2025.11.20
安藤たい作区議 第4回定例会 一般質問
深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を
暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ
リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を
現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を
マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発は、企業の儲けのためではなく住民本位で見直しを
質問項目
- 深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を
- 暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ
- リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を
- 現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を
- マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発は、企業の儲けのためではなく住民本位で見直しを
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質問
日本共産党品川区議団を代表して一般質問を行います。
深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を
はじめは「深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を」です。
物価高は深刻で、今年も2万品目以上が値上げ。「物価は上がり、保険料も高く、収入は増えない。もう限界」―悲痛な声が寄せられています。高市首相は公約した給付金は実施せず、消費税減税には背を向け、物価高に無策。参院選では、全ての野党が何らかの消費税減税を公約しました。5%にすれば平均的な世帯で12万円、単身世帯で5.5万円の減税に。インボイスも廃止できます。財源は大企業と富裕層への行き過ぎた減税をやめることで賄えます。消費税減税は、何でも、誰でも、毎日減税され、物価高の特効薬です。
6月議会で「消費税減税を国に求めるべき」との質問に区は、国で議論されるべきと従来の見解を示しつつ、「国税の在り方は区民生活や区内事業者の経営状況に関わる事項」と答弁したことは重要です。
- 「区民生活や区内事業者に関わる」というのであれば、消費税減税が区民の暮らしを守ることにつながると思いませんか。伺います。
- 国に消費税減税を求めて下さい。いかがでしょうか。
上がり続ける各保険料も大きな負担です。
国民健康保険料が急激に上がった要因の一つは、2010年まで区が実施していた約36億円の法定外繰り入れを無くしたことです。また、収入のない子どもにまで64100円もの保険料を求めるのは国保しかありません。
品川の介護保険料は、今期基準月額が6500円に上昇。高額所得者の負担は23区の中で最も低く、最高額は基準額の3.3倍にすぎず、渋谷区では8.85倍です。収入に対する保険料の割合でも、年金年額80万円超の基準額の方の負担率が9.8%なのに比べ、所得2500万円の最高段階の方は0.95%で、わずか1/10です。
- 法定外繰り入れを削減する前の額に戻し国保料を引き下げること。子どもの国保料は無料にすること。
- 後期高齢者医療の保険料引き下げを広域連合に働きかけること。
- 高額所得者の介護保険料は能力に応じて引き上げ、低所得者は一般財源も活用して引き下げること。それぞれいかがでしょうか。
都内では、住宅の投機化、再開発が拍車をかけ、住宅価格や家賃が上昇し、大きな負担です。
区営住宅は、過去5年の平均で38倍超と狭き門。落選者も当選者も、同じ住宅困窮者です。共産党の「区営住宅落選者へ家賃助成を」との求めに、区は「居住サポート住宅での家賃低廉化助成を実施する」と答弁しましたが、居住サポート住宅は区内に1か所もないのが現状です。
- 区営住宅落選者への家賃助成を改めて求めます。
- 区営住宅の増設と建て替え時には戸数を増やすよう求めます。それぞれいかがでしょうか。
