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2003年10月15日決算特別委員会での論戦

独断専行の教育改革はやめ住民参加で新しい学校作りを

なかつか亮


中塚委員

私からは159ページ、小・中一貫校および151ページ、教育委員会それぞれに関連して質問を行いたいと思います。

昨日私のところにこういうメールが届きました。紹介いたします。この間の品川区のやり方にはため息しか出てきません。子どもたちのことをどう考えているのでしょうか。学童保育クラブは閉鎖され、すまいるスクールに移行すること、大井地区の小・中一貫校の決定、我が子は1年生です。個人的な理由で言えば、子どもを途中で転校させるのがいやで、入学前の引っ越しをすることも考えましたが、品川区は公立の学童保育クラブがあったこと、家から小学校が近いこともあり、働き続けることも考え、引っ越しをやめました。それなのに、半年も経たないうちに学童保育クラブ閉鎖、そして小・中一貫校の決定で、もう怒りをどこにぶつけていいのか、小・中一貫校のことは必要性を全く感じられません。結果が出るのに子どもたちが大人になってからなんて、実験台にするようなことはやめてほしい。子どもの気持ちを置き去りにする区のやり方には納得できない。こういうメールをいただきました。

まず、この意見をどう受け止めますか。

鷹倉庶務課長  

私どもにもいろいろメールがまいりますけれども、いい意見もありますし、今のお話のようにため息の出るメールもございます。私ども頑張れというような励ましのメールを受けながら、今後進めていきたい、このように思ってございます。

中塚委員

これまでも保護者の意見を聞いていくとか、これからも積極的に耳を傾ける、さまざま話しておりますけれども、とても区民の参加が保障されているとは思えません。突然の一方的なやり方に区民は到底納得していません。

ここに第三次長期基本計画を持ってきました。こちらを私も読んだんですけれども、この策定は平成10年から議論を始めて、平成13年3月に発表されました。今後10年の計画ですけれども、ただの一言も小・中一貫校構想の計画はありません。計画に載っていないことが、たった2年間で第1校、そして第2校と、一方的な計画はあまりにも無計画、場当たり的で、区民の怒りは当然ではないでしょうか。子どもたちにこのような計画を問答無用に押しつける教育行政は学校教育を歪めると思います。この計画の186ページをぜひご覧になってください。区民との信頼の架け橋とあります。このようなやり方が区と区民が信頼に基づいたパートナーシップができていると思うのでしょうか。

鷹倉庶務課長

大井地区における小・中一貫校につきましては、まさに区民の方々の意見を十分聞きながら学校を決めていくという形で進めさせていただきました。実際、今回最終的に教育委員会で学校を決めさせていただいたのは、9月9日の教育委員会でございますけれども、この間、地元の説明、あるいはさまざまな関連機関の意見を十分聞きながら進めてきたということでございますので、先ほどおっしゃっています区民参加の保障というのは十分なされている、このように私どもは考えてございます。

中塚委員

今十分に意見を伺ったとおっしゃいますけれども、とてもそうとは思えません。この計画の中にはこう書いてあります。「区政の重要な決定をする際には、その検討に幅広い区民の参加を求める」とうたっております。保護者と区民の間にどういった区民参加、協働があったのでしょうか。とても思えません。だから、先ほど挙げたような意見が出たり、原小学校からもさまざまな意見が寄せられております。決定までの時間が短く、よく話し合って決定すべき、小・中一貫校にすることの本質的なねらい、説明が不明、こういったさまざまな声が寄せられております。文教委員会の場でも紹介させていただきましたけれども、改めてこの間原小学校で7月に2回にわたって保護者会が開かれ、さまざまな意見が挙がっております。これら不安の声に対し、教育委員会は一切の回答もせず、9月9日、非公開で教育委員会で計画決定しました。保護者の意見、回答に対しては、「あくまで教育委員会として決定する際の参考などで、お答えするというものではない」、こう答えております。案としながらも、計画を保護者に示したのは、さまざまな意見を取り入れるためではなかったのですか。

