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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2001年9月9日発行
第130号

 

区は町づくりを考えているのか!
あいつぐ疑問の声

 8月30日、一本橋商店街を中心とした都市計画道路163号線事業計画の説明会が開かれました。商店街には事前の説明もなく、町づくりの構想もなく、道路渋滞を解消するためだけの目的では納得できないとの声があいつぐ説明会となりました。

都市計画道路163号線
事業説明会に約250名が参加

 163号線(一本橋通り)事業説明会は、これまで都市計画道路の網をかけただけで、行政責任を果たしてこなかった問題点が、行政に対する不信感として噴出しました。
「商店街に対する死刑宣告だ」
「住民の生活はないがしろだ。まず計画ありきではなく、行政はどんな町づくりをするのか、そのイメージを明確にすべきだ」
「最初の説明会が最後通告か。事前の話合いがあって当然ではないか」説明責任を果たしてこなかった怒りの声です。
 区の説明する整備の目的は、第1に「都市機能の確保」だといいます。良好な住環境の確保に欠かせないものと位置ずけ、道路交通網の再編で、区役所通りの交通渋滞を解消し、くわえて大井町駅のバス路線の整備を進めるとしています。また、歩道の確保で自転車、歩行者の回遊性が向上すると説明しています。しかし、良好な住環境は道路整備を含めた全体の「街づくり」がイメージされ、周辺住民が街づくりに参加してこそ住み続けたいと思う街が作られるのではないでしょうか。

 第2の目的は「都市防災機能の強化」です。災害時の延焼を防ぎ、緊急支援物資搬入路の確保、緊急車両通行の円滑化をうたっています。木造家屋の建ちならぶこの地域が防災上の弱点だといいますが先週号でお伝えした神戸長田区では狭い街路で火が止まっています。これは空地と不燃化された公的な施設によってくい止められたものです。多くの公園整備、区単独事業として住宅不燃化の援助制度を施策化など延焼を食い止める手段はいくらでもあります。緊急車両の通行路確保は重要な物ですが、住民参加の町づくりが行政から提案されるなら十分進展するものです。

 第3の目的として掲げたのは「地域環境の保全」です。歩道を確保する事で学童の安全性を向上させ、車椅子やベビーカーの通行をスムーズにする。第4の目的は「都市空間の確保」のために共同構でライフラインを地下化し、地上空間をつくる。沿道建築物は不燃化が促進できるとしています。第3・4の目的も当然のことながら行政が地域住民と向き合えばこれまででも十分進める事の出来た問題です。昭和39年の事業決定以来37年間に渡って制限だけを設け、周辺住民のあきらめを形成するという行政手法なのでしょうか。ある商店街役員の方は「133件の商店街のうち、半数が拡幅にかかる。去るも地獄、残るも地獄で商店街は壊滅状態になる。道路の事だけで商店街をどうするのかいっさい説明がない、商店街をつぶす気なのか」なんのビジョンも示さないからこそ出てくる声です。

 近隣住民が納得してこの事業に協力するには、説明会の積み重ねと明確な町づくりの構想を住民に示す事ではないでしょうか。