出産や子どもの進学に伴い、家賃の高い区内に住み続けられなくなり転居する方も後を絶ちません。子ども計画の就学前人口の年齢別推移をみると、生まれた子どもが年を追うごとに転居し5歳の時には約500人減っています。新宿や北区などはファミリー世帯への家賃助成や転居費助成を行っており、求めると区は「行う予定はない」との答弁でした。
- 子育て世帯への家賃助成と区内転居費用の助成を行わない理由を伺います。改めて実施を求めますが、いかがでしょうか。
最後は、賃上げについてです。物価高の根本対策は、物価を上回る賃上げです。ニューヨーク市では、大企業や富裕層に課税を行い最賃を大幅に引き上げると公約した市長が誕生しました。区としてもできることを行うべきです。区内事業所の99%を占める中小企業への直接支援がカギで、岩手、群馬、奈良県などで賃上げした中小企業に助成する制度を実施しています。
- 中小企業への賃上げ支援を都に求めるとともに、区においても支援を検討するよう求めます。それぞれいかがでしょうか。
暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ
次は、「暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ」です。
高市総理は所信表明で防衛予算の2倍化を今年度中に実施することを表明し、トランプ大統領に「防衛力強化と防衛予算の増額」を約束。米国からはさらにGDP比3.5%の増額を求められており、非核三原則の見直しにも言及。大軍拡の道を突き進んでいます。
安保三文書で「専守防衛路線」は投げ捨て、沖縄から北海道まで他国を先制攻撃できる長射程ミサイルの大量配備と大型弾薬庫の130棟増設を推進。各地で「攻撃対象になる」と反対運動が起こっています。自衛隊は米軍の指揮下に組み込まれ、共同訓練は百数十回に。さらに日本全土が戦場になることや核攻撃まで想定し、全国283地区の自衛隊基地等の地下化など強靭化に10年間で4兆円をかけ1万2600棟余建て替えるとしています。守るのは基地だけ。住民はおきざりです。
あげくに高市首相は、台湾有事になれば米軍の戦争に自衛隊が参戦する「存立危機事態」に該当すると発言。中国からも大きな反発を招いています。台湾有事が、中国との戦端を開くきっかけにされかねません。高市軍拡は、平和を作るどころか、日本国民を戦争に巻き込む極めて危険な道です。
では、どうしたら戦争の心配のない東アジアをつくれるか。
日本共産党は、昨年4月に「東アジアの平和構築への提言-ASEANと協力して」を発表し、外交による平和構築を訴えてきました。ASEANは、1976年に東南アジア友好協力条約を締結。粘り強い対話の努力を続け、半世紀前の「分断と敵対」から「平和と協力」の地域へと劇的に変化させ、「世界で最も成功した地域」と言われています。その秘訣は、1つに、年間1500回もの会合を開き、紛争を戦争にしない関係を作っている。2つに、自主独立と団結を大切にしている。3つに、「平和と安定があってこそ繁栄がある」として平和構築と経済協力、社会文化協力を一体で取り組んでいる。4つに、この流れを北東アジアなど域外にも広げてきた。それが日本、中国、韓国、ロシア、米国などが加入する東アジアサミットであり、これを平和の枠組みとして発展させ、平和外交で包摂的に東アジアの平和を構築していこうというのが共産党の提案です。
大軍拡は、暮らしや福祉も壊します。軍事費2%の前倒しに必要な額は今年度中に1.1兆円、GDP費3.5%となれば年間21兆円が必要。平行して社会保障大改悪の検討が進められており、今でも過去最多の倒産・閉鎖を余儀なくされている医療や介護を崩壊へ追い込むことになります。
区長は、ブログや議会答弁でも「世界の平和に日本が今こそリーダーシップを積極的に果たし、武力ではなく対話によりその実現を図っていくべき」と述べています。今政府がやるべきことは、国際法と国連憲章に基づく平和の国際秩序を守ることであり、日米軍事同盟の強化ではなく、ASEANと協力し、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくための憲法9条を生かした平和外交です。
Q1.日本の平和・東アジアの平和は、国が進める軍拡ではなく、対話による外交によってのみ築くことができると考えますが、区長の認識を伺います。
区長は今年、広島・長崎を訪れ、平和へのメッセージを発信し、共産党の質問に、核抑止力ではなく核禁条約の批准を求める平和首長会議と同じ立場、と明言しています。さらに、
Q2.トランプ大統領が核実験再開を表明したことに対する抗議文を送ることと区長自身が「日本政府に核兵器禁止条約に署名、批准を求める署名」に署名することを求めます。いかがでしょうか。
リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を
次は、「リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を」です。
10月28日朝、リニア新幹線のトンネル工事の真上、西品川一丁目の区道で約15センチの道路隆起を発見。区は同日中にJR東海に原因究明がされるまで工事を行わないよう要請。JR東海は「因果関係は調査中だが、周辺で行われている工事がないことから、当社起因の可能性がある」と発表しました。シールドマシンは8月25日に本掘進を開始、約500メートルまで進み、線路の下を通過しつつあり、住宅地に入ろうとする矢先でした。
30日には住民団体が、31日には共産党区議団もJR東海に申し入れを行い、11月4日には共産党国会議員団主催で国交省レクチャーが行われ、監督省である国交省は現場に足を運んですらいないことも明らかになりました。
近隣住民にお話を伺うと、「明け方に下から何か変な音がした」と言います。また、「事故の数日前にJR東海に問い合わせた時には『地下75~80メートル深く工事をするので事故は起きません。絶対大丈夫です』と言われた』と語ります。
リニア工事の根拠法となる大深度地下法は、地上に影響が出ないので権利者に何の補償も許可も得る事もなく掘り進めることができるとされていましたが、またもやその前提は崩れました。
地盤・トンネル工学が専門で笹子トンネル崩落事故や外環道調布陥没事故などにもコメントしてきた谷本親伯大阪大名誉教授に話を伺うことができました。谷本氏は過去の事例からも第三者による調査が必要。また、事業所任せにせず、今ある情報は出させ、自治体としても必要な調査を行うことが大切だと指摘しています。
区は委員会質疑で、仮に住宅地で発生した場合を問われた際、「かなりの傾きになり、家屋としてそのままというわけにもいかなくなる」と答弁。JR東海への要請文でも「区民の安全・安心と生活環境を守る立場の地元区として」と述べています。
Q①・区民の安全を守る区として、具体的に以下4点求めます。
- 原因究明はJR東海まかせにせず、第三者調査委員会を設置し行うよう、国と東京都に求めること。
- 土圧など掘削データや、地表面の変化を測定してきた水準測量・人工衛星計測など今あるデータはすみやかに開示するようJR東海に求めること。
- ただちに教室型説明会を開き、様々なデータや調査内容を区民に説明するようJR東海に求めること。
- 区として、現場付近のN値の把握のためのボーリング調査、今後の掘削工事による影響を測るためのルート線上の区道における3Dスキャナー測量を行うこと。
それぞれいかがでしょうか。
リニア工事は、町田市での水と気泡の噴出、岐阜県の地盤沈下などあちこちでトラブルを起こしています。外環道では、陥没事故が起こったところは軒並み住めなくなり、住民が立ち退きを余儀なくされました。
Q②・隆起事故が起き、住宅地に入る前の今こそ、住民のくらしと安全を守るため、リニア新幹線は中止すべき。国とJR東海に求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。「現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を」
次は、「現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を」です。
庁舎跡地は区民の貴重な財産。区民からは、福祉施設や区営住宅など、様々な切実な願いが寄せられています。
例えば、特養ホームは、3カ所の整備計画がありますが、それでも整備率は23区で18位、特養と老健施設をあわせた整備率は今も23位です。約400人が申し込み、7割の人は入れません。障害者施設も足りず、区外施設の利用を余儀なくされ、重度の人が利用できる施設を求める請願陳情も繰り返し出されますが、「土地の確保が困難」と増設はなかなか進みません。区は今後、障害者の施設がいつまでにどれだけ必要かの所要量を出し整備を進める計画を策定するとしています。であるなら貴重な公有地である庁舎跡地は余すことなく活用すべきです。
住宅問題も切実。区営住宅のここ5年間の平均倍率は38倍。歴代区政は都営住宅の区への移管を断り続け、区営住宅増設の方針も持っていません。
Q①・現庁舎跡地は、高齢者・障害者施設や区営住宅など区民の切実な願いに応えた施設整備のために使うべきです。いかがでしょうか。
