2003年3月
日本共産党品川区議会議員団
福祉を削って、ため込み570億円
自治体の任務放棄、「営利会社」化をすすめた高橋区政
全国一の大規模開発をすすめる高橋区政
大規模開発への税金投入472億円、中小企業予算の47年分
区民の声を聞かず、住民参加否定の政治
小中一貫校、PTA関係者などによる3,500名余の反対署名を無視
財政の使い方をあらため、ため込み金570億円を区民の願い実現に振り向けます
1.区民と対話し、区民とともにすすめる区政の実現を
2.お年寄りと子ども、障害者を大切にした福祉優先の政治を
3.中小零細企業を区内産業の主役と位置付けた支援を
4.大規模開発を見直し住宅、環境を中心にしたまちづくりを
5.30人学級の実現、わかる授業、たのしい学校に
6.青年に安定した職と希望ある未来を
7.区民に開かれた議会を
高橋区政が誕生し今年で4期16年になります。失業、倒産、住宅難などが広がるもとで品川区政は区民のいのちとくらしを守る政治を取り戻すのか、福祉切り捨ての冷たい政治を続けるのかが問われています。
全国では長野県の田中知事の再選や兵庫県尼崎市、熊本市など、日本共産党と無党派の共同で民主的自治体が次々と誕生しています。住民のくらし・福祉を守る、本来の自治体を取り戻そうとする地方政治の流れが広がっています。国政でも地方政治でも住民に犠牲を押し付けるばかりの自民党・公明党などオール与党の政治に厳しい批判がひろがっています。
品川区では30年前、区長を区民の手で選ぶ、区長準公選を実現し、区長公選の自治法改正を勝ちとり、革新区政を誕生させました。革新区政は高齢者、子ども、障害者など福祉の面でも、広聴員制度など住民参加の面でも全国に誇る輝かしい成果をあげることができました。
日本共産党は、革新区政の時代も、保守区政になってからも、区民の福祉・くらし第一に、区民の運動とむすんで重要な実績をあげてきました。
品川区政を民主化し、区民要求を実現するために、日本共産党区議団は、引き続きがんばります。
高橋区政と日本共産党以外のオール与党はどのような政治をおこなってきたのでしょうか。
第1の問題は、住民のいのちとくらしを守る自治体本来の任務を投げ捨て、利益追求を目的とする区政の「営利会社」化をすすめてきたことです。
高橋区政は一昨年、コスト主義、効率主義を基準にすべての事業を見直す「行政評価システム」と、独立採算・競争原理を基本とする「事業部制」を導入しました。
これまでの庁議を事業部経営会議とし、福祉や住民サービスなど自治体のおこなうべき仕事を徹底して切り捨ててきました
この3年間で生活保護の入浴券を90枚から毎年10枚ずつ削減し、昨年は60枚にしました。「今後、廃止を検討する」としています。身体障害者のタクシー券は月2,300円で23区で最低レベルなのに、2年前に新たに所得制限を導入、280人を削減しました。さらに、高齢者家賃助成制度を2007年までに廃止、現在受けている90人は最大で4万円の助成金が打ち切られることになります。
2001年度の国民健康保険料滞納者は22.3%、4世帯に1世帯が滞納となっています。区は滞納の原因は、病気、営業不振、失業、倒産としています。差し押え件数は257件と23区で断然トップ、減免額制度適用は4年前の86件から55件と減少。さらに今年度予算では一人平均6,827円もの保険料の値上げが自・公など与党の賛成で決まりました。
特別区 | 千代田 | 中央 | 港 | 世田谷 | 北 | 荒川 | 練馬 | 葛飾 | 文京 | 台東 | 大田 | 渋谷 |
件数 | 0 | 0 | 6 | 103 | 0 | 7 | 12 | 159 | 3 | 2 | 18 | 45 |
特別区 | 杉並 | 板橋 | 江戸川 | 新宿 | 墨田 | 江東 | 品川 | 目黒 | 中野 | 練馬 | 足立 | 計 |
件数 | 238 | 0 | 0 | 14 | 3 | 1 | 257 | 116 | 49 | 12 | 0 | 1,033 |
高橋区長は1983年から20年間に1,394名(2002年現在)の職員定数を削減しました。その85%は保育園や学童保育クラブ、学校、図書館など住民サービスに関連した事業に集中しています。
