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小中一貫校に関する要望書品川区日野中学校PTA会長

平成14年3月19日
品川区日野中学校PTA会長
品川区長高橋久二様

小中一貫校に関する要望書

2月9日、日野中学校において教育委員会より指田次長、青木指導課長、高倉庶務課長が来校され、根岸校長、小野澤教頭同席にて、小中一貫校開設についての説明を受けました。また、同日の朝日新聞朝刊には区が正式に発表したとの記事が掲載されましたが、保護者には、その記事が小中一貫校について日野中の名前を初めて目にするものでした。

同日の説明に対していろいろと質問をしましたが、いずれも明確な回答はなく、今後の検討課題であるとのことでした。その後、私どもの今後の対応を協議し、現時点での疑問点、もっと明確な説明を頂きたい点などが多数でてまいりました。

当事者である私たち日野中学校の保護者は、小中一貫校の全体像がわからないので困っています。子供たちのことを考えた素晴らしい学校であることが理解できれば、協力もいたします。ついては、下記の点を、具体的にご説明いただきますよう要望いたします。

1、ねらいについて

(1)小・中一貫校の目指す学校とはどういうものですか。

(2)小・中一貫校でどのような子供を育てたいと考えていますか。

(3)検討課題ばかりの状況でありながら、開設だけは06年度とはっきりと決まっているのはなぜでしょうか。

2、学校の立地について

(1)周辺環境

日野中学校周辺は住宅地で騒音が少なく、通学するのにも交通量が少なく、とても良い環境にあります。生徒たちが落ちついて勉強でき、登下校も安心な現在地からの移転をなぜ、考えておられるのでしょうか。

移転先とされる第二日野小学校付近は、地元住民が少ない地域であり、子供たちを見守る地域の目は望めません。地域に根ざした公立学校のあるべき姿ではないのではないでしょうか。また、現在たくさんの空き地があり、今後どの様な施設ができるのか、学校を取り巻く環境として適切な施設が出来るのか、いつまでも空き地のままで学校施設だけが孤立している状況に陥らないか、など今後のことが何もわかりません。

一貫校建設予定地周辺の開発の全体像を明らかにしていただきたいです。

(2)文教施設との説明に付いて

2月9日の説明で、大崎地区の再開発の中の文教施設として一貫校を建設したい旨の発言があり、また新聞記事には体育館を併設とありました。大崎駅前には既に総合体育館があります。O美術館もニューシティーにあります。すでに文化施設は備わっているのではないでしょうか。一貫校を文教施設として考えられているのも疑問です。文教施設すなわち一貫校となるのは理解できません。他の文教施設も当然あるべきです。

3、一貫校への小・中学校の選択について

品川区ではすでに、小中連携教育を実施している学校があるときいています。様々な実績も上げられていることでしょう。第二日野小・日野中の合併より良い条件で、よりスムーズに一貫校へ移行できるところがあるのではないでしょうか。なぜ、すでに研究と実績を上げている学校を該当校としないのか疑問です。

4、一貫校の教育内容について

(1)規模について

第二日野小は現在児童数70名です。日野中には近隣小学校5校からの児童が集まり、現在生徒数387名です。一貫校になって387名の日野中をそっくり移転させると、387−70=317名の生徒にとって、中学校からの3年間は一貫教育と全く異なる単なる中学校ではないでしょうか。また、小学校から学んできた児童と中学入学の生徒とのギャップが生じることは一貫教育を乱すことにはならないでしょうか。

教育委員会で考えておられる、学級数、児童数を教えていただきたいです。

(2)カリキュラムについて

1月18日付け朝日新聞の記事には、6・3制にとらわれないカリキュラムも検討する、とあります。しかしながら、(1)での懸念に通じるものとして、5年で小学校課程を終了するとしたら、中学校から入学した生徒との間には歴然と学力差が生じます。

9年間子供が通い終えた時点でしか、その9年間の成果は日に見えません。その時になってはかばかしくなかったら、どうなるのでしょうか。

一貫校への転入、一貫校からの転出などには弊害はないのでしょうか。

9年間を通してのカリキュラムの詳しい内容をお知らせいただきたいです。

5、学区域について

昨年度より中学校については自由選択になり、区内どこの学校でも選べるようになりました。しかし、日野中学校の近隣小学校では、当然の事として日野中へ進学する生徒が大多数です。また、日野中の校区は、目黒駅よりさらに遠くまで広範囲にわたり、移転先までの通学は今以上に遠くなります。

小学校については、4学区が決まっているはずですが、一貫校には区内全体から募集をされることと思います。そうなれば、4学区というのも有名無実化してしまうのではないでしょうか。

一貫校を作ることにより、現在の学区が今後変化することはないのでしょうか。

6、該当地域への事前説明について

2月21日の時点で一貫校について事前説明を受けたのは、当事者校2校と大崎第一出張所管内の町内会です。日野中学校へ通わせる近隣小学校への説明はまだ行われていません。06年開校時の、その時の中学校入学予定者にあたる現小学生の保護者への説明は大切だと思います。保護者、地域の皆様の理解が得られるまで、十分に説明をしていただけるのでしょうか。

小・中一貫校のすばらしさについて教えてください。

7、回答について

3月末日までに、文書をもってPTA会長まで御回答下さい。

<参考>小中一貫校についてのお答え(4月2日、品川区教育委員会 教育長 若月秀夫)

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