区長は「庁舎建て替え費用に要する区民負担軽減のため、跡地は民間企業に活用させ200億円をねん出する」と説明してきました。そのため区はこの間、民間企業に活用手法を直接聞く対話型市場調査を2回、実施。調査では企業に庁舎跡地の購入意向も聞いていますが、一度土地を手放してしまえば、戻ってくることはありません。
Q②・庁舎跡地は区民の財産です。売却などすべきではありません。改めて伺います
そもそも、現庁舎跡地を民間企業に活用させ200億円を捻出する必要があるでしょうか。
対話型市場調査では、庁舎跡地で利益を得るための導入機能として、住宅、つまり分譲超高層マンションが提案されています。しかし、PFI手法で庁舎と公会堂を建て替えた渋谷区では、庁舎等敷地の半分を三井不動産に77年定期借地、その貸し付け費用211億円で庁舎と公会堂を建設するも、77年もの間、区有地は区民のために使えなくなった上、三井不動産はマンション503戸を分譲し莫大な利益を得ました。豊島区では、小学校跡地と駅前庁舎跡地を使ってマンションとの合築新庁舎を建設し、将来、区の意思で建て替えられない庁舎を作ってしまいました。
一方で、区には豊かな財政があることが先日の決算委員会で示されています。前年度決算と比べ税収は、財調や区民税、株式譲渡や配当割交付金などで89億円余も増収。さらに、森沢区長就任後、学校給食や学用品の無償化、介護・障害福祉職員の待遇改善など福祉充実の新施策が次々と実施されてきましたが、それらを実施した上でなお、67億円の黒字を出した上、基金は令和6年度だけで約94億円も積み増しているのです。
Q③・現庁舎跡地は定期借地などの手法は止め、200億円捻出にこだわらず、全面的に区民の願いのために活用すべきです。いかがでしょうか。
マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発について
最後は「マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発は、企業の儲けのためではなく住民本位で見直しを」です。
大崎駅目の前の西口駅前地区では、「マンション再生」を目的にした再開発のはずが、いつの間にか大成建設と住友不動産により、元々住んでいた住民を駅前一等地から締め出す、もうけ追求の計画に取って代わろうとしています。
地区内の土地所有者は14名で、5棟の旧耐震マンションがあり約260人の区分所有者が住んでいます。区は、2018年、東京都の制度を活用し「マンション再生まちづくり計画」を策定。まちづくりの目標として「分譲マンション等の建替えを促進する」としました。
ところが、計画の「方針」に、「周辺街区の住み替え等も視野に入れた手法や制度の検討、運用を行う」との文言が入れ込まれたため、大成・住友はこの文言を盾に、駅前地区内に住んでいたマンション住民を、駅から離れる隣のF南地区の再開発マンションへと移住させ、地区内での建て替えは行わないオフィス一棟案計画を強引に進めています。計画の方針の一部を切り取り、このような駅前地域を乗っ取るようなやり方を放置するならば、「開発企業のための官製地上げ」と言われても仕方ありません。
再開発準備組合事務局は、開発に多数が賛成しているとの状況を演出するため、マンション居住者に個別面談や建物等現況調査と称する室内立ち入りを強引に進めています。9月には「都市再開発法に基づく第一種市街地再開発事業の都市計画決定に向けた手続きを実施しております。つきましては、今後の事業の推進に向けた準備作業として、建物等現況調査を実施させていただきたく存じます」と書かれた文書を配り、あたかも法に則った避けられない手続きであるかのように立ち入りを始めたのです。しかし、同法60条2項では、建物調査ができるのは再開発本組合の設立後で、かつ区長の許可が必要。こうしたやり方で立ち入り調査に多数が応じたとしても、開発に賛成とはなりません。
準備組合事務局は「区との打ち合わせは頻繁に行い、区の了解の下で事業は進めている」と明言しています。
Q①・今回の準備組合事務局の強引なやり方を区は把握しているのか。区は是正の指導を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
地区内のあるマンションでは、現在、耐震診断の議論を重ねている真っ最中。昨年の管理組合総会では「耐震診断の検討を継続審議する」と議決しています。このマンションにお住まいの方は、「夫婦でお互い2時間近くの通勤を伴う共働きを辞めることなく2人の子どもを育てるため、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったマンション。この家には感謝しかないし、終の棲家と考えてきた。それが、いきなり出ていけと言わんばかりの再開発の計画。耐震を高めるのならマンションの建て替えであるべきだ」と述べています。
