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鈴木ひろ子

こんにちは鈴木ひろ子です。

2002年11月3日発行
第167号

suzuki@jcp-shinagawa.com

無料 法律・生活相談会
日時:2024年5月29日(水)17:30~
会場:鈴木ひろ子事務所 中延2-11-7 3783-8833
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品川区の介護保険
ため込んだ基金が16億円余
来年度の保険料は3300円で据え置くというが・・・


 介護保険は3年ごとに見直し、事業計画や保険料を決めることになっています。今年は制度が始まって3年目、見直しの年です。10月29日、厚生委員会で品川区のこの間の実績、二期目のサービス量と65歳以上の保険料見込みが発表されました。私は今年度厚生委員ではないためこの委員会を傍聴しました。

保険料の取りすぎ(23区で一番高い)、少ないサービス利用で基金ため込む品川区

 共産党区議団は介護保険開始前より「療養型病床群を実際の3倍も見込んでいるため保険料が高くなっている。23区で一番高い保険料は取り過ぎ。引き下げよ」と指摘してきました。
 2年半が経過し、この指摘の正しかったことが裏付けられました。平成12、13年度の2年間で保険料が余って、基金として積み立てたのが14億4200万円にのぼりました。今年度末には16億円を超えることは確実とされています。12〜14年度の第1期のサービス量の見込みに対して施設、在宅あわせて使われたのはわずか7割でした。保険料を高く設定しすぎていたことは明らかです。

 取りすぎた保険料は区民に還元すべき

 第2期(15〜17年度)は介護が必要となる人は一期より46%増のに、事業費は一期より少ないものになっています。一期のサービス量を多く見積もり過ぎていたためです。一期目の保険料分が余って16億円も積み立てるのですから、2期目はそれを「充当」して保険料は引き下げるべきです。しかし品川区は「保険料は3300円で据え置く」と発表しました。16億円を超える基金のうち来年度の保険料に充当するのはわずか3億円、残りの13億円余はそのまま積み立てるとしています。

計画より大幅に低かったサービス利用

 さらに私が今回驚いたのは、サービスの利用が計画より大幅に少ないことでした。要介護度ごとにサービスを利用できる限度額が決められていますが、その限度額に対して実際にサービスが利用されたのは平成13年度が39%、(12年度はデータが出されていないがさらに低い)14年度が43%という低さでした。これは23区でも低いほうです。品川区の当初計画、12年度50%、13年度55%、14年度60%からも大幅に下回っています。
 品川区は「23区で保険料が一番高いのは、いいサービスを受けられるからだ」と説明してきました。サービス利用の実態は、区の言い分が崩れたことを意味します。
 
サービスを使わないほうが自立に結びつく?

「なぜこんなにサービスが使われなかったのか」。共産党の宮崎議員の質問に、区の課長は「自立を促すためにはサービスが多ければいいというわけではない。少ないサービスでどう自立させるかがケアマネージャーの役割だ」と答弁。私は、あまりにも現場を知らない答弁に憤りを感じました。
 サービスを受けたくてもサービスが足りなくて受けられない現実、すべてに1割の利用料がかかるようになったため、それが払えずにサービスを控えている現実、ケアマネージャーが経済状況を見ながらサービスを入れたくても入れられない現実をどう見ているのでしょうか。

ケアマネージャーさんに
現場の実態を聞きました


 同日、看護婦、病院のソーシャルワーカー、薬剤師などをしながらケアマネージャーをしている方々に集まっていただき、現場の実態を聞きました。
 「保険料を払っているのに、利用料の1割負担がきつくてサービスを利用できない」「年金が少なくて保険料が払えない」「ショートステイやディケアなど受けたくても、施設が足りないため使えない」「ディサービスなどその人にあったプログラムが必要」など、深刻な実態が話されました。 

「利用料が払えないから訪問看護を受けられない」

 不況で夜中の0時までお店を開けている大崎のおそば屋さんのところでは、1割サービス利用料が払えず訪問看護を断り、床ずれができてしまったとのことです。
 その他、「ショートステイやディサービスの送迎をその人にあわせてしてほしい」「他の区ではどこでも作っている介護保険のわかりやすいパンフレットを作ってほしい」「ディサービスは祭日もやってほしい」「配食サービスは足りない。民間にも補助し拡充すべき」「紙おむつを使いやすくしてほしい」など切実な要望や意見が出されました。