしょうか?

 ダイオキシンの処理技術は世界的に見ても確立されておらず、ヨーロッパでは放射能汚染物なみに技術が確立するまで厳重に地下保管が行われているそうです。日本では処理の考え方に問題があります。

地元豊能では(無害化処理)施設建設に反対運動

 昨年の京都新聞に掲載された記事には地元でも反対運動が起こっていることが掲載されていました。

 『大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」のダイオキシン汚染物処理施設の建設について、センターを運営する豊能郡環境施設組合の管理者・日下纓子豊能町長は17日、能勢町で記者会見し、予定通り豊能町余野地区で計画を進めることを強調した。

 同施設について、余野地区の反対住民が地区世帯の半数を超える反対署名を提出しているが、日下町長は「汚染物をこのままにしておくわけにはいかない。粛々と事業を進める」と述べた。

 組合は、無害化の処理技術が決まった時点で説明会を開くなどして、地元の理解を得られるように努めるという。(共同通信)』とした記事が掲載されました。ところが今年の4月には地元での処理計画を撤回しました。

 また現地施設組合の「無害化処理技術検討委員会」では、潟Nボタの提案で外部の既存施設(潟Vンシア)に委託して焼却・溶融処理するという案以外にも
(1)溶融方式の「ジオメルト法」鴻池共同企業体提案、
(2)「ハイブリット溶融炉」三菱マテリアルテクノ提案
の計3案がありました。クボタ提案以外は現地処理。こうしたことが品川区内処理のクボタ提案に流れた背景でもあるようです。

 第四回検討委員会(16・1・18)の委員発言で「3技術ともそれぞれに特徴があり立派な技術であるが、この地域の立地条件から判断するとクボタの提案が一番ふさわしい。この技術であれば、住民の理解が得られやすいのではないか」との発言が記載されていましたが、他行政区での処理というのが前提にあります。


計画概要と経緯

 八潮団地に近い廃棄物処理施設で、高濃度のダイオキシン汚染物計370トンを大阪府内から運んで無害化(?)する計画。大阪府側で汚染物処理をめぐる混乱が数年にわたり続いた結果、排出責任のある事業者と地権者らの間で、品川への移送を前提とした和解が大阪地裁で成立。「なぜ400キロも離れた東京へ持ってくるのか」と団地住民からは不安と反対の声が強まっている。

 移送が計画されているのは、国内最悪のダイオキシン汚染を起こした大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」(廃炉)を00年に解体して出た汚染物。様々な汚染物の入るドラム缶1600本(約230トン)と汚泥約140トンで、1グラム当たり1億2000ピコグラム(ピコは1兆分の1)のダイオキシンが検出された煙突底部の灰など、超高濃度のものが含まれる。品川の処理施設で焼却・溶融する計画だ。