Q②・住民が自主的に耐震化の相談をしている最中に、「マンション再生まちづくり計画」を自ら定めた区が、現行計画・オフィス一棟案にお墨付きを与えるようなことはあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。
Q③・大崎西口駅前地区は、現行計画・オフィス一棟案は白紙にし、住民本位で見直すよう求めますが、いかがでしょうか。
答弁
森澤区長
安藤たい作議員の一般質問にお答えします。
私からは、平和施策についてお答えします。
初めに、防衛費予算については国の専権事項であり、国会の場で議論されるものと認識しております。 一方で、この夏、私が出席した平和首長会議では、都市間の連帯が深められ、対話を通した信頼関係が平和の国際秩序を構築する上で重要であると認識したところであります。広島市の平和記念式典にて、湯崎広島県知事が、抑止力とは武力の均衡のみを指すものではなく、ソフトパワーや外交を含む広い概念であるはずと述べていたように、包摂的な平和の枠組みを築いていく、そうした努力こそが求められていると考えており、こうした観点から、自治体として平和施策を進めてまいります。
また、平和首長会議は、核実験の実施に対し厳重に抗議するとともに、今後一切の核実験の中止を求める旨の抗議文を送付しているほか、核兵器禁止条約についても、令和7年8月の要請文において、核兵器のない世界の実現を目指すことを述べております。区としても、平和首長会議と同様の立場にあるものと考えています。
久保田企画経営部長
私からは、消費税に関する質問にお答えします。
消費税の減税は国税制度に関わる事項でありますので、国において議論されるものと考えており、減税を求める考えはありませんが、区民生活や区内事業者の経営状況に関わる事項でもありますので、引き続きその動向を注視してまいります。区としましては、プレミアムつき区内共通商品券のプレミアム率や発行額の拡大、省エネルギー対策・業務改善設備更新助成などの施策を展開することによりまして、物価高に苦しむ区民生活の下支えをしてまいります。
高山健康推進部次長
私からは、保険料についてお答えいたします。
初めに、国民健康保険についてですが、国民健康保険料は、同じ医療費水準・所得水準の被保険者なら全国同じ基準で設定することが望ましいとされています。保険料の賦課に関する事項は、政令で定める基準に従い、特別区統一保険料を条例で定めていることから、法定外繰入れによる区独自の保険料引下げは困難と考えております。また、子どもの国民健康保険料の無料化ですが、国民健康保険法第77条による保険料の減免等は認識しておりますが、国からの通知では、特定の保険者に対し、画一的な基準で保険料の減免を行うことは明確に法令違反とは言えないものの、適切ではないとの見解が示されております。
次に、後期高齢者保険料においては、東京都後期高齢者医療広域連合が行った調査等に対し、区としても保険料の増加抑制について継続実施の要望を伝えているところでございます。今後の保険料率の改定に向けた検討において、都内区市町村の意向を踏まえ、増加抑制のための施策である特別対策が継続 されるものと考えております。 次に、介護保険料についてです。保険料は、所得に応じた負担の公平性を確保する観点から、所得段階別の設定を行っております。設定に当たっては、国が示す標準的な段階より細分化し、第1号被保険者間での所得再分配機能を強化することで低所得者の保険料上昇の抑制を図っております。なお、国は低所得者に対する減免のため、一般会計からの繰入れは行わないこととしております。いずれにいたしましても、深刻な物価高に対し、区としてでき得る施策を模索してまいります。
鈴木都市環境部長
私からは、住まいの支援に関するご質問についてお答えいたします。
初めに、区営住宅落選者への家賃助成についてです。区では、現在低所得者や高齢者、ひとり親世帯などの住宅に困窮する方に対し、民間賃貸住宅への入居促進に向けた取組を進めております。これまで も令和3年に開始した入居促進事業を通じて、609世帯が入居に至るなど一定の成果につながっており ます。
