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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2004年8月8日発行
第248号
2週合併号
 

酒井広さんから「憲法改悪を許さない運動を」と青年へのメッセージ

 南大井に在住される元NHKアナウンサーの酒井広さんから手記をいただきました。

 酒井さんは東京革新懇の世話人として活躍されていますが、憲法9条改悪の流れが強まる中で平和の大切さを語っていかなくてはと全国を飛び回っています。

平和を願う原点となった……夏の思い出

 あの日も暑かった。終戦の日だ。焼夷弾もふらない、原子爆弾もない。静かな日本だった。でも、ラジオから詔勅が流れ、みんな泣いた。涙があふれた。

 九年間の戦争はなんだったのか。

 一片の紙切れで学徒動員され、フイリピンで玉砕し25歳の命を絶たれた兄。焼野原になった日本各地。印刷製本の機械を作っていた父は田舎へ疎開し、浜松の陸軍予備士官学校にいた私は父母のもとへ帰った。

 バンザイ!バンザイ!と旗行列をした軍国少年だった私。
 軍国主義の教育で育ってしまった私。
 間違った教育を受けた私。

 兄たちが死んだ教育とはなんだったのだろうか?

 品川の大井町で戦後50年を生きた私のしなければならないことはなにか?

 そうだ!

 しゃべらなければ!戦争の恐ろしさ、空しさ、馬鹿らしさを!

 戦争は何も残してはくれない。荒廃と貧しさと傷跡だらけだ。

 今年の夏は、若い人と盧溝橋と南京へ行き中国の若者と語り合う。
   侵略とは?
   戦争とは?
アメリカの戦略、イラクについて話す。

 私はもう80歳になる。
 最後の語り部だ。

 子どもたちに伝えたい。なぜ、戦争がおきるのかを!

文中の盧溝橋とは?

盧溝橋事件

 日中戦争の発端となった事件。
1937年(昭和12年)7月7日、北平(北京)郊外の永定河にかかる盧溝(マルコポーロ)橋の西北竜王廟付近で演習していた第1連隊一木大隊第8中隊が、謎の銃撃と行方不明者が出たことで(直後に帰隊)、大隊が集結し、連隊長の許可で中国軍陣地を攻撃した。7.7事件ともいう。

 すぐに両軍で停戦交渉が行われ、中国側が譲歩する形で停戦調印にこぎ着けた。しかし同日、近衛内閣は華北派兵と内地3個師団動員を発表。
中国側は反発し、28日に両軍は全面衝突するに至る。

革新懇とは・・

 「国民が主人公」の日本をめざして、その国民的共同をすすめることを目的としています。思想・信条や政治的立場の違いをこえて、政治革新の目標、切実な要求で一致するすべての政党、団体、個人が力をあわせるために生まれました。

 平和・民主主義・生活向上の3つの共同目標を掲げながら、介護、教育、環境など身近な課題も取り上げて、一致点での共同を広げています。

「3つの共同目標」

1.日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざします。
2.日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざします。
3.日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざします。