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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2002年1月27日発行
第151号

 

都南総合病院・・来年3月移転へ
老健施設新設も中止

 地域の医療機関として親しまれた、社会保険都南総合病院(東大井5−8−12)の全面移転が2003年3月におこなわれます。
 跡地に、老人保健施設および診療所の設置が計画されていましたが中止が決定しています。

社会保険病院への整備費等
  前年比100億円削減

 都南病院の移転計画と、施設設置計画中止が、区議会厚生委員会に報告されました。
 16診療科目、203病床を持ち、救急指定医療機関として命と健康を守って来た病院が、地域から消えることになります。 また、地域のみなさんからは、病院移転後に計画されていた老人保健施設や診療所の設置を望む声が多かっただけに残念です。
 こうした結果の裏には、医療制度の改悪があり、弊害がうきぼりとなっています。

補助金廃止も検討課題

 政府は、医療制度改悪の一環として、社会保険病院、労災病院など、公的病院の整備のあり方を抜本的に見直すとして、2002年度施設整備費等補助金を大幅に削減する予算案をうちだしています。
 社会保険病院は厚生労働省所管の社団法人、全国社会保険協会連合会が運営する病院で、全国に54ヶ所あります。これらの施設には、政府管掌保健特別会計から整備費等が補助金としてつけられ運営されてきましたが、2002年度予算案は、2001年度予算より100億円削減され、222億円となっています。将来的には補助金の廃止も検討課題とするなど改悪をさらに進めようとしています。

政府・・赤字だから仕方がない・・?

 坂口力厚生労働相は「必要性の薄いものは民間に移譲」と述べるなど医療制度を根幹から破壊する見解を示しています。
 小泉内閣がすすめる健康保険自己負担の2割から3割へのひきあげ(本人)、老人保健制度の適用年齢の75歳への段階的なひきあげなどの医療改悪は、最悪の犠牲を国民にしいるものです。
 政府は高齢者の医療費が増加し、保険財政を圧迫しているなどを理由として、国民負担増を強行しようとしていますが、日本の医療費は、主要国の比較でも、経済力に比べてけっして多いとはいえません。医療保険を赤字にした最大の原因は、政府が、この20年ほどの間に医療費に占める国庫負担の割合を大幅に減らしてきたことにあります。老人医療費でいえば、1983年の老人保健法制定時の44・9%から31・9%(2001年度予算)に下げています。これをあらため、国費支出割合を元にもどすことこそが健康保険の赤字を解決する道です。財政の無駄な大型公共事業の浪費を削ること、世界一高い薬価に抜本的なメスを入れて欧州並みに引き下げることなどをすれば、財源もできます。
 小泉首相が厚生大臣だった1997年の健保の本人負担の1割から2割への引き上げ、今年の老人医療費負担増による受診抑制から、国民的な規模での健康悪化がすすんでいます。受診抑制は、早期発見・早期治療を困難にし、逆に病気の悪化・進行をまねき、社会的費用を押し上げるだけです。これ以上の負担増は、さらに深刻な事態をまねくことは明らかです。

社会保障の充実こそ不況克服の道

 日本経済もいっそう深刻になっているときに、大幅な負担増を強いて社会的な不安を増幅させることは、個人消費をますます落ち込ませ、日本経済を破滅に導きかねません。
 日本共産党は、国民の命と健康を守り、日本経済を救うためにも、「医療の大改悪を許すな」という国民的な大闘争をよびかけています。