第一回定例会いいぬま一般質問報告
今なぜ学校給食をとりあげたのか?
保育園同様に民間委託準備中

 公立保育園給食の民間委託化が進み、今年4月から全園委託になります。区は「委託で、安全・質の高い給食を、財政効率よく提供できる」と、小中学校でも、改築校から委託を行なうと方向を示しています。保育園の時のように、知らない間に、導入されては納得がいきません。PTA・地域のみなさんと共に「学校給食」を考えたいと質問しました。

「おいしい」が育てる子どもの味覚 「だからこそ本物の味を伝えたい」

 私は「学校給食は、直営自校方式(学校ごとに区職員が作る)を守り、子どもたちにおいしい給食を」の質問をしました。

 「おいしいと感動した時、味覚が育つ」栄養士の言葉です。学校給食法により食教育として位置づけられている給食は、おいしく作るのはもちろんですが、教師、調理師、栄養士が連携して食文化を子どもたちに伝えています。委託で食教育ができるのでしょうか。

時給850円パートが支える現場

 区は、保育園で全く問題がないと言いながら、父母が求めた試食会は一度も実施していません。なぜ直営と比較しても遜色がないことを示せないのでしょうか。

大鍋を操作し、一度に大量、均一においしく作るためには相当の経験が必要です。委託が安上がりの最大の理由は、従業員の低賃金にあります。時給の割に責任が重く、長続きしないのが実態です。生徒がまずいと訴え試食会を3回も行った。時間に間に合わず、1時間も待たされたなどトラブルも続出しています。また自治体率先して低賃金労働を拡大するのも問題です。

危険な輸入・冷凍加工食品導入がねらい

  学校給食の委託は全国で.12・9%。外食産業の社長は「現在の調理員の派遣だけではうまみがない。食材の納入に期待する」と、業界紙で述べています。日本の食物自給率は40%、食品の輸入は10年間に10倍。野菜の残留農薬、食品添加物など問題になっています。食の国際化を進める外食産業に給食を任せることで、安全が守れるのでしょうか。

委託は本当に安上がりなのでしょうか?

 区長は、保育園の委託は、7億6千万円削減効果が上がると答弁しました。しかし、委託が進むと、どの自治体でも右上がりの負担増(台東区は11年で3倍強、墨田区は9年間で1・7倍)

 杉並区では、住民が区長相手に裁判中です。退職調理師を新規採用に置き換えていけば人件費は当然下がり、直営の方が安くなると言う資料(委託は11年で15億円負担増)を提出。

 品川の場合も現役の調理師を他の職場に配置転換をして委託料を払うのですから、当分2重に経費をかけることになります。

 私は、学校給食のあり方について住民、教職員参加の調査検討会を求めましたが、区長は何も問題がないのでと拒否しました。今後皆さんのご意見が重要です。

 論議を起こしていきましょう。