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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2004年9月12日発行
第252号

 

大田区・グループホーム「虹の家」を訪問
最高額122,500円〜生保でも入所可能

 大田区に、生活保護でも入居できるという利用料金のグループホームが昨年11月に設立されました。

 痴呆症を発症しても、年金しか収入がない高齢者にとって高額な月額利用料の施設入所は困難です。こんな中で、低価格のグループホームの建設は地域のお年寄りに安心感を与えています。

入居料:品川区では15万5000円
        大田区では10万9500円

「虹の家」入居者自己負担額(表1)

品川区内施設の利用料(表2)
介護度4の平均月額利用料
居室使用料 70,000円
水光熱費 20,000円
食費 50,000円
共益費 15,000円
介護保険負担分 26,000円
総額 181,000円

 品川区が都南病院跡地にグループホーム、デイケァ、ショートスティなどの施設建設を進めることを表明して7ヶ月。現在、病院本体に防音パネルが張られ、解体工事に入る準備が進められています。 住民の皆さんから「グループホームも高額で入所できない」こんな声が聞かれます。

 品川区では表2にあるように介護保険負担分を入れると18万円余の月額利用料がかかります。そこで、「都南病院跡地に特養ホームの建設を求める会」の星ちゑ子代表、鈴木ひろ子区議等5名で「虹の家」を訪問し、低価格で自立支援を支える施設運営をお聞きしてきました。

 表1は入居者9名の自己負担内訳です。10万3000円から10万9500円が入居費用。これに1万2・3000円の介護保険サービス料の一割負担がありますが、品川区の施設利用料(15万5000円)とは大きな開きがあります。それでも「お年寄りの食料費はもう少し減額できるので引下げようと思っている」といいます。

 「虹の家」では2名の常勤職員と7名のヘルパー、9名で入居者の自立を支援しています。ヘルパーの時給は1000円。所長は「安くて申し訳ない」と考えていたそうですが、他の施設を聞くと700円程度。「働いている人のことも考えなくては:」と運営の大変さも伝わって来ます。「虹の家」は2階建ての元アパート。都・区からの補助金、2千万円で改装し、総計79・28uの居室、食堂、居間、お風呂と車椅子対応を含む3ヶ所のトイレなどが設備されています。

 入居者は、共同生活の中で自分の役割が明確になり、雑巾がけが仕事になった方は「人の役にたっている」と泣いて喜んだそうです。家庭のストレスで痴呆が進んだ方は、わずか10ヶ月あまりで劇的な回復をとげ、訪問した私たちに「以前の記憶はないんです。今でも決まった道しか歩けないという不安があるけどここの生活はとても楽しいですよ」と話してくれました。

 だれでも入所できるグループホームや特養を区内いたる所に作っていきましょう。

グループホームとは?

 地域社会の中において知的障害者が、専任の世話人による生活援助を受けつつ、共同で生活する場のこと。

 1989年に「知的障害者地域生活援助事業(グループホーム)」として、制度化された。なお、それ以前から、自治体によっても取り組まれていた。

 スウェーデンやデンマークなどでは、痴呆性高齢者が少人数で家庭的な雰囲気の中で共同生活をするための「グループホーム」と呼ばれる施設が運営されており、日本でも様々なグループホームが運営されてきている。

 2000年のゴールドプラン21では、5年間で痴呆性老人グループホームの設置目標を3200箇所に定めている。