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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2000年12月10日発行
第100号

 

利用料助成条例、全会派が否決
なんのための誰のための介護保険か

 日本共産党区議団が、第四回定例議会に提案した「居宅介護サービス利用料の助成に関する条例」が、厚生委員会はほとんど審議しないまま否決しました。
 各会派が、区民生活の厳しさを認識していない事もこの審議で明らかになりました。

 生存権さえ脅かす!

 政府や一部マスコミは、高齢者は所得や貯蓄の水準も高くなったとして「豊かな高齢者像」を強調しています。しかし、高齢者世帯の所得水準を見ると一五〇万から二〇〇万の世帯がもっとも多く三十七%を占めています。貯蓄では二〇〇万以下が三十三・一%、貯蓄なしが十一・九%にのぼります。生活保護基準は一人ぐらしで一二〇万程度ですから、生活保護基準以下の収入でくらす高齢者が相当数存在することになります。
 「生計に関わる部分には課税をしない」とした大原則からはずれ利用料や保険料を住民税非課税の高齢者からむしり取ることそのものが法の精神に反するものです。

各党の意見は?

 厚生委員会では、各会派が高齢者の生活実態を一切考えず否決の理由を並べ立てています。

   〜自民党〜

 一般財源を持ち出してまで行うべきではない。時期尚早である。

介護保険制度の導入で品川区は一般財源から二億六千万円余りを削減しました。今回の提案は必要財源、一億七百万円。削減した四割で施策可能。現在、サービス利用は七割程度でありその理由は負担の増加にある事は明らかです。全国四〇〇をこえる自治体が何らかの減免制度を策定し東京では千代田、江戸川で検討中。世田谷では施行されているのをみるなら、時期尚早という事はありません。

   〜民主党〜

 減免するなら増税しかない。

国庫負担を介護保険導入によって二五〇〇億円削減。財政赤字をつくった原因は一九九三年から続く、公共事業費五十兆円の投入に根本原因があります。社会保障に二十兆円という、他の先進国には見る事が出来ない財政のあり方を切り替えれぱ、十分な保障が出来ます。

   〜公明党〜

 区民が支払いに困っている状況がまだ見えていない。

共産党区議団は、あらゆる機会に実例をあげて質問をしてきました。実態が見えていないとか聞こえてこないというのは、つかもうとしていないだけであり、政治姿勢の問題です。
 六十五歳をこえた高齢者の皆さんは、第二次世界大戦後の混乱期に青年時代を過ごし、子どもを育て懸命に働きながら税金を収め、この国の基礎を築いてきました。品川区でも多くの区有施設がこうした世代によって築かれました。
 高齢で、不幸にして身体を動かせなくなった時に品川区はこれを援助する、こうした義務があり、これを果たす事が行政に求められています。とりわけ必要なのは、生活保護基準、あるいはそれ以下の収入で生活される高齢者の皆さんが多数存在しているという事実をしっかりと直視し、高い利用料が払えないために、介護サービスが受けられない区民が続出している問題の解決を図る事が、品川区の緊急課題です。
 「なんのための、誰のための介護保険なのか」現場で働くケアマネージャーからこうした問いかけがよせられています。
 日本共産党区議団は、介護保険制度の導入によって二五〇〇億円もの国庫補助を削り、国民の肩に負担を押しつけた自民党、公明党、保守党の連立政権政治を区民の皆さんと力を合わせて切り替える先頭にたって運動を進めていきます。