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小中一貫校についてのお答え 品川区教育委員会 教育長 若月秀夫

日野中学校PTA会長様

平成14年4月2日
品川区教育委員会教育長若月秀夫

小中一貫校についてのお答え

3月19日に小中一貫校についての要望書をいただきました。小中一貫校の具体的な課題は、今後「小中一貫校準備委員会」の中で検討してまいりますが、現段階での教育委員会事務局としての考え方について、下記のとおりお答えします。

1.ねらいについて

(1)小中一貫校の目指す学校について

小学校と中学校の垣根を取り去り、施設を一体化し、1人の校長のもと、これまでプラン21で培ってきた内容や成果を総合的に生かしながら、9年間を見通し一貫したカリキュラムを編成・実施し、のびのびした学校生活のなかで子どもの個性と能力の伸長を図り、教育内容や教育方法、学校経営など多面的に一貫した教育を行う「明るく楽しい学校」「夢と力をはぐくむ学校」を目指します。

(2)小中一貫校でどのような子どもを育てたいか

一貫校の教育課程、カリキュラム編成については、今後検討してまいりますが、いずれにしても、基礎・基本を徹底して学び、確かな学力を身に付けるとともに、1人1人の個性や能力、適性を伸ばしていきたいと考えています。

また、学校生活の中で、小学校1年生から中学校3年生までの幅広い異年齢集団が交流することから、豊かな人間性や社会性を育てるとともに、9年間というスパンで、確かな学力が身に付いた子どもを育てていきたいと願っています。

(3)開設年度はなぜ18年度と決まっているのか

平成14年度から15年度にかけて、基本計画、基本設計、実施設計を進め、その後2年程度の工期を経て、18年度開設というスケジュールを予定しているものです。

2.学校の立地について

(1)周辺環境について

第二日野小学校付近が、「地元住民が少なく地域に根ざした公立学校のあるべき姿ではないのでは」とのご指摘ですが、当該地域は、新しいまちづくりが進みつつある地域です。大規模集合住宅の建設も進んできております。

この地に、教育都市品川のシンボルとなる願いを込めて、新しい学校を設置したいとの考えに至ったものです。

また、周辺地域の開発の全体像といったものはできておりませんが、この一貫校の建設が、今後のまちづくりの方向性に大きな影響を与えていくものと考えています。

(2)文教施設との説明について

総合体育館を移転し、併設したいと考えています。

学校教育施設としての小中一貫校と、生涯スポーツ施設としての総合体育館を併せた文化教育施設との考えです。

3.なぜ小中連携教育推進校を一貫校にしないのか

小中一貫校は、小中連携教育だけでなく、習熟度別学習や小学校における教科担任制など、これまで教育改革「プラン21」で進めてきた取り組みや成果を総合的に発展させたものとする予定です。

したがって、小中連携教育推進校に限定するものではありません。

4.一貫校の教育内容について

(1)学校規模について

学校規模は、今後、小中一貫校準備委員会で検討してまいりますが、現時点での考え方としては、学校教育法施行規則による標準規模、および教育効果を勘案すると、小学校については各学年3学級、中学校については4学級程度が想定されるところです。

(2)カリキュラムについて

一貫校の教育課程について、どのようなカリキュラムを編成していくか、様々な可能性が考えられますが、いずれにしても、学習指導要領に示された基礎・基本を徹底して学習するとともに、1人1人の個性や能力の伸長を図るための指導を行うことを目指しています。

したがって、先に進む子ども、また繰り返し学ぶ子ども、それぞれに合わせた指導を行っていく予定であり、中学校から入った生徒に対しても、適切に配慮した教育を実施してまいります。

なお、一貫校のカリキュラムについては、今後、小中一貴校準備委員会のもとに設置する教育課程等検討部会で専門的に検討してまいります。

5.学区域について

小中一貫校は、区内に1校となることから、広く区内全域から希望できるようにしたいと考えています。このことからも、小学校においてブロック制を廃止し、中学校と同様の学校選択制とすることも含めて検討してまいります。

6.地域への説明について

区議会の新年度予算の審議前に説明を行ったのは、当該校のほか、大崎第一地区町会自治会連合会、小学校PTA連合会、中学校PTA連合会、第三日野小学校PTAのいずれも役員の方々に対してですが、区議会での議決の後、小中一貫校準備委員会を設置し、検討が始まる状況において、各学校や町会自治会連合会に説明してまいります。

以上述べてきたように、小中一貫校は、現在公立学校が抱える様々な課題に応えるべく、これまで教育改革「プラン21」で進めてきた取り組みや成果を総合的に発展させたものとして計画しているものです。

教育委員会といたしましては、子どもや保護者の皆さんの期待に応えるすばらしい学校となるよう、取り組んでまいります。

<参考>小中一貫校に関する要望書(3月19日、品川区日野中学校PTA会長)

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