また、家賃低廉化助成の対象となるセーフティネット専用住宅が区内でも登録され、さらなる登録増加に向け、現在民間事業者と具体的な協議を実施しているところです。今年度10月に制度運用が開始された区が認定する居住サポート住宅についても、早期での認定住宅が開始され拡充につながるよう、セミナーの開催など、大家や事業者への積極的な周知、働きかけを実施してまいります。今後も要配慮者の方が家賃低廉化助成などを活用いただき、安心し住み続けられるよう取り組んでまいります。
次に、区営住宅についてですが、区営住宅の新設、増設については、公的住宅だけでなく、民間住宅も含めた住宅ストックが量的に充足している状況です。区としましては、セーフティネット住宅や居住サポート住宅の拡充、入居促進事業など、住宅に困窮する方が民間住宅への入居につながるよう積極的な取組を進めてまいります。
次に、子育て世帯への住まいの支援についてです。近年、新築マンションの価格が高騰し、区においても、子育て世代とその子ども世代の人口は減少傾向にあり、子育て世帯の区外転出への対策が急務となっております。今後においては、子育てなどのライフステージの変化にも対応し、住み慣れた地域に長く住み続けられるよう、他自治体の支援制度も参考にしながら、転居時に発生する費用助成の実施について検討してまいります。
川島地域振興部長
私からは、中小企業への賃上げ支援についてお答えいたします。
区では、今年度、補正予算を2回編成し、中小企業に対する設備投資助成や商店街での消費喚起支援を行っています。また、とりわけ賃金水準が低いとされる介護職員につきましては、処遇改善のための区独自の居住支援手当制度を創設したところです。賃上げについては、その後の持続的な取組や各社の 個別事情を踏まえた経営判断が必要な事項と考えております。区としては、中小企業の稼ぐ力を高め、賃金引上げの余力を確保できるよう、設備投資や販路拡大など新たなチャレンジに対する取組支援を通じて、結果として従業員の賃金引上げに寄与する支援策を進めてまいります。
鴇田都市整備推進担当部長
私からは、区道で発生した道路隆起、庁舎跡地ならびに大崎西口駅前地 区の再開発に関するご質問にお答えいたします。
初めに、区道で発生した道路隆起についてです。
区としては、今回の事象を区民の生命と生活を脅かす重大な事態であると重く受け止め、事象発生日当日にJR東海代表取締役社長に対して、当該道路隆起の原因究明を早急に行うこと、原因究明がなされるまでシールド掘進を行わないこと、区民からの不安や懸念の声を真摯に受け止め、区民への丁寧な 説明と適切な措置を講じることの3点を申し入れたところであり、今後も強い姿勢で対処してまいります。そうした中にあって、区といたしましては、まずもって事業者でありますJR東海の責任において、第三者による検証も含め、原因究明を行った上で、再発防止策を図るべきと考えております。
データの開示につきましては、区では、JR東海に対し、区民の安心が確保されるよう、工事に関する情報について積極的に開示および発信するよう求めているところであります。また、区としましては、区民からの不安の声や質問には、JR東海が丁寧に対応し説明することが重要と考えております。このため、JR東海に対し、教室型の説明会も含め、様々な手法を用いて説明を行うよう要請をしてまいります。
今回の事象について、JR東海は、リニア中央新幹線のシールド工事が道路隆起の発生をもたらした可能性があると言及した上で、因果関係の調査を行っております。そうした前提に立っているからこそ、隆起によって発生した段差の補修工事もJR東海の責任において実施されたところであり、責任の所在を明確にする意味からも、あくまでJR東海の責任と費用において徹底した原因究明がなされるべきものと考えております。リニア中央新幹線は、JR東海が国土交通大臣から認可を受け実施されている事業であります。区といたしましては、JR東海に対し、引き続き必要な要請を時機を逃さず行ってまいります。
続きまして、現庁舎跡地の活用に関するご質問にお答えします。
施設整備についてですが、庁舎跡地等活用検討委員会の中で把握した幅広い区民ニーズの実現と、新庁舎整備に係る区民負担軽減の両立に向けて、現在検討を行っているところです。具体の導入機能については、区民ニーズとして挙げられている福祉や子育て環境の充実を含め、来年度に着手を予定している活用プランを策定する中で検討を深めてまいります。庁舎跡地については、区民の貴重な財産であり、立地のポテンシャルも高いことから、売却を前提としているものではございません。今後、適切な敷地の活用条件について示してまいります。
