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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2004年6月13日発行
第244号

 

区民の命を危険にさらす有事関連法・『憲法守れ』の声をさらに大きく

 自民・公明・民主の三党によって衆議院で強行採決された有事関連法案のうち国民保護法は政府が地方自治体を統制下におき、平時でも軍事体制に組みこむシステムづくりを進めることになっています。

 憲法の重要な原則である地方自治の明白な侵害です。

区民の公共施設・食料・ガソリン等・有事発令ですべて軍事統制下に

 参院イラク有事特別委員会で、「国民保護法案」をめぐり、政府が法案提出の3ヶ月も前の昨年11月、全都道府県に対してスケジュール表を配り、5年以内に法案具体化の計画をつくるよう示していたことが明らかになりました。

 「今後の5ヵ年間における国民保護関連事業の想定」と題した表によると、04年6月に同法案が成立する前提で、05年4月以降に都道府県、06年4月以降に市町村がそれぞれ「国民の保護に関する計画」と「業務計画」を策定。その内容について「実施体制」「計画」「普及・啓発」「避難の検討」「資機材整備」の項目を示しています。

 井上喜一有事法制担当相は「責任がない立場でいろんな評論をするのは自由だ」と暴言。日本共産党吉川春子参議院議員は「国会で法律が成立する前から、その内容にもとづいて計画を作ることなどやってはならない。憲法上の問題だ」と批判し、発言の取り消しを求めました。吉川氏は政府が示した表にしたがって5ヵ年の計画をつくった都道府県がすでにあることを指摘し、「これは地方自治体に対する押し付けだ。強制は許されない」と批判しました。

まやかしの憲法改正論

●「憲法を変える必要がある」と最初に言いだしたのは、アメリカでした。

 日本国憲法が施行された直後、アメリカ政府がつくった公文書には「日本に軍隊を持たせるためには、憲法9条を変えさせる必要がある」という方向が打ち出されています。「憲法はアメリカから押しつけられた。だから改憲を」という人がいますが、歴史をみれば、改憲の主張こそ、アメリカから「押しつけ」られたものなのです。

●日本の憲法9条の理念を普及するために「第9条の会」ができたり(アメリカ)、「憲法9条の碑」が建てられる(スペイン)など、いま、世界では憲法9条が大きな注目をあびています。00年に国連でひらかれたNGOの会議では、すべての国の憲法に「日本国憲法9条に表現されている戦争放棄原則」を取り入れることが提案されました。

 アメリカのイラク攻撃を国連加盟国の7割以上が支持していません。また、東南アジア諸国連合(アセアン)の呼びかけで中国・インドをふくむアジア全域にまたがる友好協力条約が結ばれるなど、世界は平和と進歩の方向に動きだしています。憲法9条を生かした平和外交をすすめることこそ、世界が日本に期待していることではないでしょうか。

●憲法に「環境権」「プライバシー権」「知る権利」がないから書き加えるべきだという意見があります。しかし、これらの権利は、いまの憲法のもとで具体化できるものです。こういう1つ1つの権利を盛り込むために、わざわざ憲法を変えた国はありません。

 日本国憲法は、9条はもちろん、民主主義でも人権でも、世界ですすんだ値うちをもっています。

 問題は、それが現実の政治に生かされていないことです。私たちは、この憲法のすべての条項をしっかりと守り、平和、人権、民主主義のすぐれた条項が生きる日本をめざすことが必要ではないでしょうか。