保育でみると10年間に205人を削減。これは1園あたり5.5人が削減されたことになります。
保育問題協議会の子育て実態調査によれば「あなたの通う保育園の職員体制についてお聞きします」の設問に、76.4%の父母が「足りない」と答えています。職員を削減し、非常勤職員(2〜3時間パート)に置き換えたため、父母の間からは「せめて朝は担任に子どもを受け取ってほしい」「送り迎えの際には担任の先生と話をしたい」との声が共通して出されています。
さらに、保育園給食や文化センターの窓口事務など、民間委託を急速にすすめています。まさに行政の責任を放棄しようとするものです。
アルゼンチン債購入問題は品川区を「営利会社」化した姿勢が起こしたものです。
品川区文化振興事業団(当時の理事長は高橋区長)は2000年5月に1億円、9月に6,000万円のアルゼンチン債を購入。証券会社から「低格付のBB債であり、元本割れの危険がある」と指摘されたのに「私の判断と責任において取引をおこなう」と高橋区長は理事長として捺印、確認書を提出しました。1億6,000万円分を購入。そして紙くず同然にしてしまいました。区長の責任は明瞭です。
これまで区長は、広報などで区民に説明もせず、損害の賠償も含む責任もとろうとしていません。民間会社ならば、完全に辞職もの。株主から責任者に対する損害賠償の要求が出ることはは必至です。区長は「財政健全化」を口にする資格はありません。
利益追求を第一の目標に福祉や住宅、教育に大なたをふるい、ため込んだ基金は570億円と23区で港区に次ぐ、第2位となっています。これは高橋区政の「財政健全化」と自慢できるものではなく、福祉や職員を削り、区民負担を増大させた冷たい政治を象徴したものといわなければなりません。
年度 | 月日 | 主な推移 | その他 |
1986(S61) | 2. 5 | 品川文化振興事業団結成 | |
1987(S62) | 5. | ★相見氏教育長・財団理事に | |
1995(H 7) | ★相見氏教育長・財団副理事長に | ||
1999(H11) | 6.29 | 相見昌吾副理事長が事務局長兼務 | |
2000(H12) | 3. 1 | ●メキシコ債務1億円(BB、新光証券、3%、運用財産、H13.8処分) | 相見副理事長(事務局長兼務)が購入 |
4. 1 | ★星野悦郎事務局長就任 | ||
4. 1 | ●中国債5,000万円(BBB以上、新光証券、2.8%、基本財産、H13.6.21処分) | 相見氏の指示で星野事務局長が購入 | |
5.15 | ●アルゼンチン債(第5回)1億円(BB、新光証券、5.4%、基本財産)、 5・9債権格付に関する確認書(高橋久二名で新光証券に) |
相見氏の指示で星野事務局長が購入 | |
6. 2 | H12年度第1回理事会で星野事務局長は 「さらに安全確実有利なもので検討」と発言 |
||
9.26 | ●アルゼンチン債(第7回)6,000万円 (BB、B1、日興証券、4.85%、運用財産) 8.30−低格付債権取引に関する確認書(格付けBB)日興証券 |
相見氏の指示で星野事務局長が購入 | |
10.19 | ★浜野助役副理事長に就任(相見氏退任) | ||
冬頃 | 星野事務局長、浜野助役にアルゼンチン債問題で相談 | ||
2001(H13) | 5月 | 副理事長・事務局長が理事長に外債購入報告。 理事長(区長)アルゼンチン債の処分を命じる |
国際的経済情勢に変化 (外国債処分開始) |
5.23 | 会計監査(債権登録証明が示される) | ||
6.28 | 12年度収支決算書(監査報告書5.23−いずれも正確妥当なことを認めます) 3.31付財産目録−4本の外国債はいずれも国債と表記 |
||
8. 8 | 基本財産から運用財産に付け替え | ||
12.23 | アルゼンチン債ディフォルト宣言(ロドリゲスンルイス暫定大統領) | ||
12.27 | 財産管理に関する調査委員会発足 | ||
2002(H14) | 2.12 | 幹事長会で報告(浜野助役) | |