本事業では、新庁舎整備に係る区民負担軽減のため、官民連携手法により200億円を生み出すことを 想定していますが、そうして得られた財源を福祉の充実や区民生活の向上などに還元していくことが重要と考えているところです。そうした前提の中で、跡地の活用に当たっては、にぎわい創出、子育て環境、産業間交流などの充実に加えまして、高齢者や障害者の福祉を充実する視点も含めて検討を進めてまいります。
最後に、大崎西口駅前地区の再開発についてお答えします。
大崎西口駅前地区では、現在既存建物の評価を目的に調査が行われているところです。具体的には、準備組合が調査の案内ビラを配布し、あくまで権利者からの了解を前提とした上で、建物等現況調査が実施されていると認識しております。現行の建物計画につきましては、マンション再生まちづくり計画に基づき、権利者の希望を伺いながら、居住機能を含んだ形での業務や商業から成る一棟案を計画していると聞いております。区といたしましては、地域住民の声にしっかりと耳を傾け、真摯に受け止めるとともに、準備組合に対し、住民に寄り添った丁寧な対応を行うよう指導してまいります。
再質問
安藤たい作議員
自席から再質問いたします。
まず、軍拡なんですけれども、高市首相が軍事対応一辺倒の中、先ほど区長は、包摂的な平和の枠組 みをつくる努力が求められているということで、外交が重要だという答弁だと思うんですけれども、私は大変重要だと思います。今トランプ大統領の核実験再開宣言に加え、高市首長も非核三原則の見直しも繰り返し言及という中、いま一歩踏み込んだ発信、表明を求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
次に、物価高、まず国保です。特別区は統一保険料だからと言いますけれども、千代田や中野など、離脱している区もあります。ぜひ区が独自に保険料減額や子どもの国保料無料化に踏み出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
子育て世帯の転居費用なんですが、さきもありましたけれども、検討するという答弁だったと思うんですが、ぜひ実現していただきたいと思います。
また、住居困窮者対策、いろいろやっているのは分かるんですけれども、セーフティネット専用住宅とありましたけれども、僅かに2戸です。区営住宅落選者への家賃補助もぜひやっていただきたい。いかがでしょうか。
次、リニアです。強い姿勢で臨む、教室型説明会も含めということはすごくすばらしいことだと思いますが、原因究明と再発防止のためには、調査というのはJR任せにしてはいけないと思うんです。情報を出させ、有識者の力も借り、第三者調査委員会にJRの調査を客観的に検証、必要な独自調査も行うことが必要だと思います。第三者委員会を国交省に立ち上げるよう要請をと求めたんですが、答弁はありませんでした。ご答弁をお願いしたいと思います。
最後、開発です。立入調査は住民の了解を得てやっているということでしたけれども、実際配られた文書も紹介しました。これは、あたかも法にのっとった避けられない手続だと言わんばかりの発言なんです。
大倉副議長
安藤議員、質問をまとめてください。
安藤たい作議員
これで本当に了解を得られたと言えるのでしょうか。区は、準備組合のやり方は問題があると思わないでしょうか。伺いたいと思います。
再答弁
柏原区長室長
安藤議員の平和に関するご質問にお答えいたします。
先ほどご答弁も申し上げたとおりでございますけれども、区といたしましては、包摂的な平和の枠組みを築いていく、そうした努力こそが求められているといったところでございます。こうした観点から、自治体として平和施策をしっかりと進めてまいりたいという考えでございます。
高山健康推進部次長
私からは、国民健康保険に関する再質問にお答えいたします。
保険料の賦課に関する事項は政令で定める基準に従い、特別区統一保険料を条例で定めていることから、法定外繰入れによる区独自の保険料の引下げは困難というふうに考えております。同様に、子どもの保険料の無料化についても、国からの通知では、特定の対象者に対し画一的な基準で保険料の減免を行うことは、明確に法令違反とは言えないものの適切ではないという見解が示されているところから、 困難を伴うものと考えております。
以上でございます。
鈴木都市環境部長
住まいの支援に関する再質問についてお答えいたします。
