医療・介護の改善は急務
将来のために、今!力合わせて
 民医連の月刊誌「いつでも元気」の1月号の巻頭エッセイで、平良とみさん(ちゅらさんのおばあ役でおなじみ)が、「命どう宝」を語っています。
 年の初め、かけがえのない命を守るために、今、私たち何をしたらいいのか、考えてみたいと思います。

ヌチドゥタカラ(命どう宝)
    長寿の島沖縄が語り継ぐもの

 平良とみさんの言葉を伝えます。
 沖縄県は世界一の長寿の島ということで、去る11月12日、沖縄国際長寿会議が開かれましたが、専門の先生方が強調されたことは「食生活だけではなく、地域社会の精神、文化的要素の影響が大きい」ということでした。
 沖縄でよく耳にする黄金ことば(金言)があります。「命どぅ宝」は「銭どぅ宝」というお金第一主義の考え方をいましめた昔ことばです。「イチャリバチョウデー」は、人間いちどつきあったらみな兄弟と同じだというウチナーンチュ(沖縄人)の心のやさしいとひろさから生まれたことば、「ナンクルナイサ」は、いろいろ悲しいこと苦しいことはあっても、「明日はきっといいことがあるさ」と楽天的に自然体で生きていく沖縄らしい生活の知恵なんですね。−中略−戦後、沖縄の人びとは、島々を襲った沖縄戦の悲劇を繰り返してはならないという痛切な思いを込めて「命どぅ宝」という黄金ことばを語り継いできたのです。

命を大切にする医療・介護に変えるのは元気な私たち

 私事ですが、昨年は、実家の両親の看病の連続で、医療・介護の現実の厳しさを実感しました。健康には十分気をつけていた父が癌で、趣味とボランティアで行動的だった母がくも膜下出血で倒れ、家族の生活は一変しました。「うちはまだ元気だから大丈夫」よく聞く言葉ですが、倒れてからでは遅いのです。
 両親共に1人月5万円の年金暮らしですが、月3倍以上の入院費用がかかります。自己負担が2倍3倍になったら、どうなるのでしょうか。貯蓄はすぐになくなります。差額ベットの問題、3ヶ月ごとに次の病院探しと心の休まる暇はありません。
 24時間見守りが必要な介護度4の母は、4ヶ月間在宅で介護保険を利用しました。毎日朝のおむつ交換と3回の食事と排泄の介護、訪問看護による健康チェックとシャワーで、限度額をはるかに超え月25万円の負担には正直驚きました。
 「お金がかかっても、苦労しても、内容は不十分、散歩やリハビリを受けさせたい」「在宅で頑張っている人に、同程度の利用料で施設と同じようなサービスを提供してほしい」仕事を持ちながら同居で頑張っている姉の要求です。皆さんはどう思われますか。
 人がその人らしく生活できる居場所つくりが急がれます。在宅介護を支える制度への改善。また在宅が困難な方のための施設の充実。特に誰もが入れる、特別養護老人ホームの建設は急務です。人の命を大切にする社会にかえていくために、今元気な私たちが力を合わせましょう。