2.13 | 教育庁に報告(星野事務局長) | ||
2.14 | マスコミ一斉報道 | ||
2.22 | 財団法人品川文化振興事業団の財産管理に関する調査報告書発表 | ||
2.19 | 理事会、評議委員会でアルゼンチン債問題報告 |
高橋区政の第2の問題は、ゼネコン、大企業が中心となった大規模開発に熱中、28地区もの開発を次々にすすめていることです。昨年7月、大崎駅周辺の60haが都市再生緊急整備地域の指定を受けました。品川区は小泉内閣の「都市再生」を追い風に、いっそうの大規模開発を推進しようとしています。
高橋区政は、これまでに13地区を完成(6地区は中止)させています。これらの大規模開発への税金投入は、現在計画中のものも含めると472億円に達しています。
大崎駅周辺の開発への税金投入は、東口の三井不動産、東京電力が中心となったゲートシティに111億円、東五反田の三井不動産、フジタのオーバルコートには49億円を投入。現在計画中の大崎東口第3地区には100億円、大崎駅西口中地区には55億円の税金投入を予定しています。2003年度予算では新たに、JR広町アパート(大井町)地区の開発を推進しようとしています。何のために、誰のための開発かが問われます。
2003年度の再開発予算は23億円ですが、それは不況に苦しむ区内中小企業22,481事業所の中小企業対策費の14億円の1.6倍にあたります。
大規模開発は環境の点からも問題です。就業人口と車両の集中によるエネルギー放出、建物による蓄熱作用は地球温暖化、ヒートアイランド現象を促進します。品川区は再開発が環境にどのような影響を与えるか、予測・評価を全くおこなっていません。
一方、不況のもとで都営住宅の希望者が急増しています。申し込みの年平均倍率で見ると、1997年が35.7倍、2001年には88.4倍と5年間で2.5倍にもなっています。党議員団の区営住宅建設の求めに対し、高橋区長は「公営住宅は足りている」「公営住宅は都の仕事」と主張し、区営住宅建設を頑なに拒否しています。
大崎駅東口のゲートシティ開発に投入した111億円があれば、550戸程度の区営住宅の建設が可能です。品川区の区営住宅数は400戸ですから、ゲートシティーに投入した税金分だけで、品川の区営住宅を倍加しておつりがくる計算になります。
公営住宅建設を願う区民の声よりもゼネコン、大企業のオフィスづくりに熱中する高橋区政は、自治体というよりも「品川開発会社」の名がピッタリです。
第3の問題は、区民や職員の意見も聞かない、住民参加否定の政治をすすめていることです。
小中一貫校計画は、昨年1月、朝日新聞がスクープするまでPTA、学校の教職員、区議会にも説明がありませんでした。区側は、日野中学校を移転、第二日野小学校と合体させ9年間の一貫教育をおこなうことにより、「小学校から中学校に進学する際の心理的ストレスをなくし不登校をなくす」「効果的な学習指導ができる」としています。若月教育長は昨年の「論座」3月号で「小学校5 年生ぐらいで小学校の学習が終われる子どもは終わらせて、中学の先取りを」と発言しています。これは公教育の場でエリート教育をおこなうことをあけすけに語ったものです。
選抜試験のない公立学校でエリート教育を実施すれば、どうなるでしょうか。授業についていけない児童・生徒が急増し、その対策として学力によりクラス分けをすれば子どもたちの心を傷つけ、不登校やいじめの増加が心配されます。
こういう重要な問題を、区長や教育長など一部のトップが決め、関係者の意見も聞かず推進しています。これは住民参加を否定する、もっとも非教育的なすすめ方といわなければなりません。
3年前、学校選択制の導入を審議した際、深沢教育委員長は教育委員会のまとめで「ブロック化については、受験校化する、格差が生じる、背景に統廃合があるのではないかといった不安や疑問がある。学校関係者だけではなく、地域・PTA・保護者の理解や納得を十分得られるような方法や姿勢を持ってほしい」と述べたほどです。