区営住宅落選者への家賃助成についてですが、区はこれまでも住宅に困窮する方に対し、民間賃貸住宅への入居促進に向けた取組を行い、事業開始からこれまでに相談世帯約609世帯が入居に至るなど一定の成果につながっているところでございます。こうした取組をしっかり行っていくとともに、国においても住宅に困窮される方に対して、民間住宅を活用した入居促進の法整備拡充が行われてございます。 こうした状況の中で、区としましては、今後セーフティネット専用住宅ですとか、居住サポート住宅の 登録増加に向けた積極的な取組を行い、家賃低廉化助成などをしっかり使っていただく、困窮する方に、より多くの方に使っていただき、安心し住み続けられるよう取組を進めてまいります。
鴇田都市整備推進担当部長
私からは、リニアならびに再開発の再質問についてお答えします。
まず、リニアに関しまして、第三者を入れた委員会について国および都に求めることでありますが、こちらにつきましては、リニア中央新幹線はJR東海が事業者として責任を持って実施している事業で あります。こうしたことから、現時点、JR東海からは、調査の詳細については現在検討中と聞いておりますが、区といたしましては、JR東海の責任において、第三者による検証も含め、原因究明を行った上で、再発防止策を図るべきと考えてございます。
続きまして、再開発の調査、準備組合の調査に関する質問ではありますが、大崎西口駅前地区では、現在、準備組合が調査の案内ビラを配布し、あくまで権利者からの了解を前提とした上で建物等現況調査が実施されていると認識しております。引き続き準備組合に対しましては、住民に寄り添った丁寧な 対応を行うよう指導してまいります。
再々質問
安藤たい作議員
自席から再々質問いたします。
軍拡ですが、区長から答弁はありませんでしたけれども、今高市首相の存立危機事態発言、非核三原則の見直しと核脅威の言及、軍拡がエスカレートしている中、先ほども再答弁でもありました。包摂的 な平和の枠組みを築く努力が大事だという旨の答弁だったと思いますけれども、平和を願う区民にとっては心強いものだと思います。ぜひこれからもそうした立場で区長の発信を続けていっていただきたいというふうに思います。
国保ですが、千代田も中野も江戸川も独自の保険料です。また、子どもに保険料を課しているのは国保だけです。教育無償化政策がそうだったように、ぜひ品川区独自に国保料値下げ、子どもの保険料無料化に踏み出し一石を投じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
リニアです。目黒川の気泡発生では、結局区が求めた原因究明は行われませんでした。そのまま本掘進が強行されました。気泡は今回の隆起につながった事象であったかもしれない。この例からも、JR東海任せでは中立客観的な調査はされないことは明らかです。改めて第三者調査委員会の設置を求めていただきたい。いかがでしょうか。
最後、大崎西口駅前ですが、強引なことがやられていても、区が問題と捉えていないというのはいただけないと思います。この事業ですが、区も認めるように、この再開発は、住んでいた権利者を追い出しオフィスビルにしてしまおうというもので、ついに企業利益が動機の再開発もここまで来たのかという内容です。私は、質問で住民の声も紹介させていただきましたけれども、地域住民の声を真摯に受け 止めるというのであれば、ぜひこの計画を見直すよう改めて求めますが、いかがでしょうか。
再々答弁
高山健康推進部次長
国民健康保険に関わります再々質問にお答えさせていただきます。
現在特別区の統一保険料に向けて、これまで統一保険に乗ってこなかった区も賛同する方向に現在向かっているところでございます。子どもの保険料の無料化につきましては、先ほどの答弁の繰り返しに なりますが、国からの通知によりまして、特定の対象者に対する画一的な保険料の減免についての見解として、法令違反ではないものの適切ではないといった見解が示されていることから、実施に当たっては相当の困難性を伴うものというふうに考えております。
以上です。
鴇田都市整備推進担当部長
安藤議員の再々質問についてお答えします。
まず、第三者委員会の設置を国および都に求めることについてでございますが、こちらについては、 繰り返しになりますが、リニア中央新幹線はJR東海が国土交通大臣から認可を受け実施されている事業であります。区としましては、JR東海の責任において、第三者による検証も含め、原因究明を行った上で、再発防止策を図るべきと考えてございます。
続きまして、再開発の大崎西口駅前地区を中止せよといった質問でございますが、再開発事業につきましては、地域が主体となるまちづくりの事業でございます。こうしたことから、区といたしましては、 地域住民の声にしっかりと耳を傾け、真摯に受け止めるとともに、準備組合に対しては、引き続き住民に寄り添った丁寧な対応を行うよう指導してまいります。
