厚生委員会報告
利用者に説明なく学童廃止
不安・怒りの声ぞくぞく−

8月26日厚生委員会で、「学童保育事業のすまいるスクールへの移行について」2回目の報告がありました。区はこの間2ヶ月、利用者の説明を求める声には一切答えず、突然学童保育クラブ9館の閉鎖を発表しました。たくさんの傍聴者から、「誰のための区政なのか」怒りが噴出。

「すまいるスクールでは、留守家庭の子どもは育ちません。なぜ無理やり移行するのですか?」

区の説明は3点です。表を見てください。
1.平成16年4月より、すまいるスクール実施校(19校)に在学する児童は全てすまいるスクール利用とする。
2.すまいるスクール実施校在学童児童のみが在籍する下記9館は、平成16年度新規募集は行なわず、その結果在籍児童ゼロとなるため、平成15年度末をもって閉鎖する。
3.その他の学童保育クラブの閉鎖は、平成17年を目途とする。

すまいるスクール実施校
(既開設4校)
第二延山・宮前・原・城南第二

(新規開設15校)
三ツ木・源氏前・延山・伊藤
城南・鈴ヶ森・芳水・鮫浜
第一日野・山中・浜川・京陽
杜松・小山・清水台

区民説明会、公聴会を提案!

 課長答弁「区民の代表である議会の声を聞いて組み立てた。保護者会(9月中)の説明と広報(10月21日)で十分。すまいるも学童も同じ、場所が変わるだけで不利益はない」。これでは区民は決定した事を伝えられるだけで意見を表明することができません。移行した後、我が子の生活がどうなるのか。親の心配を代わりに質問しても、すまいるの所管である教育委員会と学童の所管の児童課の調整が全く見えず無責任な答弁です。私は、厚生委員会と文教委員会の合同委員会を求めました。

職員削減先にありき・・すまいるの職員体制では、人間関係が希薄に!

 学童保育の子ども30人から70人がそっくりすまいるに移行するのに、学童の職員はバッサリ削減。すまいるの正規職員1名+非常勤職員2〜4名で十分と課長。なのに、すまいるの子どもが合計何人になるのか把握をしていないずさんさです。子どもの事を本気で考えているのでしょうか。

 職員の数の問題だけではありません。非常勤中心すまいるの職員体制では子どもと指導員の関係が希薄になり信頼関係が築けません。
すまいるは、利用したい時に参加するので、子どもは毎日変わります。職員も正規職員1名以外は、非常勤と言う名称ですが日替わりでころころ変わるパートです。現に川崎市ではわくわくプラザ(品川のすまいるスクールと同じ全児童対策)が始まっていますが、顔も名前も覚えられない状況が生まれています。これではとても学童保育の代わりにはなりません。

 左記の学童保育親OBの声をお読みください。子どもも親も様々な生活の中で精一杯生きています。子どもは社会の宝物です。人と人の関わりを育むには、子ども達をしっかりと受け止める専任指導員が必要です。周りの大人たちが話し合い、運動を広げ子どもを守りましょう。

 毎日生活するのが精いっぱいと言う状況でも、子どものために学校や周囲から、「家庭でお母さん何々をして」と言われる。私と子どもの2人の生活、自分なりに頑張ったつもりなのにどうすればいいのか、非常に悩んでいる時期があった。でも学童保育で知り合った指導員は、「今のままで大丈夫、子どもはきちんと育っているよ」と私達親子を受け止め、肯定し、希望を与えてくれました。親と子と深く関わること、専門的知識を持ち何百人という子ども達と接してきた指導員だからこそ言えることばだと思った。学童保育の指導員は品川の宝です。学童保育だけでなく、もっとたくさんの子ども達の近くにいてほしい。不安な世の中だからこそ、小さいうちは信頼できる大人に守られのびのび育ってほしい。学童保育には専任の指導員を複数、そしてすまいるスクールにも、もっと多くの指導員を配置し、品川から豊かな子育て文化を発信してください。
(源氏前OB)