この他にも保育園父母の会や学童保育クラブ連絡協議会の面談申し入れに対して、「保育園父母の会は区民ではないから」とくり返し拒否しています。区長の気に入らない住民運動団体や保育関係団体などを排除する区政が恒常化しており、区長は住民参加を語る資格はありません。
区政における主人公は区民です。区民の声も聞かずに強権的にすすめる姿勢のもとでは、区民の声が生かされた政治は望むべくもありません。
4年前の区議選で日本共産党は6名から8名に躍進し、公明党と並ぶ区議会第2党になりました。一般質問に2人が立つことができるようになっただけでなく、予算・決算委員会での発言時間も増加しました。加えて政策や論戦力の点でも力をつけ、議会内で質量ともに確固たる地位を占め、区民要求実現に全力をつくしてきました。
日本共産党区議団は42の議員定数で唯一野党ですが、他党にない多くの成果を納めることができました。その要因として以下の4点があげられます。
以下、党議員団の主な実績とその成果がどのようにして生まれたのか、述べることとします。
前回の選挙で大きな争点となったのが学校のトイレ改修、雨漏り問題でした。
共産党は選挙前から、学校を訪問調査し、トイレの老朽化がすすみ男女共用トイレが存在すること、雨漏りが少なくない学校で起きていること、などを明らかにし、議会で改善を求めて取り上げました。
ところが公明党は「学校にトイレ問題や雨漏りがあるのか」などと議会でくり返し質問。公明新聞は、鶴議員と相川教育長(当時)とのなれ合い質問の答弁を引用し「(学校に)問題ありは1件もなし」「(共産党の)大ウソがまた明らかに」と大々的に報じました。そればかりか、選挙期間に「共産党はうそつき」との怪文書が大量に配布される事態となりました。
選挙直後の6月議会で共産党議員団が学校トイレの改善を求めたことに対し、区は「男女共用トイレは平成10年、11年で全箇所解消し、今後は簡易間仕切りの改修に着手する」と約束しました。
その結果、3年前には区内小学校の男女共用トイレ31校65ヵ所が改善、2年前には簡易間仕切りトイレもなくなりました。雨漏り対策も屋上防水、外壁塗装などが計画的におこなわれるようになっています。
現在、学校の修繕などに充てる環境整備費は1997年6.8億円が、2001年は12.4億円に、最近は10億円前後の予算編成が定着しています。
今年の夏までに、すべての小中学校の普通教室に4億5,000万円の予算でクーラーが設置されることになりました。
教室へのクーラー設置も、PTA、教職員組合、党議員団のねばり強い共同の成果です。
当初、区も与党各党も「自然の中で育つほうがよい」「クーラーはないほうがよい」などと反対し、教職員組合の3回の陳情や党議員団が昨年6月に提案した「普通教室も国庫補助対象とすることを求める意見書」に対しても、ことごとく否決してきました。
しかし、教室へのクーラー設置問題は日本共産党国会議員団の取り組みの結果、国の予算にも盛り込まれる報道がされるなど状況は一変。高橋区長は昨年9月「来年夏までに普通教室にクーラーを設置する」と表明するにいたりました。
また、党区議団は「クーラー設置工事の発注を区内中小建設業に求めた緊急要望書」を提出しました。これは不況のもとで中小企業の仕事確保の立場からおこなったものです。高橋区長は当初「東京ガスに一括発注したい」と述べていましたが、本会議で「地元業者に発注したい」との答弁に変わりました。
学校とともに学童保育クラブにもクーラー設置を求めてきました。学校の普通教室にクーラーが設置されることが契機となり、学童保育クラブ、18の併設館にもクーラーが設置されることになりました。予算は360万円です。
品川区は2001年10月から65歳以上の低所得者の方を対象に、介護保険料月額2,475円を1,650円に減額する制度をスタートさせました。
共産党区議団は介護保険問題で6回の大規模なシンポジウム、党支部と共同し100回を超える懇談会・学習会を開催してきました。また、品川社会保障推進協議会と共同し保険料の引き下げ、減額制度の実現を求める2回の請願署名に取り組んできました。
共産党は「品川区の保険料が23区で一番高い原因は、事業費の過大な見積もりにある」と指摘し、「基金を取り崩せば保険料の引き下げと低所得者の負担軽減は可能」と財政的裏づけも示し提案しました。
