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鈴木ひろ子

こんにちは鈴木ひろ子です。

2000年12月3日発行
第90号

suzuki@jcp-shinagawa.com

無料 法律・生活相談会
日時:2024年5月29日(水)17:30~
会場:鈴木ひろ子事務所 中延2-11-7 3783-8833
弁護士さんが対応します。どんな問題でもお気軽に。


十一月二十七日、保育問題協議会(保問協)の方々など四十名を越える傍聴者の見守る中、区議会厚生委員会が行われました。厚生委員会の共産党の委員ワクは一名で、私・鈴木だけ。この日は、共産党区議団提案の「介護保険の居宅サービス利用料助成条例案」の審議(私・共産党だけの賛成で否決。これにめげず、署名をあつめて運動をひろげます)、中延保育園のSRSV(小型球形ウイルス)集団感染についての報告、そして請願・陳情が六本と一日ではとても審議し切れないほど盛りだくさんの議題で、区民生活にとって大事な問題ばかりでした。

 その中から、中延保育園での園児三十二名をふくむ、四十九名が下痢・嘔吐などを発症したSRSV集団感染について報告します。

 午前中に区から経過報告があり、午後からこの問題での陳情と2万を超える署名を添えての保問協からの請願とが「保育園関係」として一括審議とされました。

「『食中毒の疑い』を隠そうとしたため、被害は拡大。区の責任は重大」
と追及

 この問題は、二十四日の党の一般質問で飯沼雅子議員がとりあげ、区長に原因究明と再発防止、父母ら被害者への謝罪をもとめましたが、高橋区長はこともあろうに「風邪のようなもので、お見舞いはするが、謝罪はしない」と居直りの答弁をしていました。そのため私は、区の責任がどこにあったか、浮き彫りになるよう具体的に質問しました。
 とくに、最初に発症した園児六人を診察した荏原医師会の医師が「食中毒の疑いがある」「SRSVの可能性アリ」と保健所に報告していたのに、区側は「中延保育園が給食を民間に委託していたため、ここで食中毒が起こっては民間委託化の今後に影響を与えると思い、「食中毒の疑い」をことごとく隠しました。父母の情報提供の求めにも応ぜず、当然やるべき対応を怠ったために第二次感染をひろげ、四十九名という大きな被害に拡大した責任は区側にあると追及しました。

「食中毒調査マニュアル」の原則も守らない調査のやり方

 「厚生省で定められている食中毒調査マニアルにそって調査を行ったのか」との私の質問に「行った」と答えた衛生課長に対し、私は「マニュアルには『原則として直接面会して聞き取り調査を行う』として細かく調査項目を示しているのに、今回の調査は、電話で、しかも『風邪がはやっているが変わりはないか』というもの。これでマニュアルにそった調査といえるのか」「一〇月に同じSRSVの集団感染が起こった台東区立保育園では、『食中毒の疑いあり』として、翌日と翌々日の二回にわたって保育園と保育課職員が全家庭を訪問して発症状況を調査し、発症は三日間で終息している。品川区の原則からはずれたやり方が、七日間にもわたる二次感染での被害拡大につながった」ときびしく批判しました。

父母への信頼回復のために疑問にこたえ、誠意ある対応を

 心配する父母に対して、保育園・区はきちんと情報の提供を行いませんでした。「二か月の子がいるが何を気をつけたらいいか」の質問に「風邪のようなものだから心配ない。うつる時はうつる」としてSRSVの二次感染予防の指導はまったくなされませんでした。五日目に開いた緊急保護者会では質問が続出。それを途中で打ち切り、「納得行かないので、すべての結果がわかったところで再度説明会を開いていただきたい」との要望に、区は「納得するかどうかは保護者の問題。説明会はもう開かない」という態度をとったことも重大問題と指摘し、父母との信頼を回復すべく、誠意をもって対応するよう求めました。

SRSV(小型球形ウイルス)とは
 食中毒の原因ウイルスとして97年に指定。
 感染経路はウイルスに汚染された食品・飲料水と感染者からの二次感染とがある。O−157と同程度の感染力があり、ウイルスが10個程で感染、人の小腸で増殖する。食品の中のウイルス量が少ないため、保育園などの集団感染では食材から検出された例はない。今回区は、SRSVが食材と調理員の糞便から検出されなかったことで、「食中毒ではないと断定」した。