そこで質問をしますが、改めて聞きます。9月9日前に、なぜ7月に夏休み前に挙げられた保護者の意見に回答をする必要がなかったのですか。お答えください。

鷹倉庶務課長

大井地区における小・中一貫校を決めていくということは、さまざまな公的機関、当然議会もございます、文教委員会、教育委員会、そしてプラン21の関連の公的機関もございます。そして今回は地域の方々の学校関係者の声も聞いてまいりました。決められたルール、手続的に進めなくてはいけないところをまず聞く。それぞれ個人のレベルのご意見等があるのは分かってございます。しかし、まずその方々の意見は参考とさせていただきつつも、そういう機関に、こういう意見もあったということを諮りつつ、公的機関として最終的に教育委員会として決めさせていただき、あるいは文教委員会に報告させていただく、これがまさに民主主義社会のルールと、このように考えてございます。

中塚委員

ただいまの説明では、なぜ回答をする必要がなかったのか、とても理解ができません。私は区民の意見をきちんと計画段階から十分な説明責任を果たし、回答をし、政策に反映すべきではないか、こう思うわけです。なぜならば、今後10年間の区の方向を示した第三次長期基本計画の中にも全く計画が載っておりません。にもかかわらず、この2年間で区政の重要な決定を進めるときには、あまりにも無計画、無責任な運営ではないかと指摘したいと思います。

今後公聴会、地域説明会の早急な開催を求めていきたいと思いますけれども、そもそも品川区は公聴会、地域説明会をどのように位置づけているのでしょうか。また、これらはどういった場だと思っているのでしょうか。公聴会、地域説明会のご説明をお願いいたします。

鷹倉庶務課長

私ども公聴会、地域説明会、いろいろな区民の方々と接する場がございます。そのときにいろいろ尋ねられる部分がございます。ただ、新しい事業でございますから、そのご質問に答えていくには、それぞれの教育委員会、あるいは文教委員会に報告をし、ある程度の方向性を確認しながら、住民の方々に説明していく責任があると思ってございます。個人レベルで答えるわけではございませんので、組織としてきちっと答えていくためには、それなりの組織に通した上で話を進めていく。これが議会を重視し、あるいは教育委員会をきちっと担保していくための一番大事なことだと考えてございます。

中塚委員

私は今日、品川区の広報、情報公開の冊子を持ってきたんですけれども、ここにしっかり書いてあるのが、「公聴会、説明会の開催について、区の説明をするだけではなくて、その場で区民の意見を直接聞く」と書いてあります。公聴会とはどういう場なのか、もう一度説明してください。

山田広報広聴課長

ただいま中塚委員からご説明がありましたとおり、公聴会につきましては、区の施策の新しい施設建設でありますとか、施策の展開のときに広報紙等でお知らせするだけではなく、いわゆるフェース・トゥ・フェースで説明をしていく。きめ細かに説明をして、区民の皆様のご理解を得るということで開催をする公聴会、また説明会ということになってございます。そして、施策を推進する中で、区民のあらゆるご意見をいただきながら、参考にできるところは参考にしながら進めていくという基本姿勢でございます。

中塚委員

今説明がありましたけれども、公聴会、説明会、この中には、区政への課題や、区の考えを区民に直接説明し、その場で区民の意見や要望を聞き、施策や建設計画への反映を図る、こうはっきり述べているわけです。区民と区の理解を深める場とされております。どうして9月9日の計画決定前にこうした公聴会、地域説明会を開催しなかったのですか。

鷹倉庶務課長

9月9日の教育委員会の決定の前に区民の方々の代表である、例えばPTAの方々、あるいは地域の方々の声を聞いてございます。聞いていないということではございません。

中塚委員

聞いているなら、なぜ回答しないんですか。今、原小学校の保護者たちは、しかも、原小学校では保護者会が2回行われているんです。それに対して教育委員会に挙げて、なぜ回答しないのか。自分らの意見を参考程度に扱われていることに強い怒りを感じているんです。もう一度説明してください。