品川区および与党会派は「低所得者の負担軽減は保険制度の根幹を崩す」と拒否してきましたが、共産党の追及と区民運動が広がる中で減額制度が実現したものです。
今年4月は3年ごとの保険料、サービスの見直しの節目ですが、品川区は65歳以上の保険料を3,300円に据え置く方針を明らかにしました。保険料据え置きは、この間の党議員団と区民の運動が実ったものです。
品川区は3年間だけで15億7,000万円も基金としてため込んでいます。区は「保険料据え置きに必要な予算3億円は基金から取り崩す」としています。
23区でも20区が、10〜20%の値上げ、据え置きは品川区の他、足立区、板橋区となっています。
党議員団はさらに、保険料の引き下げ、低所得者の保険料減額制度の対象の拡大、利用料1割負担の軽減を求めています。
品川 | 目黒 | 大田 | 世田谷 | 渋谷 | |
現行 | 3,300 | 3,275 | 3,070 | 2,967 | 3,063 |
2期目 | 3,300 | 3,520 | 3,200 | 3,117 | 3,382 |
品川区は、介護保険事業をおこなうにあたり、大手シルバー産業を優遇し、中小民間事業者を差別する仕組みをつくりました。中小民間事業者には仕事も回さず、情報提供の会議もおこないませんでした。党区議団は他区の状況や事業所を調査し、くり返し議会で取り上げたことにより、中小民間事業者に対しても定期的な情報提供の会議がもたれるように改善されました。
2001年9月、「品川区産業振興マスタープラン」が制定されました。
党区議団は「品川区は中小零細企業の町であり、計画的、総合的に支援する計画をつくるべきだ」として1999年9月に「品川区地域産業振興条例」を提案しました。党議員団は提案にあたり、品川民商、商店連合会、工場協会、中小企業同友会、異業種交流団体など商工団体と懇談し、労働組合、春闘共闘とも共同してアンケート調査をおこないました。
区民委員会では自民、公明、合同、民主の反対で否決されましたが、わが党の「条例案」に与党各党は次のように発言しました。
「即、(中小企業の)発展に寄与しないような条例をなぜつくるのか」(林宏?自民)、「臨時国会で集中的に(中小企業振興の)議論する機会があるので時期的にふさわしくない」(佐藤弥二郎−合同)、「わが党も緊急地域交付金の積極的な活用に関する要望書を提出しているので…(条例の制定は)必要ない」(山路良成?公明)と発言しています。
ところが自民党の伊藤昌宏議員は、地域産業振興条例案の反対討論の中で「産業振興マスタープランの制定を提言し…」と述べました。
日本共産党の品川区地域産業振興条例提案は否決されましたが、産業振興マスタープランとなって生かされたのです。
品川区はマスタープラン策定にあたり、1,300万円の予算で区内4,000社の製造業を対象にアンケートや訪問調査を実施しました。この他にも中小企業相談員の工場訪問制度や産業展示コーナーの設置、拡大など、党議員団がくり返し提案してきたことが次々に実現しています。
これらの前進は、中小企業のみなさんと日本共産党区議団のねばり強い共同の取り組みが原動力となりました。
共産党の提案で実現した中小企業センターに設置された産業展示コーナー
1993年に0歳、1歳を対象にスタートした乳幼児医療費助成制度は1998年には0〜5歳まで、2001年10月には就学前までに拡大されるなど改善されてきました。
党議員団は「乳幼児医療費の無料化は、区民の切実な願いであること」「少子化が社会問題となっているもとで、有効な子育て支援策である」など主張するとともに1995年以来、現在まで7回、条例改正提案をおこなってきました。オール与党は7回の条例改正提案をすべて否決。しかし、党議員団の提案後に区長提案として対象拡大がはかられてきました。
同制度は年々改善されたとはいえ、表のとおり、品川区は全年齢に所得制限をつけ10%を対象外にしている唯一の区となっています。党議員団の所得制限撤廃の申し入れに、高橋区長は「個人的には全部医療費を無料にすることはいいことだとは思っていない。所得制限を撤廃するつもりはない」と述べています。乳幼児医療費助成制度の所得制限撤廃に必要な財源は6,000万円であり、すぐにでも実現可能です。
