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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2001年11月25日発行
第142号

 

路上生活者自立支援センター台東寮を訪問
拡充が求められる支援体制
 平成13年8月調査で、東京23区には5,600名の路上生活者がいるという概数報告がされています。目視による調査のため、仕事に出かけているなどの人数は把握できないのが現状です。不況の中で、路上生活を余儀なくされた人々を救う手立ての拡充が求められています。

品川区には70名あまりの路上生活者
・・厳しい冬の寒さが!

 長引く不況は、中小企業の倒産と大企業による無謀なリストラによって多くの生活困窮者を生み出しています。

地域別路上生活者概数 ( )は平成12年概数

区 名 人  数
千代田 200( 230)
中央区 210( 220)
港区 130( 150)
新宿区 880( 830)
文京区 100(  70)
台東区 1260(1320)
墨田区 910( 830)
江東区 150( 130)
品川区   70(  80)
目黒区   30(  30)
大田区  130( 140)
世田谷   90(  80)
渋谷区  440( 400)
中野区   60(  50)
杉並区   70(  60)
豊島区  170( 230)
北区   90( 120)
荒川区  130( 170)
板橋区 100(  70)
練馬区   40(  60)
足立区   90( 120)
葛飾区   80( 140)
江戸川  170( 170)
合 計 5600(5700)

 上にある表は、区内の路上生活者を調査した数字ですが、日中、目視による調査のため、路上で生活しながらも仕事をする人は確認されない事になります。厳密に調査をすると、数倍の人数になるのではと思われます。
 党品川区議団は、平成8年から都区共同事業として位置ずけられ、12年に設立した台東寮を視察しました。


台東寮全景

 このセンターは東京23区を5ブロックに分割し、台東寮のほかに新宿区、渋谷区、豊島区、墨田区に設置されたものです。
 なんとか職を見つけ、路上生活を抜け出し生活をしたいという方に仮の住まい、食事の提供、就職先をあっ旋し、自立の支援をすることが役割です。就労自立の目的を達成するために、利用者個々の状況に応じて問題点を明確化し、問題を解決し実行するための計画を策定します。
 設立から1年、入所者は台東、墨田、江東、大田、足立、葛飾、江戸川、品川の8区から429名が入所し、352名が退所。123名が自立の道を歩んでいるということです。しかし、現在品川区からの入所者は1名もいません。1年間の累計でもわずかに6名だけです。このうち3名は自立したそうですが、3名は職を探す事が出来なかったとのことです。
 私も、金銭的事情からアパートを出て、住まいも無くなった方から生活相談を何件か受けましたが、品川区に保護を申し出ても住所不定で保護の対象にもしないのが現状です。
 高橋区長は、決算委員会で自民党区議の質問に答えて、「施設に入らないホームレスは、品川区を住みづらくして他区にいってもらう」と発言しましたが、保護施設そのものが足りないのが現実です。
 今月、大田区に緊急一時保護センターができますが、300の保護人員のうち、品川区からの入所枠は1桁だそうですからほとんど保護できないのが現状です。元々、保護に消極的で施設の入所枠がないのに「施設に入らない・・」うんぬんは論外ではないでしょうか。

区別入退所状況

実施機関 在籍数 入所累計 退所累計
台東区  27 135 108
墨田区 20   92   72
江東区  4  18   14
品川区   0    6    6
大田区   7   36   29
足立区   4  23  19
葛飾区   8  20   12
江戸川区  7   23   16
重複利用   0   76  76

 区民生活に冷たい、低所得者に冷たい政治姿勢を象徴しています。
 路上生活者問題は人事ではありません。中小零細企業の倒産や大企業のリストラによって、失業率がさらに高まる事が予想されています。いま必要なのは区民生活支援の観点を、全面に打ち出した行政の姿勢ではないでしょうか。