古川教育次長

まず、1点、原小学校における説明会、さまざまなご意見に対して、なぜ回答しないのかと。私どもは、原小学校の校長が主催したと思いますけれども、その中で説明会が行われたことは承知しておりますし、そこでさまざまなご意見があったということについても伺っております。それは先ほど庶務課長がお答えしております。参考ということで、私どもは受け止めております。あえてこのことに一つ一つ回答を決定の前にするという考え方は私どもは持ってございません。

それから、住民参加をどのような形で保障していくかということだと思うんですが、私どもは私どもなりに今回の大井地区における小・中一貫校の決定にあたりましては、さまざまな考え方を整理していく中で、一定のルールに従ったというふうに考えております。

32万人の一人ひとりにいかがですかということをお尋ねすることも、場合によってはあるかもしれませんが、今回の大井地区の決定にあたりましては、教育委員会といたしまして、一定の考え方を提示いたしました。限られた地域の中での12の小中学校、その中での決定をどのようにしていくか、一つのルールでございます、議会における報告をし、教育委員会における意見の反映もし、そして一番身近な地域の方々、12の小中学校のPTAの会長、あるいは地域の代表としての連合町会長、あるいは学校の経営者である校長、こういう立場の方々に2回にわたって参加をしていただき、その中での意見を多として、最終的には教育委員会の責任において判断をした、こういう内容でございます。

中塚委員

私は、第三次長期基本計画に示されているとおり、きちんと住民参加を保障すべきではないかと思っております。教育委員会の話が出ましたけれども、6月30日の文教委員会の論議の中で、小・中一貫校の、当時は計画の案ですけれども、案に対して、教育委員会には原案として諮る必要はない、途中計画を報告していく必要があるが、この案でいいかというお尋ねは必要ない、そう説明しています。教育委員会にすらこの計画を諮る必要がないのであれば、教育委員会とは一体何なんですか。教育委員会にも保護者に対しても問答無用の姿勢で、しかも、教育委員会の計画決定の場は非公開、これはどういう姿勢なんですか。どこが開かれた区政なのでしょうか。区民が主人公ではないんでしょうか。

そこで質問をいたしますけれども、教育委員会が考える住民参加の考え方、特に政策決定段階での区民の意見、教育委員会の委員の意見をどのように保障すべきなのか、改めてお考えを示してください。

そして、公聴会、住民説明会をきちんと保障すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

鷹倉庶務課長

政策決定段階での教育委員の意見、あるいは区民の意見をどのように反映すべきか。最終的な判断のときに教育委員の前にあらゆる意見を述べて、それを十分承知していただいた上で決定していただく、これが教育委員会の正しいあり方だと、このように考えているところであります。

中塚委員

先ほども話しましたけれども、教育委員会にすら、この案でいいのかというお尋ねは必要ないとしているんです。教育委員会とは一体何なんですか。教えてください。

鷹倉庶務課長

教育委員会に対して事務局の案をお示ししながら、いろいろな意見が出たものを示しながら、そして全体像をつかんでいただきながら判断をしていただく、教育委員会としての最終的な最高の意思決定機関ということでございます。したがって、事務局はいろいろ案を練るということは、私どもの事務局としての責任、このように考えてございます。

中塚委員

私は、常々教育委員の意見に対しても、一人ひとりの保護者の意見に対しても誠意を持って受け止めて回答する、こういう姿勢があまりにも欠けているんじゃないかと思っております。特に9月9日の教育委員会が非公開になった際、区民から抗議の申し入れが上がっていると思います。それがいまだに回答がきていません。その後、なぜ回答をしないのかという申し入れをしても、今日に至ってもいまだに回答がないわけです。9月9日から1カ月経っていますけれども、どうして一人ひとりの区民に対して、しかもきちんと申し入れがされているものに対して、行政として姿勢を改めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

鷹倉庶務課長

今の2回の申し入れはきちんと申し入れがされたということでございますけれども、これは教育委員会の閉じた瞬間でございましたけれども、提出されたということで、若干私どもといたしますれば、提出の仕方がちょっといかがなものかなという部分が確かにございます。ただし、中身的には、ただいま検討をしているところでございます。

中塚委員

中身のことに関しては検討をしているとおっしゃいますけれども、例えば情報公開条例で教育委員会の資料を請求したと。例えば出せないものがあった。こういう理由で出せませんという回答があるわけですね。でも、今回の9月9日に出したもの対しては、回答できないという理由は全くないんですよ。提出したものに対して、全く連絡がない、こういう姿勢は大変問題だと思いますけれども、いかがでしょうか。

鷹倉庶務課長

きちっと答えをしていくためには、やはり出し方もきちっとしていただくことが肝要かというふうに考えてございます。

中塚委員

ぜひ早急な対応をしていただきたいと思います。私はやはり住民参加の保障がされているとはとても思いません。改めてここで区長のお考えを伺いたいんですけれども、本会議の場でも、区民が主人公だとはっきりと申しております。区民の意見をどのように保障するのが高橋区長の思い描く品川区政なのでしょうか。区長の公約の中にも、多くの区民の皆さんのご意見をもとに、力強い区政に携わると示しております。区民の参加、協働の推進について、ぜひ区長のお考えをお伺いしたいと思います。

古川教育次長

先ほども私のほうからご答弁申し上げました。住民参加、住民がどういう形で行政の決定に参画していくかというのは、さまざまな機会があろうかと思っております。公聴会もその一つであろうかと思っておりますし、住民投票的なものもその一つの中に数えられるというふうに考えてございます。

私どもは、この間、これは区長の答弁の中にたびたび出てくることでございますけれども、重要な案件につきましては、もちろんさまざまな形で住民のご意見をお聞きすることもございますけれども、議会における、例えば文教委員会でありますとか、あるいは本会議におけるさまざまなご質疑でありますとか、そういう中で、区民の声を代弁していく一つの大きな場が、私どもは議会、あるいは委員会であろうと、そのように考えてございます。

したがいまして、今回大井地区における小・中一貫校の設置場所、そして、どことどこを小・中一貫校が望ましいか、この部分につきましては、教育委員会が一定の判断をすべき内容であろうと、こういうふうに考えてございます。しかしながら、小・中一貫校をどういう形で、財政的な面の裏付けをとりながら、どう計画を進めていくか、当然議会がまた関与していく部分でございます。私どもはこの決定につきましては、教育委員会の一つの権限の中で決めさせていただきました。

それに係わるさまざまな場面で文教委員会にもご報告をし、その中でのさまざまなご意見をいただいている。したがいまして、住民参加の手法につきましてはさまざまあろうかと思いますが、私どもは今回小・中一貫校を大井地区を決めるにあたりましては、一定のルールに従って今回決めてきた、そのように考えてございます。

中塚委員 

私は最後に、教育委員会の公聴会、住民説明会が行われていない中で、一方的な計画決定は、第三次長期基本計画の方針にも反するのではないかと思うんです。地域への説明、回答、合意のない小・中一貫校計画の決定は見直すべきだと思います。このような無計画、無責任の、独断専行の教育行政こそが子どもたちの学校教育を歪め、心を傷つけるんだと思います。ぜひ早急な公聴会、住民説明会の開催を要望するとともに、計画の見直しを提案したいと思いますけれども、いかがでしょうか。

古川教育次長

無計画、独断専行ということでございますが、私どもは決してそういうふうに考えてございません。かなり念入りにさまざまな会議体を持ちながら、ご意見を踏まえ、そして一定のルールに従って決定をしてきた、こういうふうに考えてございますので、あくまでも教育委員会として決定した今回の小・中一貫校、大井地区につきましては、この決定を変えるつもりは、これは教育委員会の決定でございますので、そのような考え方は持ってございません。

中塚委員

私は、平成13年度に発表された、実際の審議は平成10年ですか、ここから長い間にかけて審議をして、平成13年に発表された。今後10年間の計画がここに記されているんですよ。このどこを見ても小・中一貫校の構想なんて全くないわけです。しかも、この2年間の間で1校目、2校目、しかも、それを四ブロックに広げていく、こういうやり方を私は独断専行だと言っているんです。きちんと区民の意見に耳を傾けて、今後の運営に反映していただきたいと思います。

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