今後、所得制限を一日も早く撤廃するようがんばります。
所得制限なし | 所得制限4歳〜就学前 | 全年齢・所得制限 |
千代田、中央、港、新宿、文京、台東、墨田、江東、目黒、大田、世田谷、渋谷、荒川、板橋、練馬、葛飾、江戸川、中野、豊島、杉並、北 | 足立 (2004年以降所得制限なし) |
品川 |
昨年8月5日から施行された住基ネットは個人のプライバシーの漏えいの不安が広がり、区が特設した電話に1,386件の問い合わせ、抗議の電話が集中しました。
8月9日、第3回定例会に党議員団が「住基ネットに関する個人情報保護条例を提案する」とホームページに掲載したところ、品川区は8月20日の総務委員会、区民委員会で、「住基ネットに関する個人情報保護条例を提案したい」との発言をしました。それ以前は、区は「住基ネットシステムは全く問題ない。推進する立場です」と発言していたのです。党議員団が第3回定例会で条例提案の方針を固めたことが、区の態度変更、条例提案につながったことは明らかです。
区側から示された条例案は、「住民票記載情報を保護するため電気通信回線を切断」など、優れた面をもちながら、
などの問題点があり、党区議団は条例修正を提案しました。また、国に向けて、住基ネット制度は致命的欠陥を持つものであり、中止を求める意見書提出を表明したところ、自民党から党議員団に「うちの会派としても意見書、附帯決議を提案したい」との申し入れがありました。調整の結果、「品川区住民基本台帳ネットワークシステムに係る附帯決議」「住民基本台帳ネットワークシステムに係る個人情報の保護に関する法整備の促進を求める意見書」を全会一致で決定しました。
住基ネットの個人情報保護条例制定にあたっても、党議員団の先駆的取り組みが、行政、議会をリードしました。
党議員団は9年前に「政務調査費の決算報告に当たり領収書を添付し、情報公開の対象とする」との提案をして以来、議会運営委員会などでくり返し提案してきました。
5年前の地方自治法「改正」に基づき、政務調査費の条例化を議会運営委員会で協議しました。わが党は領収書添付の義務化と公開を提案、自民党も同意の意向を示したことにより各党代表者による検討会が設置され、2001年4月より全会一致で領収書の添付も情報公開の対象とすることを決定しました。これは全国的にもモデルとなったものであり、画期的な成果となりました。
この3年間、党議員団がくり返し取り上げてきた都市計画審議会の公開と議事録公開、文化振興事業団、国際友好協会など各種審議会の議事録公開も実現しました。以上のほかにも党議員団は、委員会の公開、区長との酒付懇談会の廃止、情報公開制度の導入など開かれた議会とする貴重な成果をあげています。
昨年8月、品川区民オンブズマンは「自民党が13年度の政務調査費で飲食費にあてた901万6,000円のうち研究費の名目で支出した620万4,452円はキャバレー、カラオケ店、クラブなどの支出を含んでおり、調査研究費にあたらない」として返還請求を東京地裁に起こしました。
表は、品川区民オンブズマンの調査により明らかとなった、区議会各党の政務調査費の平成13年度決算です。
なお、共産党区議団は今後、政務調査費からの食料費支出は極力少なくするよう努力しています。
総支出額 | 会派人数 | 飲食費総額 | 議員1人あたり | 飲食費の占める割合 | |
自民 | 29,888,163 | 13 | 9,016,963 | 693,613 | 30.17% |
公明 | 18,261,389 | 8 | 4,100,999 | 512,625 | 22.46% |
共産 | 18,248,155 | 8 | 368,933 | 46,117 | 2.02% |
合同 | 11,767,225 | 6 | 141,333 | 23,556 | 1.20% |
民主 | 11,429,573 | 5 | 2,472,722 | 494,544 | 21.63% |
