「学力テストの成績を中学校ごとに公表する。卒業した小学校別の成績も発表する」…5月7日付け朝日新聞の報道に驚きが広がりました。そんな中、マスコミ報道後、始めての文教委員会が行われ「学力テスト成績公開問題」が審議されました。
委員より「荒川区の学力テストの成績公開がおこなわれたが、何のためにおこなったのかわからない、との声がある」と質問。若月教育長は「荒川区と品川区とはコンセプトが違う。荒川のような膨大なデーターを出すことにはならない。テストの実施はあくまで、学力の定着度を測るもの。何を公表するかは、今後関係者とよく協議をしてきめる。成績の平均点は出さないが、正答率など何らかの客観的事実は公開する」と答弁。
なかつか亮区議(共)の「公開は誰がいつ、どこで決めたのか?」との質問に古川教育次長は「昨年、アセスメント部会(校長・教頭で構成)等で協議した。今後は教育委員会で要綱を定め最終決定する」と答弁がありました。さらに、なかつか区議は「学力テストの成績をなぜHPで不特定多数に公開するのか」と質問。
若月教育長「どのような形で公表するかは今後も学校アセスメント部会でよく検討する」と答弁しましたが、なぜ公開するかの質問には答えがありませんでした。
続いて沢田英次区議(共)は「学力テスト成績公開問題で朝日新聞をはじめマスコミ報道で共通しているのは、インターネットで学校別の平均点を公開する、としている。このマスコミ報道は事実なのか?それともテスト公開に抗議が集中し方針を変えたのか?」と質問。
若月教育長は「5月7日朝日新聞の報道は、4月21日に行われた外部評価委員会の委嘱式でのやり取りを報道したもの。私はそこに朝日の記者がいたことは知らなかった。これまでも、いずれのマスコミからの取材を受けたことは一度もない。ここでは、学力テストの結果については平均点を公表する、とは話したが、決まった、とは話していない」と説明しました。
沢田区議は「マスコミ報道と教育委員会が考えていることには温度差がある。出身校別に平均点を出すと、子供達の間で、点数だけが一人歩きする。僕の学校はできない学校だ、と決め付けることになる。教育現場では、平均点数を上げるための授業になる。60年代の学力テストをほうふつされる。不特定多数に公表するのは、慎重にしていただきたい。」と意見を述べました。
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教育改革プラン21のもと、各学校では基礎・基本の学力の定着を図るため、特色ある学校づくりを進めてきた。こうした取り組みの中で、小学校での学力が十分定着しないまま中学校に進学する児童がおり、9年間の義務教育段階における学力向上の課題となっている。そこで、今年度より、中学校新1年生を対象に学力定着度調査を実施することとした。