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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2001年12月2日発行
第143号

 

中央環状線工事を視察
南品川・大井北に換気所設置
 石原東京都知事が打ち出した、中央環状線・外郭環状線・圏央道の三環状線整備計画が進んでいます。
 品川区に影響を与える中央環状品川線の建設を前に、新宿線工事を視察しました。

現状でも環境規準は未達成
大気汚染の悪化が心配

 総工費、5,000億円を投入して中央環状品川線が建設されます。品川区内はほとんどがトンネル内。八潮で湾岸線と接続するため、一部地上へとぬける事になります。
 品川線は、起点を八潮、終点を目黒区青葉台として、全長9.4Km、八潮で地下に入り、目黒川から環状6号線(山手どおり)の地下を走り中央環状新宿線、高速3号渋谷線と接続します。
 整備効果として・・・
交通の迂回・分散がはかられ、渋滞が緩和される。 
円滑な交通の流れが確保され、沿道環境の負荷を低減する。としています。

南品川換気所は住宅地に建設予定

 心配される一番の点は大気汚染です。
 南品川換気所は、4丁目・目黒川の側にある森井電業(株)品川工場と用地買収の折衝中(東京都担当課長)との事。近隣は、昔からの木造家屋と3階建て程度の不燃化家屋となっています。
 一般的には45mほどの高さとなる煙突部分、地上部は吸気・換気のために機械設備が設置されるため、2,000平米を超える用地が必要となります。

マンション街に直線距離250m

 大井北換気所は、大井火力発電所前付近の道路分離帯に建設されます。
 東品川3丁目のマンション街には運河をはさんで250〜300m。最近は喘息で病院に通う方が増えているといいます。最近この地域に転居された方から「数十年前に苦しんだ喘息が転居してからぶりかえした」と電話をいただきました。同一マンションで同様の相談が2件、寄せられています。

誰もが安心できる科学的調査が必要

 東京都の大気汚染は全国的に見ても最悪の状況にあり、公害被害者は増加の一途をたどっています。現在の都条例にある18歳未満の認定患者数を見ると1987年度が16,900人。2000年度では51,122人と3倍をはるかにこえる急激な増加となり、気管支喘息の難事化、重症化が増加し、被害実態は深刻の度を増しているといいます。国では1988年に公害健康被害保障法の指定地域解除を行いました。新たに発病した大気汚染被害者は、生活保障もなく、医療費は全額自己負担など、大気汚染による苦しみと仕事もできないという生活苦、被害に苦しむ状況を作り出しています。
 山手通りを通過する車両は日に47万台といわれています。品川線が開通すると中央環状線は全長49Km。全線が開通で、通行車両が増加していく事は明らかです。
 五反田・南品川・八潮の3箇所に設置される換気設備は、通過車両の健康に有害な物質を集中的に排気する事になります。東京都は、最新式の設備でこれに対応するとしていますが、だれもが信じる事のできる科学的なデータ―とこの道路が絶対に必要だという根拠を明確にする事が求められています。