区民クラブ | 4,565,852 | 2 | 0 | 0 | 0.00% |
94,160,357 | 16,100,950 | 17.10% |
品川区は昨年10月から「分譲マンション基礎調査」を実施しました。この調査は900万円の予算でマンション管理支援の基礎資料とするためにおこなったものです。区内にある全ての分譲マンションを対象として、居住状況、建物の維持・管理の現状などについて、アンケート調査をおこなったものです。
この調査は党議員団が長年にわたり議会で取り上げてきたことが実ったものです。また、マンション相談窓口を住宅課に設置、マンション交流会が実施され、これまで6回開催されています。
日本共産党は以下の重点政策実現のために力をつくします。
区政の主人公はいうまでもなく区民です。あらゆる施策をすすめる際、区民の声に耳を傾け区民とともにすすめる区政を実現します。高橋区長は「決めるのは私」と発言しているように、大事な施策を区民に知らせずトップで決定し、ごり押しをする立場を貫いてきました。
また、情報公開制度の公開を1件あたり300円と有料化したために、膨大な費用がなければ区政をチェックできない仕組みに変えました。非営利の公開請求を有料化しているのは23区では中央区と品川区のみです。
小泉内閣のもとで高齢者の「医療改悪」「年金の1%カット」、また石原都政は「寝たきり手当の廃止」「シルバーパスの全面有料化」などお年寄りに冷たい政治をすすめてきました。高橋区政は「ひとり暮らしの入浴券支給を廃止」「高齢者家賃等助成制度の18年度廃止(12年4月から新規受付は中止)」するなど国政、都政に相乗りした冷たい政治をすすめてきました。
お年寄りと子ども、障害者を大事にした福祉優先の区政をすすめます。
区内の全企業のうち従業員300名以下の企業は97%、品川は典型的な中小企業の町です。
長引く不況、中国や東南アジアへの産業の移転などにより区内の商店、町工場など中小企業は存亡の危機に直面しています。
産業振興マスタープランが危機に直面する中小零細企業の振興に有効な計画となるよう力をつくします。
高橋区政は大規模開発には惜しげもなく財政も人も投じていますが、区営住宅建設は「現状で足りている」と拒否をしています。
共産党は安心して住み続けられる品川をつくるために公営住宅、高齢者住宅、区民住宅の建設をバランスをとってすすめます。
大規模開発は、オフィス過剰供給の2003年問題とともに、人と車を集中させヒートアイランド現象など環境面でも大きな問題です。大規模開発を見直し、住宅、環境、安全を中心にしたまちづくりに転換します。
今、子どもが置かれている状況は学力の遅れ、不登校、いじめ、「学級崩壊」など多くの問題をかかかえています。高橋区政は「プラン21」を掲げ学校選択制、小中一貫校など矢継ぎ早にすすめています。これらは子どもの実態から出発するのではなく、文部科学省の方針を先取り実施するものです。とりわけ小中一貫校は公教育にエリート教育を持ち込み、できる子、わからない子を選別するものであり、子どもたちにとっても学校運営にとってもあまりに多くの問題を持っています。
子どもたちの実態をふまえ、ゆきとどいた教育の実現をめざします。
青年の完全失業率は10%を超え、多くの青年が不安定な仕事に従事せざるを得なくなっています。その背景には長期の不況とともに、民間企業のリストラ、地方自治体の「行政改革」などにより正規職員を削減したことがあげられます。
不安定雇用の広がりは、青年の未来にかかわる問題であるだけでなく、社会保障の基盤、品川の産業(技術)の継承、品川の将来にかかわる大問題です。
青年に安定した仕事と希望ある未来のために力をつくします。
品川区議会は委員会の傍聴制、議事録のインターネットでの公開、理事者との酒食つき懇談会の廃止、政務調査費の領収書添付の義務付けと公開、などの改善をしてきました。共産党はその多くの提案をおこなうなど議会改革をリードしてきました。
区民のみなさんに開かれた、無駄のない議会となるようさらにがんばります。
開発名 | 事業規模 | 主な推進企業 | 進捗状況 | ||||
