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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2001年4月15日発行
第115号

 

特別擁護老人ホーム建設を求める
368名の待機者

 予算委員会で、わが党の飯沼まさ子議員が特別擁護老人ホームの建設を求める質問をおこないました。
 品川区は職員配置基準、費用負担など画一的な施設である特養ホームより高額負担のケアホームが区民の要求だとして区民の実情を見ようともしない姿勢を取っています。

月額20万から29万の費用負担
どれだけの人が入所できるのかと疑問の声
ケアホームのみを建設

 2001年3月の時点で特養ホーム入所希望者は368名に達しています。介護保険制度が実施されてから介護度によって入所の希望申請が規制されてもこれだけの待機者がいる訳ですから区民の希望であることは間違いのない事です。

ケアホーム西五反田
重い自己負担

 荏原青果市場跡地に建設されるケアホームは2004年4月に開所され「介護専用ホーム」「自立支援型共同生活ホーム」「痴ほう性高齢者グループホーム」計81名が入居できる施設です。介護保険のサービスをこえるサービスや生活費、居住費は月額20万円〜29万円と高額な自己負担が設定されています。民間業者の参入が認められるケアホームの建設で民間業者を参入させるねらいもあります。西五反田ケアホームには建設業者のミサワホームが決まっています。相当額の貯蓄などがなければ入所不可能な施設が多くの区民が望む施設と言えるでしょうか。

都の計画でも不足している品川の特養ホーム

 品川区は特養ホームを7ヶ所、572床を区内に整備し、区外にもベットを確保し十分である。として新美高齢者部長は「特養ホームの建設計画は持っていない」と言明し区民の期待に答える態度ではありません。東京都の計画から見ても品川区は132床不足しています。このことに関しても「品川区は介護保険になって急激に入所希望が増えた訳ではない。ケアホームの建設で全都的にも高水準を誇っている」と答弁しています。しかし、介護度によってこれまでは受付けた入所希望申請をふるいにかけての待機者数ですから正確さにかけるものです。また、前述したとおり高額負担のケアホームが特養ホームの変わりになるものではありません。
 区民運動で特養建設を求めていきましょう。


保育行政の改悪を進めながら国際管理基準
ISO9000シリーズの承認取得

 区立保育園では、国際管理基準であるISO9000シリーズ承認取得に向けて動き出しています。ISO9000シリーズは品質管理に関する国際基準として製造業などを中心として取得が進められてきたものです。民間大手企業が利潤追求のために、独占体制の強化をする。あるいは統合・合併などを有利に進めるために取得し、下請け企業や現場労働者にマニュアルを押し付けるという事を強制してきました。こうした国際管理基準を保育園でどのように使おうというのか、疑問のある管理体制の執行です。

品質管理がなぜ必要なのか?

 小沼福祉部長は「関係者が一生懸命やっていても外からわかりにくいのが保育だ。顧客の満足度、利用者指向という福祉サービスの観点から必要」と答弁していますが果たしてそうなのでしょうか。
 子どもたちが楽しみにしていた「お泊り保育」を廃止し、最近では「運動会」「お楽しみ会」「夏祭り」「親子遠足」と父母が子どもの成長を確認できる大切な行事を廃止してどこから顧客の満足度を図る事が出来るのでしょうか。運動会が廃止された保育園では父母の再三の要請も聞き入れず廃止を強行し、父母有志によって手作りの運動会が行われ多くの参加があったことを考えても品川区が進める保育行政が福祉サービスの観点とは無縁であることは明確です。

運動会をいち早く廃止した東五反田保育園
―保育は良質と強弁―

 職員の努力によって品川の保育が維持されていることは確かです。対照的に行政の姿勢はどうなのかが問われています。
 保育園や学校の場ではあたり前の運動会を、真っ先に廃止した東五反田保育園が区民ニーズに対応した福祉サービスを提供しているとは、どこから考えても思えません。飯沼まさ子議員は東五反田保育園に子どもを預ける父母の声を「少ない職員で夜間保育を進めるために朝のシフト職員が少ない。子どもの状態を伝えることも出来ずに不安」「給食の民間委託で栄養士、調理師がいなくなり栄養の話なども聞けなくなってしまった」と紹介し「利用者の満足度とは保護者の声がとどき、保育内容が十分説明されてこそうまれるもの」として「部長の答弁は子どもの発達を阻害し、保育そのものを否定する考え方」と断じましたが、まさにそのとおりです。
 党区議団は子どもの成長をないがしろにして親と職員の信頼関係をうしなって進める保育行政の改革に全力をあげます。