敷地面積 | 面積(業務) | 住宅戸数 | 総事業費 | 区の補助金 | |||
●大崎駅周辺地区 | |||||||
(1)大崎駅東口第1地区 | 20,598u | 89,062u | 無 | 352億 | 27億800万 | 勧業不動産、日本精工、TOC | 昭和62年1月完成 |
(2)大崎駅東口第2地区 | 42,509u | 240,778u | 157戸 | 1,666億(見込) | 110億9,400万 | 三井不動産、東京電力 | 平成10年12月完成 |
(3)大崎駅東口第3地区 | 25,000u | 70,000u | 500戸 | 600億(見込) | 100億(見込) | 大林組、不動建設、金陽社 | 都市計画決定に向け準備中 |
(4)東五反田2丁目第1地区 | 13,991u | 24,343u | 348戸 | 274億 | 49億 | 三井不動産 | 事業中 |
(5)東五反田2丁目第2地区 | 18,000u | 地権者と協議中 | |||||
(6)東五反田2丁目第4-1地区 | 5,000u | 三井不動産 | 地権者と協議中 | ||||
(7)北品川5丁目第1地区 | 35,000u | 平成9年11月準備組合設立 | |||||
(8)大崎駅西口(ソニー、明電舎) | 57,000u | ソニー、明電舎 | 地権者と協議中 | ||||
(9)大崎駅西口中地区(2丁目8・9番地区) | 22,000u | 360億 | 47億(見込) | 千代田生命、フジタ | 平成6年9月準備組合設立 | ||
(10)百反坂下地区 | 10,000u | 平成13年3月再開発準備組合設立 | |||||
●品川駅東口地区 | |||||||
(1)品川駅東口A−1地区 | 35,564u | 興和不動産、大林組 | 平成10年竣工 | ||||
(2)品川駅東口B−1地区 | 71,000u | 25戸(予定) | 三菱商事、キヤノン販売 | 事業中 | |||
●西大井駅周辺地区 | |||||||
(1)西大井1丁目地区 | 6,720u | 2,493u | 25戸(予定) | 83億 | 7億5,600万 | 野村不動産 | 昭和61年3月完成 |
(2)西大井駅前南地区 | 5,755u | 約290戸 | 145億 | 3億(既支出) | 施工:佐藤工業 | 事業中 | |
●大井町駅周辺地区 | |||||||
(1)大井町駅東口第1地区 | 7,126u | 184億 | 14億7,600万 | 丸井 | 平成元年9月完成 | ||
(2)大井町駅西口D1地区 | 4,634u | 1,061u | 無 | かんべ | 平成9年4月完成 | ||
(3)大井町駅東口C地区 | 17,000u | 7,774万(調査委託) | 凍結 | ||||
(4)大井町駅東口D2地区 | 5,000u | 中止 | |||||
(5)大井1丁目商睦会地区 | 3,650u | 2,853万(調査委託) | 中止、日本設計 | ||||
(6)一本橋地区 | 1,746万(調査委託) | 中止 | |||||
大井プレイス構想(JR社宅) | 4,000u | 2,990万(調査委託) | 昭和62年5月整備構想策定 | ||||
東品川4丁目地区 | 72,600u | 270,000u | 約800戸 | 1,500億(見込) | 日本たばこ、鹿島建設 | 事業中 | |
天王洲地区 | 73,400u | 337,500(特)u | 539戸 | 三菱商事、宇部興産 | 完成 | ||
三菱マテリアル(区役所前) | 21,300u | 89億(用地費) | 三菱地所、明治生命 | 中止、区民住宅、公園等に変更 | |||
立会川西口 | 2,000u | 2,952万(調査委託) | 中止 | ||||
御殿山森ビル開発 | 33,000u | 森ビル | 完成 | ||||
大森駅前(ベルポート) | 27,000u | いすず | 完成 | ||||
目黒駅前 | 40,000u | 構想段階(トライスクエアー構想) |